いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

2024-01-01から1年間の記事一覧

馬引きの馬子の桜の峠道(あ)

4月から新年度になって、持ち場が大きく変わった。 私は、某委員会の運営を任された。 何をどうしていいか判らないポジションだが、重鎮の話に耳を傾けながら市と連携して地域活動に貢献したい。それが私の残された役目だと思っている。 具体的に何をするか…

いにしへの伊豆の重みや八重桜(あ)

「メモ」をタグで整理したいが、そのやり方がわからない。それで整理しないことにした。 整理しても、その後どうしていいかが判らない。 整理したけりゃすればいい。私は整理することにそれほど執心しないからやらない。とかなんとか言っちゃってるけど、そ…

雨光る清浄明潔福財布(あ)

横書きの「メモ」を縦書き表示で使いたくて、でもできなくて諦めた。たった横書きを縦書きにするだけなのに、こんなに時間を食うとは思わなかった。無駄むだ。横書きに慣れればいいだけのことだ。 昔はパソコンを自己流にいじって遊んでいた。その労力を屁と…

薔薇の芽の雨柔らかく膨らめる(あ)

Mac標準アプリ「メモ」をいろいろいじってみた。 私がやりたいのは、Mac本体の縦書エディタでデータを保存し、それを「メモ」で読みたいという、たったそれだけのこと。 要するに、Macで打ち込んだ縦書文書を、ケータイの縦書表記で見たいというだけのことな…

春めくやうどんしこしこ湯気の中(あ)

ブログの下書きをMacの標準アプリ「メモ」で書いている。キーボードがあると文字を打ちやすくてタッチ間違いが少ない。 Mac本体で打ち終わったら、今度はiPadから「メモ」を呼び出して、同期されたブログの下書きを「はてなブログ」にコピペする。そのときに…

観桜の古木に皺の走りけり(あ)

雨の中、チルド宅急便が届いた。 重い荷物にもかかわらず、冷たい雨に降られながら笑顔を絶やさない。ここに受け取りサインをお願いしますと伝票を見せるかじかんだ手に、これで温ったかい缶コーヒーでも飲んで、とお駄賃を渡したくなる衝動にかられた。 箱…

桜まじ路傍の翁の腰据ゑて(あ)

庭にブルーシートを敷いて娘に散髪してもらった。 「伊豆へ行ったらお父さん(私)の髪の毛を切ってやって」とカミさんに頼まれていたのだそうだ。 ありがたいねえ。晴れてよかった。 春風を受けながら、孫たちの将来のことなんかをいろいろ話した。まさかこん…

歌姫の声春の日の澄み渡る(あ)

ここ数日、春疾風が吹き荒れて、庭先が飛び散った木の葉で埋まった。 明日は孫娘が来るというから、少しはきれいにしとくべえか。 呑気にブログを書いてる場合じゃないよ。 でもこのブログ。2013年に書き始めたから今年で11年目になる。 そんなに書いてたの…

風のやや強くあれども花宴(あ)

毎日ブルグを書いている。 そんなことをしてなんになるの? それは判っている。 判っちゃいるけどやめられない(あれ、そんな歌あったな)。 楽しいから毎日続けられる。 人はそれを大変だろうと言う。 だけど、やってる本人はちっとも大変だと思わない。 かえ…

山からの風横切つて花林檎(あ)

図書館から借りてきた本を返却する。小学館古典文学全集『東海道中膝栗毛』。 借りてきてから返すまで二週間の猶予がある。のだが、二週間って早いねえ、この前借りてきたばかりだと思ってたら、もう返さなくちゃいけない。 返す時、「予約が入ってなかった…

文学賞受賞者の声春爛漫(あ)

湯舟に浸かっていたら、窓の外のすぐの茂みから鶯の鳴き声が聞こえてきた。 ホーホケキョ。 あれ、鶯だ。どこにいるんだろう。 ぶるる。 肩をすぼめて、深々と湯舟に浸かる。 もう一度、囀りにゆっくり耳を傾ける。 ケキョケキョケキョ。 前奏はない。 下手…

文学賞受賞の顔のうららかに(あ)

ようやく肩の荷が降りた。はずだが、ちっとも楽にならない。 この「楽にならない」状況は、これからもずっと続くのかな。そうかもな。 人間の営みなんて、楽なことなんてひとつもない。 でも、どうせなら楽しくやりたいな。 自分が楽しいと思えば、それが楽…

富士嶺の雲に隠れて田水張る(あ)

三島・大場にある病院で定期検診。 昨日行く予定が雨で延期になり今日の午後診になった。 結果はあまり芳しいものではなかった。 血圧や体重はさほど変わらなかったが、HbA1c値が変わった。前月と比べて1ポイント近く上昇した。 原因に覚えがある。最近カッ…

降りやまぬ雨の雨雨弥生尽(あ)

午後になったら雨も少しは降り止むかと思ったら、そのまま夜まで雨が降り続いた。 結局、一日中雨。 でも、春の雨はどこか明るさを伴う。 星野立子は高濱虚子の次女。その彼女の句に「春雨のあがるともなき明るさに」がある。 まさに今日(3/26)の雨はそんな…

春宵や赤青黄色カップ麺(あ)

新年度の仕事の準備をしていたら、かかりつけの病院から電話が入った。 「そろそろ薬が切れる頃だと思ってお電話しました」。 看護師さんが丁重に告げる。 てえことは、過去のカルテを棚から引っ張り出して、そろそろあの人の薬が切れる頃だと読んでるってこ…

