いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

甘夏の汁をたらりと魚肉喰む(あ)

万城目学著『八月の御所グラウンド』。 第170回の今回の直木賞。河崎秋子著『ともぐい』と同時に受賞した。 前々回は京極夏彦さん、前回は浅田次郎さん、桐野夏生さん、三浦しをんさんの選評を紹介した。 今回は、林真理子さん、角田光代さんの選評を載せる…

春が来た転んでもまた這い上がる(あ)

万城目学著『八月の御所グラウンド』。 今回、河崎秋子著『ともぐい』と並んで直木賞を受賞した。 前回は直木賞選考委員の京極夏彦さんの選評を紹介した。 今日は浅田次郎さんと桐野夏生さん、それと三浦しをんさん。 浅田次郎……万城目学氏はいつの時代のど…

全身で鬼ごつこの子ら山笑ふ(あ)

万城目学著『八月の御所グラウンド』。 今回の直木賞ダブル受賞作の一つで、これを読みたかった。 この作品は前評判が高く、直木賞をいただくに違いないと思っていたら本当にそうなった。いつかは直木賞をもらう人として目をつけられていたのでしょう。でも…

去る時代来る時代ありそして春(あ)

今号の文芸誌は来月号と併せた「直木賞発表」号。 一昨日は京極夏彦さんと浅田次郎さんの選評、昨日は桐野夏生さん、高村薫さん、林真理子さんの選評を紹介した。今日はそのほかの方の選評。 選評は引き続き河崎秋子著の『ともぐい』について。 三浦しおん………

ピザ焼けるこつ伝授して卒業す(あ)

今号の文芸誌は来月号と併せた「直木賞発表」号。 昨日は京極夏彦さんと浅田次郎さんの選評を紹介したが、今日はその他の選評の紹介。 引き続き河崎秋子著の『ともぐい』。 桐野夏生……主人公「熊爪」は山に棲み、熊や鹿を撃って町に毛皮や肉を売りに行く。僅…

花馬酔木白いぼんぼり房に垂れ(あ)

今号の文芸誌を手にした。 今号の文芸誌は来月号と併せた「直木賞発表」号。 「直木賞発表」号は、毎回選評を楽しみにしている。 その、選者がすごい。 京極夏彦、浅田次郎、桐野夏生、高村薫、林真理子、三浦しおん、宮部みゆき、角田光代 だもの。錚々たる…

花冷えや大型スーパー裏の土手(あ)

今日は花見。 地元公民館から最寄駅経由で河津桜の咲く土手までタクシーを走らせた。 急に決まったイベントだが、それでも数多く集まった。雨で、きょう予定のスポーツ大会が延期になったのが大きい。 花見といえば職場の花見。毎年4月上旬に催していた。職…

馬酔木咲く能登に届けやこの思ひ(あ)

能登半島地震義援金募金箱を作ってくれた人に、かかった材料費を渡しに行った。 その足で、集まった義援金をどうすればいいか市役所に相談に行った。そうしたら、市役所には入り口正面に募金箱が置かれてあって、それには締切日付も記されてあった。 その下…

春の昼手作り和菓子ひと摘み(あ)

三島・梅名の病院で定期検診。 先週連絡をいただいた。「そろそろ薬が切れる頃かと思って、ご連絡を差し上げました」だと。病院のサービスもここまで来たか。 その通り、薬が切れる頃でした。 で、雨降りだったけど合羽長靴スタイルでカブにまたがった。 こ…

これも春告る義援の幟旗(あ)

タイムラプス撮影をするのにデッキに出たら、どこからともなく鶯の鳴き声が聞こえてきた。 鶯の声を聞くと、いよいよ春がやってきたなあという感じがする。 鶯は「春告鳥」ともいう。 では、「春告草」は? 「春告魚」は? 「春告草」は、梅。 「春告魚」は…

春の昼煙はどこへ行くのやら(あ) 

【きょうの一枚】煙突の煙。 朝、薪ストーブの焚き出しに松ぼっくりを燃やしている。と、薪本体に炎が移るまで煙が出るようになった。 煙が煙突の中に燻って外へ逃げていかないんだな。 ははんこのことか、ピザバス屋さんのご主人が言っていたのは。 薪を運…

外灯の色しんなりと朧月(あ)

公民館に募金箱が設置された。 今年元日に起きた能登半島地震に少しでもお役に立てればと、地元篤志家が自腹で募金箱を作ってくれた。 私がそうしてくれと頼んだわけではない。とても他人事とは思えない、でも何とか力になりたい。そういう居ても立ってもい…

公民館外におぼろの灯の点る(あ)

「関東などで春一番を観測した15日」。 陸奥新報コラム「冬夏言」2月15日(金)号の冒頭である。 そして、「津軽には数日ぶりに雪が舞った」と続く。そうか、あの強風は「春一番」だったんだ。「春一番」を新聞に教えられた。 あの強風は未明に轟々と吹いた。…

芳春や図書館窓の放たれて(あ)

ケータイショップに月極Wi-Fi料金を払いに行った。そうしたら、「ご予約ですか?」と訊かれた。 「ただいま生憎スタッフの手が塞がっておりまして。順番が来たら呼びますので、それまで奥のソファにお掛けになってお待ちください」だって。 スタッフ不足だっ…

春告げてカンカン単線ローカル線(あ)

