いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

風のやや強くあれども花宴(あ)

毎日ブルグを書いている。 そんなことをしてなんになるの? それは判っている。 判っちゃいるけどやめられない(あれ、そんな歌あったな)。 楽しいから毎日続けられる。 人はそれを大変だろうと言う。 だけど、やってる本人はちっとも大変だと思わない。 かえ…

山からの風横切つて花林檎(あ)

図書館から借りてきた本を返却する。小学館古典文学全集『東海道中膝栗毛』。 借りてきてから返すまで二週間の猶予がある。のだが、二週間って早いねえ、この前借りてきたばかりだと思ってたら、もう返さなくちゃいけない。 返す時、「予約が入ってなかった…

文学賞受賞者の声春爛漫(あ)

湯舟に浸かっていたら、窓の外のすぐの茂みから鶯の鳴き声が聞こえてきた。 ホーホケキョ。 あれ、鶯だ。どこにいるんだろう。 ぶるる。 肩をすぼめて、深々と湯舟に浸かる。 もう一度、囀りにゆっくり耳を傾ける。 ケキョケキョケキョ。 前奏はない。 下手…

文学賞受賞の顔のうららかに(あ)

ようやく肩の荷が降りた。はずだが、ちっとも楽にならない。 この「楽にならない」状況は、これからもずっと続くのかな。そうかもな。 人間の営みなんて、楽なことなんてひとつもない。 でも、どうせなら楽しくやりたいな。 自分が楽しいと思えば、それが楽…

富士嶺の雲に隠れて田水張る(あ)

三島・大場にある病院で定期検診。 昨日行く予定が雨で延期になり今日の午後診になった。 結果はあまり芳しいものではなかった。 血圧や体重はさほど変わらなかったが、HbA1c値が変わった。前月と比べて1ポイント近く上昇した。 原因に覚えがある。最近カッ…

降りやまぬ雨の雨雨弥生尽(あ)

午後になったら雨も少しは降り止むかと思ったら、そのまま夜まで雨が降り続いた。 結局、一日中雨。 でも、春の雨はどこか明るさを伴う。 星野立子は高濱虚子の次女。その彼女の句に「春雨のあがるともなき明るさに」がある。 まさに今日(3/26)の雨はそんな…

春宵や赤青黄色カップ麺(あ)

新年度の仕事の準備をしていたら、かかりつけの病院から電話が入った。 「そろそろ薬が切れる頃だと思ってお電話しました」。 看護師さんが丁重に告げる。 てえことは、過去のカルテを棚から引っ張り出して、そろそろあの人の薬が切れる頃だと読んでるってこ…

ほとばしる思ひ出ばかりふきのたう(あ)

夕方、気づいたらペンシルを持って何か絵を描いている。 夜が訪れる時間帯で、外が暗くなって、あれもうそんな時間かと腰を上げることが多い。 そんなに絵が好きだったっけ。 自分ではそうは思わないけど、気がつけばペンを持っている。ということは、根っか…

手斧突き刺したまま春時雨(あ)

【きょうの一枚】手斧が突き刺さったままの薪。 薪割りをするのに丸木に手斧を突き刺したはいいが、それが抜けない。だから、しばらく雨晒しにしておくことにした。放っておけばそのうち少しは傷口も緩むべ。 孫娘が来ると言うので、ストーブにくべる薪を増…

山笑ふ舌を噛みそなその名前(あ)

今まで賑やかだったことが何事もなかったかのようにしんと静まり返ることを、津軽弁で「しげね」という。亡き母が私が孫を連れて生家を去る時によく言っていた。「わいはまだしげねぐなるじゃ」。 孫娘が来た。たくさんの思い出が蘇った。でも孫娘がいなくな…

鞦韆や揺らす主なく風のまま(あ)

孫娘は昼前に伊豆の家に到着した。 そしてまたすぐに出かけていった。 友達の中学卒業を待って遊ぶ予定だったようで、友達と一緒にランチを摂って、ショッピングを楽しんで、映画を見て、夜遅く静岡から帰ってくるのだという。家に着くのが夜の23時半だって…

青空を一面李の花盛る(あ)

湯船にお湯を溜めていたらLINEメッセージが入った。 予定では今夜、カミさんが孫娘を乗せて車で伊豆へ来ることになっていたが、悪天候で取りやめた。それで明日(3/21)、孫娘だけが独り電車で来ることになった。 やっぱりそうか。この春疾風じゃ来ないだろう…

白木蓮智に働けば角が立つ(あ)

定例総会が終わってから、労いの言葉やメールを多くいただいた。 「長いことご苦労様でした」と言われると、涙脆い私はすぐうるっときちゃう。だからいけない。 大したことやってないのにそう言われると、逆に何もしてやれなかった自分に腹が立つ。もっと自…

糖尿の薬切らして春待てり(あ)

今年度の総会が終わった。 これで一区切りついた。やれやれの心境。 この間、いろいろなことがあった。今思えば、その一つ一つが新鮮で刺激的だった。 でも、新鮮で刺激的に感じたのは実は私だけだったのかもしれない。昔からずっとここで暮らしてきた人の中…

出勤の車の後の桜かな(あ)

あす17日は地区の総会。そこで私が一言述べることになっている。なにを語るか。それをここにまとめておこうと思う。 私は青森の半農半漁の寒村で生まれ育った。 それがなぜ今ここに住んでるか。ここが住みやすいからである。 青森の高校を卒業して上京し、東…

