いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

かき揚げてふはふは孫と餅を食ふ(あ)

今年の十大ニュースをまとめようと思いながら、とうとう大晦日になってしまった。▼第1位 3月に長らく勤めていた教育現場を離れ、4月から人生初めての純粋年金生活者となる。▼第2位 諸般の事情で7月から孫プラスそのママと一緒に暮らすことになる。隔月で支給…

吹き荒ぶ木枯らし鎮め屋根の蔓(あ)

【きょうの一枚】あけび(木通)のつる。 使わなくなったアンテナ回線を這わせて、庭に植えた木通のつるを2階デッキの手すりまで伸ばしていた。 なんとなく草に覆われた庵の雰囲気にしたかったからだが、それによって屋根が傷むだろうことに、そのときは頭が回…

年越や泥葱の泥そのままに(あ)

【きょうの一枚】庭の隅に植えた太泥葱。 孫のつまむ菓子が無くなったので買いに行った。「いいちこ」を切らしてもいたし。行ったら泥葱が安かったのでついでに買った。5本で198円は安い、と思ったがどうか。 このところ鍋料理が続いたので、孫どももさすが…

金時の豆ぐつぐつと年越せり(あ)

【きょうの一枚】けの汁。 「けの汁」は津軽の伝統料理で、肉なしの具だくさん野菜煮込みと言えばいいか。正月、これに餅をぶっ込むと津軽の雑煮となる。 我が家では、昔から正月ともなると「けの汁」と親父手土産の荒巻鮭が朝昼晩と出る。朝昼晩と出れば大…

搗きたての餅のされゆくぬくみかな(あ)

【きょうの一枚】出番を待つ臼と杵。 12/27は餅搗きをやるぞと前から言ってあって、ためにママはきょう一日休みをとっていた。が、孫娘が小田原のバスケの練習試合に行きたいと言い出し、ママがクルマで孫娘を小田原まで送り迎えすることになった。孫娘はい…

強霜やデッキは富士の滑走路(あ)

きょう、初任の勤務校で同じ学年に所属していた人の訃報を知った。 私が平塚の職員アパートに住んでいた頃、その人は一つ横浜寄りの茅ヶ崎に住んでいた。 2月の冷たい雨の降る夜、ある方の送別会が横浜であり、帰る方向が一緒というので同じ電車に乗った。そ…

遊具揺れ小公園の冬うらら(あ)

昨夜の三役会(自治会の区長・副区長・会計の三人)で印刷した広報の写真がどうしても気に入らず、それが帰ってからもずっと気になっていた。 家に帰るとテーブルにはクリスマスイブの料理が並んでいて、そんな中でパソコンを起ち上げるのは野暮の骨頂だと思っ…

冬レタス植ゑて緑の庭の幸(あ)

【きょうの一枚】レタスの苗(5株)。 北隣家の奥さんからレタスの苗をいただいた。私がデッキでお兄ちゃんの布団を叩いていたら、下から声がかかったのだ。 庭のプランターはミニトマトを最後に収穫して以降、放ったらかし状態だった。湯ヶ島の水汲み場からい…

隙間風波乱万丈吹き晒す(あ)

久々に雪国からの便りを見たくて「たて書きコラム」に目を通した。「冬夏言」。青森県弘前市に本社を置く陸奥新報のコラムである。このコラムは、「たて書きコラム」の中でも飛びきり短い。500字もない。肩肘張らなくて済むから読むのに時間がかからない。 …

ゆず風呂や忽ちゆずに囲まれり(あ)

きょうも図書館に行った。 柳田邦男著『大人が絵本に涙する時』の続きを読みたくて。 読み進めるにしたがって、絵本の持つ役割の大きさを痛感する。そして、これまで絵本に触れることのなかった自分の人生を悔しく思う。 「絵本の力は一人の人間の人生さえも…

割れぬ薪あるもよろしき年の暮れ(あ)

【きょうの一枚】ある薪の断面。 この薪を床に置いて写真を撮っていたら、それを見ていた孫娘に言われた。「じぃじ、なんで薪の写真なんか撮ってんの?」 「ほら、これ、富士山の地質断面図のようで、面白くないかい?」 「ふうん」 この薪とは違う薪だけど…

ゆく年や唸れる炊飯釜の湯気(あ)

【きょうの一枚】二合炊き炊飯釜。 私はご飯を炊くときは、いつもこれを使う。独り暮らしのときも孫家族が合流してからもこれを使っている。 独り暮らしだったころは、これに研いだ米を入れ山から汲んできた湧き水を満たし、それで一二三荘まで日帰り温泉に…

鶏喰はれ葱の恵みの皿となる(あ)

右手の人差し指と中指に皸(あかぎれ)ができた。これが痛くてたまらない。 孫たちの使った食器をそのままにしておくわけにはいかないから、どうしたって流しに立って汚れをゴシゴシ落とすことになる。お湯は出さない。冷たい水で洗剤を流す。それが皸をさらに…

水仙花薪したがへて風を受く(あ)

【きょうの一枚】薪置き場前の水仙花。 うちの庭のそちこちに水仙が顔を出しているが、咲くのはそんなに多くない。今咲いているのはここだけ。 例えば公民館の花壇に咲く水仙は、それはそれは見事にまとまっており、それに比べるとうちの庭の水仙はあまりに…

皸の手にくべる薪二本ほど(あ)

【きょうの四枚】積み上げた薪①②③④。① メインの薪置き場。第3薪置き場が空っぽになり、第2薪置き場が空っぽになり、最後にここの薪をくべる。薪がだんだん減っていくのがガラリと目に見えるから、それを見ながら徐々に心細さをつのらせることになる。ベッド…