文芸誌を読みながら晩酌を楽しんでいたら、生足をテーブルの足にしこたまぶつけた。 「うお〜っ、うぎゃあ」。 そんな時はあたり構わず声を張り上げる。カミさんがいるときは声を張り上げない。ひたすら痛みが鎮まるのを静かに待つ。 なんで独りの時だけそう…

受験子の言葉もなくて靴を履く(あ)

今日はバレンタインデー。ちっとも知らなかった。 神奈川・大磯に住む娘が教えてくれなきゃ気づかなかった。 娘の長女はきょうが高校受験。これも娘が教えてくれなきゃ気づかなかった。 ずっと入りたがっていた高校だから行かせてやりたいのは山々だが、これ…

春の道よぼ遅れまい遅れまい(あ)

東奥日報コラム「天地人」に、奈良美智さんが紹介されていた(2/12)。 現在、青森市の美術館で個展が開かれている。 「絵がうまいんだから美大とか行けば」。奈良美智さんは、弘前の高校時代に年上の友人からそう言われたという。 私はどうか。 「絵がうまい…

桜咲くさくさく狩野の土手桜(あ)

きょうは子供会主催の天神講。本来の天神講は2月25日。ちと早いが行事の先取りだからいいでしょう。 「天神講」とは、学問の神様・菅原道真公の命日である2月25日にお偲びする習わしのことをいう。子どもたちの健やかな成長や学業成就を願うのは今も昔も変わ…

老夫婦して早春の土手の道(あ)

無人販売のミニトマト屋さんを覗いたらやってたので10袋買ってきた。 定休は毎週金曜。昨秋からはそれ以外の曜日もやってない日があったりして不定期だったけど、最近は正常に戻ったみたい。 買った半分を食べてもらおうと思ってある宅を訪れた。ご主人は仕…

北に富士南に天城春めけり(あ)

【きょうの一枚】タイムラプス撮影台。 きょうようやく時間を作ることができたので、タイムラプス撮影台を変えた。 それまでは、薪の端材でこしらえていた。 それが幾星霜を経るうちにだいぶくたびれてきていた。 薪の端材じゃいくらも持たないよな。知って…

せんべいを噛んでがりりと春が来た(あ)

地元の高校でクロスカントリーが行われた。その立番。 何せ初めてのことで、何をどうしていいか判らない。 そこの先生が車で現場まで連れて行ってくれるというので、ひとまず支度をして集合場所に集まった。 クロスカントリーは基本的に農道を走るので辻に信…

松ぼつくり転げる屋根や春の宵(あ)

♪肴は炙ったイカでいい♪八代亜紀の歌だ。 それを一人の呑兵衛が♪年寄りゃパソコンあればいい♪と酔った勢いで歌った。歌ったのは私だ。 体力のある若者は外に出て稼げばいい。体が昔ほどいうことがきかなくなった爺婆は、家に籠もって長生きすればいい。 私が…

ピザ焼いて春宵一刻文芸誌(あ)

しまった、やっちまった。きょう、地元小学校の下校指導があったのにすっかり忘れていた。 ベテランの(交通)指導員さんからケータイに電話があって気づいた。ああ、これでまた一つ信用をなくした。 実はその前にカミさんから箱根峠の雪が心配で伊豆行きは見…

白梅の秘すれば花の勇気かな(あ)

【きょうの一枚】世阿弥。 ご存じ、『風姿花伝』の著者。 「秘すれば花」という言葉がふと頭に浮かんだ。私はそれをずっと「なんでもさらけ出して表に出すより、控えめにしているほうが美しい」と勝手に解釈していた。 しかし、世阿弥が言っているのは違う。…

春の雨しむ敷石のよもすがら(あ)

【きょうの一枚】雨に濡れた玄関先。 雨に濡れた玄関先をしみじみ眺めている。そうか、もうここに十年住んでるのか。 玄関脇の木斛も、反対側の金木犀も、丈が随分伸びたな。 住み始めた頃は、一階の屋根までしかなかったのに、気がつけばはるか二階の屋根ま…

水溜り濁れる辻に春の雨(あ)

【きょうの一枚】防寒手袋と普通の白手袋。 駅伝大会当日。あいにくの雨。天気予報では、この雨が明日は雪になるんじゃないかといってた。 寒気が上空に入り込んでいるらしい。我がチームの、40℃の高熱にうなされている選手は大丈夫だろうか。 チームは急遽…

春の雨降れ降れそして雪になれ(あ)

地元のスーパーに行くと、♪鬼は外、福は内♪という歌が、どこからともなく流れてくる。 豆をぶつけて鬼を家の外へ追い出し、代わりに福を招き入れる……。伝統の「豆まき」の行事だ。 が、青森の弘前市の鬼沢地区に伝わる鬼は、人々を救う心優しい鬼として、神…

春めくやホットサンドの縞模様(あ)

駅伝大会に補欠なしでエントリーしたら、高熱を発して走れなくなった人が出た。 その報を受けて、ドタキャンの報告をしに市役所に出かけ、タスキとゼッケンを返納した。 補欠なしでもいけると思っていたが、いちばん恐れていたことが起こった。本番2日前に欠…

早梅の白きを庭に散り敷いて(あ)

最近、バイクを転がすのが怖くなった。バランスが取れないのである。 特に右にカーブするときが怖い。ああ、倒れる倒れると思いながらスローモーションで倒れる。要するに踏ん張りが効かなくなったんだな。 近いところで二度やった。打撲程度で済んでいるか…