草の戸や枝垂れうらめし雪柳(あ)

確定申告最終日。 去年もそうだったけど、最終日の確定申告会場はガラ空きで、還付金の計算まで3時間もかからなかった。 確定申告をするなら最終日に限る。 最後に腰を下ろした即席カウンターで、申告に訪れた人を証明するものの提示を求められた。 マイナン…

ばほばほとビニールシート春疾風(あ)

図書館から督促がきた。あす(3/15)が返却の締切日になっていた。 こんな古典の本なんて誰も借りないだろうと思いながら本文を模写した。 と、客の兵左衛門の台詞にこうあった。 「ヱレハイ最前からつべらこべらと、此女中よくしやべるが、其方は先なにものだ…

蕨餅喰み喰みステッキ音高し(あ)

夕方、カミさんがやってきた。 孫娘も一緒かな、と思ったら違った。孫娘は一週間後に来るという。 友達と会う約束をしてるのかな。 それとも、預かってるお年玉を取りに来るのかな。 いずれにしても、また一週間後に来るなんて、ご苦労なこっちゃ。 湯豆腐に…

東京のここは上野か春疾風(あ)

【きょうの一枚】あゝ上野駅。 晩酌をしながらたまたまテレビの歌番組を見ていたら、工藤夕貴と五木ひろしが「あゝ上野駅」を歌っていた。 「あゝ上野駅」は井沢八郎の持ち歌。娘の工藤夕貴が女優としてアメリカに渡り、ハリウッドから帰った後は静岡県富士…

ばりばりと音誇らかに春せんべい(あ)

午後2時半に伊豆の国市の同報無線が鳴り渡り、東日本大震災から今日で13年経ったことを知らされた。そうか、あれから13年経ったのか。 あの大震災で私の運命も大きく変わった。 私が定年後の人生を考えていたとき、ちょうどあの震災があった。 もしあのこと…

花韮のすつくと立てり新入生(あ)

先日、洗濯物を干していたら靴下の片方がないことに気づいた。 洗濯機の底を見ても、カゴを見ても、ない、ない、ない。 二階ベランダに運ぶときにカゴから漏れ落ちたかなと思って改めて動線を後追いしたが落ちてない。 最近、こんなことがやたら多い。 それ…

草庭を踏みさくさくと冴返る(あ)

無人販売のミニトマト屋さんへ行ったら、先客のお二人に胡瓜の袋を持っていかれた。 「あら、胡瓜があるわ。一つ買ってこ」「じゃ、あたしも。これ、うちの子が好きなのよ」。 三本一袋で100円は安い。 あれば私も買ってこと思ったが、先に手にされたので遠…

ドラゴンの玉持て余し弥生かな(あ)

毎日ブログを更新している。 それが何になるか。何にもならない。 毎日書いているからといってそれが偉いわけでもなんでもない。 ブログを書くことによって、その時間を別な時間に使えば有効な人生を送れると考えることはある。 だったらそうすれば。 誰も読…

イラストを描き直してや冴返る(あ)

ここへきて冬が舞い戻ったように寒い日が続く。この分だと、伊豆の天城にも雪が積もるんじゃないかな? 庭の梅が終わり川土手の河津桜も済んだばかりだというのに、なんてこった。 そんな折、孫娘からLINEが来た。 ばぁばの車で伊豆へ遊びに行く、だって。 …

庭持てる身も春天に誘はれて(あ)

階段を降りていたら、段を踏み外して転げ落ちた。 タイムラプスの撮影を終えて、2階から降りてくるところだった。 孫娘が、かつて「漢字が落ちてきた(壁に吊るした掛け軸が落ちてきたの意)」と言った掛け軸の下である。 大したことはないと高をくくっていた…

事務部屋の窓開け放ち春爛漫(あ)

やることがありすぎて脳みそがパニック状態になってる。 自分の能力を遥かに超えていることをしていると思う。 何か言っても、いい年こいた大人がなにを言ってるんだとしかみてくれない。 でも、やると言ったからにはやる。 それが責任というものだ。 責任が…

自転車の子らの声して春の夕(あ)

【きょうの一枚】額縁に収まった絵、というかオブジェ。 公民館のエアコンを、市から補助金をいただいてガス式から電気式に替えた。 その工事が完了し、市の人が最終点検にやってきた。 そのとき、階段を上る脇に額縁に収まったこの絵があった。 誰の絵だろ…

菜の花や田んぼの畔の女衆(あ)

今日(3/3)は桃の節句。 「草の戸も住替る代ぞひなの家」 雛祭りになると、いつもこの句を思い出す。 スーパーでは商品売らんがために♪……少し白酒召されたか 赤いお顔の右大臣♪をリフレインで流しているが、私の雛祭りはこの芭蕉の句である。スーパーは、欲し…

買わなくてもいい春の無人野菜(あ)

判らないことがあればネットに答えを求めるようになった。 例えば、総会司会進行。 どういうふうに進行したらいいか判らない。訊かれた当人も判らない。で、ネットに頼る。ネットを開くと、そこに答えがある。その情報が正しいかどうかも判らない。でもなる…

春ひとり大の字になる十二畳(あ)

昨日(2/29)返す予定だった本を返しに図書館に行った。 借りた本を手元に置いてじっくり読もうと思ったが、じっくり読む時間がない。 こんなはずじゃなかった。もっと悠々自適の老後を送る予定でいた。 どこかで歯車が狂った。でも、それもまたいいんじゃない…