冬うらら朝餉の無農薬米とげり(あ)

【きょうの一枚】伊豆の無農薬米「あさひ」。 薪を運んでくれたピザバス屋さんのご主人からもらった。自分たちで育てた無農薬のお米だという。 早速といで朝食に炊いたら、孫どもは旨い旨いと言っておかわりをした。孫が朝ごはんをおかわりするのは珍しい。…

ストーブの口より猛き薪炎(あ)

【きょうの一枚】追加注文した薪。 今回は暗くならないうちにお届けに上がりますと電話口で奥さんは言ったが、何のことはない、薪が運ばれてきたのは以前と同じ真っ暗になってからだった。 4tトラックに積まれた薪を車庫にぼんぼん放り投げていく。それで、…

クリスマスツリーへ思ひ煌めける(あ)

ママはきょう仕事が休みだというので、雨だったけど水汲みを頼んだ。これでしばらくは水汲みをしなくて済む。 水汲みの帰りに「まごころ市場」に寄ってかぼちゃを買おうとしたら、売ってなかった。かぼちゃが出回るのは夏で、冬は出回らないのかもしれない。…

舞ひ来ぬか己が心に雪女郎(あ)

【きょうの一枚】作品集『童話の花束』(その52) この作品集は、童話を応募した人全員に送られてくる。そういえば半年前、そんなこと言ってたなあ。 今回応募したのは、初めての童話だったけど、もしかしたら佳作くらいに入るかもしれないという期待があった…

門松の立ちてぐびりと昼の酒(あ)

【きょうの一枚】門松つくりの手伝い。 午前8時半から公民館前で門松つくりのお手伝い。 地元のホームセンターで買ったのは、荒縄と菰(こも)だけ。残りの竹、松葉、梅が枝、千両、オイル缶、土砂は全て自前で用意した。 先達はどの道にもいるもので、門松つ…

数へ日を刻むレトロの時計かな(あ)

【きょうの一枚】レトロな時計。 庭の物置1号を整理していたら、こんなレトロな時計が出てきた。孫娘に言わせると、前の家のインテリアとしてママが買ったけど使わないでいたものだという。 針の調整は向こう側とこっち側とで独立していて、それぞれ単三電池…

故郷の空を遥かに林檎むく(あ)

きょうも図書館で柳田邦男著『大人が絵本に涙する時』の続きをエバーノートに打ち写す。 きょうは、ナチス・ドイツのアウシュヴィッツから奇跡的な生還を果たした精神科医ヴィクトル・E・フランクルの話が印象に残った。 フランクルが戦後になって勤務した病…

年の暮枕木の薪燃やし継ぐ(あ)

ピザバス屋さんのケータイに電話した。追加注文した薪はどうなったか。 ピザバス屋さんは移動が多いので固定電話をおかない。やりとりは全て奥さんのケータイで行なっている。 で、電話には奥さんが出た。「大丈夫ですよ。12/15に伺えるように準備してありま…

生垣の紅いや増せり冬の雨(あ)

午後、雨が上がるのを待って端材から薪を作る。 この薪が燃え尽きれば、いよいよもってくべる薪が底をつく。 薪の追加を頼んだピザバス屋さんからは、その後なんとも言ってこない。年の瀬で、それどころじゃなくあちこち回っているのかもしれない。時期が時…

この歳で面接受くる年の暮(あ)

午後から三島・大場の病院で定期検診。血圧、血糖値、体重は良好。一つだけ気になったのはHbA1c値が前回より0.4ポイントも跳ね上がったこと。みかんをバクバク食うようになったからかなと主治医に言ったら、主治医も首肯しながら「果物の糖分って意外にある…

凍空のロケ弁同じ釜の飯(あ)

きのうの夕方遅く、カミさんがやってきた。金欠だっただけに恵みのカミ(神)とはまさにこのこと。これで病院へ行って薬を処方してもらえる。 カミさんは孫のおやつを大量に持ってきてくれるので、それだけでも大助かり。これで数日は菓子箱に何も入っていない…

思ふやういかぬものよと蜜柑むく(あ)

きょうの地区防災訓練のあと、道路にはみ出した樹の枝の伐採を行なった。 チェンソーを操作したのは区長。私はそれをはらはら見守る係兼交通整理。 今更ながらだけど、区長の行動力には恐れ入る。私も来年は区長を務める身だが、とてもそんなマネはできない…

ストーブに薪くべどつこい生きてゐる(あ)

ここまでギリギリの苦しい生活をなんとか乗り切ってきたが、いよいよもって乗り切れそうもない気配が濃くなってきた。なんとかなるさと嘯いても、蓄えがなければなんともならないことが、ボディブローのようにじわじわきいてきた。 病院に行きたいが行けない…

冬日向軒にひつそり藁草履(あ)

内田麟太郎さんという絵本作家がいる。その著『おかあさんになるってどんなこと』を、柳田邦男さんは『大人が絵本で涙する時』で紹介する。これも、図書館でEvernoteに打ち込んだ。 話はこうだ。 「幼いうさぎの女の子ミミちゃんと男の子ターくんが、お母さ…

小六月吾妻鏡を繙けり(あ)

【きょうの一枚】ロケ現地で草鞋を履かせてもらっているところ。 朝6時に市内の某所に集合し、そこでカツラをつけ、多少のメイクを施し、「下人」の服装に着替えてマイクロバスに乗る。 約1時間ほどマイクロバスに揺られ、着いたのは峠を越えた伊豆の東海岸…