ほとばしる思ひ出ばかりふきのたう(あ)

夕方、気づいたらペンシルを持って何か絵を描いている。 夜が訪れる時間帯で、外が暗くなって、あれもうそんな時間かと腰を上げることが多い。 そんなに絵が好きだったっけ。 自分ではそうは思わないけど、気がつけばペンを持っている。ということは、根っか…

手斧突き刺したまま春時雨(あ)

【きょうの一枚】手斧が突き刺さったままの薪。 薪割りをするのに丸木に手斧を突き刺したはいいが、それが抜けない。だから、しばらく雨晒しにしておくことにした。放っておけばそのうち少しは傷口も緩むべ。 孫娘が来ると言うので、ストーブにくべる薪を増…

山笑ふ舌を噛みそなその名前(あ)

今まで賑やかだったことが何事もなかったかのようにしんと静まり返ることを、津軽弁で「しげね」という。亡き母が私が孫を連れて生家を去る時によく言っていた。「わいはまだしげねぐなるじゃ」。 孫娘が来た。たくさんの思い出が蘇った。でも孫娘がいなくな…

鞦韆や揺らす主なく風のまま(あ)

孫娘は昼前に伊豆の家に到着した。 そしてまたすぐに出かけていった。 友達の中学卒業を待って遊ぶ予定だったようで、友達と一緒にランチを摂って、ショッピングを楽しんで、映画を見て、夜遅く静岡から帰ってくるのだという。家に着くのが夜の23時半だって…

青空を一面李の花盛る(あ)

湯船にお湯を溜めていたらLINEメッセージが入った。 予定では今夜、カミさんが孫娘を乗せて車で伊豆へ来ることになっていたが、悪天候で取りやめた。それで明日(3/21)、孫娘だけが独り電車で来ることになった。 やっぱりそうか。この春疾風じゃ来ないだろう…

白木蓮智に働けば角が立つ(あ)

定例総会が終わってから、労いの言葉やメールを多くいただいた。 「長いことご苦労様でした」と言われると、涙脆い私はすぐうるっときちゃう。だからいけない。 大したことやってないのにそう言われると、逆に何もしてやれなかった自分に腹が立つ。もっと自…

糖尿の薬切らして春待てり(あ)

今年度の総会が終わった。 これで一区切りついた。やれやれの心境。 この間、いろいろなことがあった。今思えば、その一つ一つが新鮮で刺激的だった。 でも、新鮮で刺激的に感じたのは実は私だけだったのかもしれない。昔からずっとここで暮らしてきた人の中…

出勤の車の後の桜かな(あ)

あす17日は地区の総会。そこで私が一言述べることになっている。なにを語るか。それをここにまとめておこうと思う。 私は青森の半農半漁の寒村で生まれ育った。 それがなぜ今ここに住んでるか。ここが住みやすいからである。 青森の高校を卒業して上京し、東…

草の戸や枝垂れうらめし雪柳(あ)

確定申告最終日。 去年もそうだったけど、最終日の確定申告会場はガラ空きで、還付金の計算まで3時間もかからなかった。 確定申告をするなら最終日に限る。 最後に腰を下ろした即席カウンターで、申告に訪れた人を証明するものの提示を求められた。 マイナン…

ばほばほとビニールシート春疾風(あ)

図書館から督促がきた。あす(3/15)が返却の締切日になっていた。 こんな古典の本なんて誰も借りないだろうと思いながら本文を模写した。 と、客の兵左衛門の台詞にこうあった。 「ヱレハイ最前からつべらこべらと、此女中よくしやべるが、其方は先なにものだ…

蕨餅喰み喰みステッキ音高し(あ)

夕方、カミさんがやってきた。 孫娘も一緒かな、と思ったら違った。孫娘は一週間後に来るという。 友達と会う約束をしてるのかな。 それとも、預かってるお年玉を取りに来るのかな。 いずれにしても、また一週間後に来るなんて、ご苦労なこっちゃ。 湯豆腐に…

東京のここは上野か春疾風(あ)

【きょうの一枚】あゝ上野駅。 晩酌をしながらたまたまテレビの歌番組を見ていたら、工藤夕貴と五木ひろしが「あゝ上野駅」を歌っていた。 「あゝ上野駅」は井沢八郎の持ち歌。娘の工藤夕貴が女優としてアメリカに渡り、ハリウッドから帰った後は静岡県富士…

ばりばりと音誇らかに春せんべい(あ)

午後2時半に伊豆の国市の同報無線が鳴り渡り、東日本大震災から今日で13年経ったことを知らされた。そうか、あれから13年経ったのか。 あの大震災で私の運命も大きく変わった。 私が定年後の人生を考えていたとき、ちょうどあの震災があった。 もしあのこと…

花韮のすつくと立てり新入生(あ)

先日、洗濯物を干していたら靴下の片方がないことに気づいた。 洗濯機の底を見ても、カゴを見ても、ない、ない、ない。 二階ベランダに運ぶときにカゴから漏れ落ちたかなと思って改めて動線を後追いしたが落ちてない。 最近、こんなことがやたら多い。 それ…

草庭を踏みさくさくと冴返る(あ)

無人販売のミニトマト屋さんへ行ったら、先客のお二人に胡瓜の袋を持っていかれた。 「あら、胡瓜があるわ。一つ買ってこ」「じゃ、あたしも。これ、うちの子が好きなのよ」。 三本一袋で100円は安い。 あれば私も買ってこと思ったが、先に手にされたので遠…