いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

手斧突き刺したまま春時雨(あ)

【きょうの一枚】手斧が突き刺さったままの薪。

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 薪割りをするのに丸木に手斧を突き刺したはいいが、それが抜けない。だから、しばらく雨晒しにしておくことにした。放っておけばそのうち少しは傷口も緩むべ。

 孫娘が来ると言うので、ストーブにくべる薪を増やそうと思った。このままだと薪がストーブの入り口につかえるので真ん中から二つに割ろうとした。ら、薪が二つに割れず、肝心の手斧がうんともすんとも動かなくなった。動かなくなったらしょうがない。放っておけ。

 と、放っておく気になったところで、何の脈絡もなく、突然ある歌が浮かんできた。

 ”七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞ悲しき” 

 太田道灌が鷹狩をしていたら急に雨が降ってきた。近くの農家に入って蓑を所望したが、そのとき内から少女が飛び出してきて、無言のまま山吹の花を差し出した。道灌はそのときの少女の意を解せず腹を立てた。

という逸話。が、この歌の作者は中務卿兼明親王。その歌を少女は知っていたが道灌は知らなかった。道灌は自らの不明を恥じ、以来和歌の勉強に励んだという。

 ちょっとできすぎの話だけど、話としては面白い。

 でも、名もなき農家の少女が知っている歌を道灌が知らないはずはない。さすがに道灌、知っていたんだと思うよ。知らないふりして少女に花を持たせたんだ。そうでなくっちゃ道灌も浮かばれまい。

 

【書】「難」ナン・むつかしい(No.1,720)

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 隹(鳥)と、音を表す〓(カン。難から「隹」のパーツを取り除いた形。ダンは変化した音)とで、もと鳥の名を表す。借りて「かたい」意に用いる。(『旺文社漢字典第2版』ディジタル版)

 

【ディジタル画】『坊つちやん』その79(No.1,160)

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 作品の終わりに下女・清が出てくる。

 清は肺炎で亡くなるが、その前日坊つちやんに言う。

 「……後生だから清が死んだら、坊つちやんの御寺へ埋めて下さい。御墓のなかで坊つちやんの来るのを楽しみに待つて居ります……」。

 そんなことを言ってくれる人がいるなんて、坊つちやんは幸せもんだ。

 最愛の人を亡くした坊つちやんの悲しみは如何ばかりだったろう。作品はそのことについて一言も触れていない。

 

【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.440)

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 明治の錦絵。

 昔むかし、日本にも丁髷に鉢巻を吹き流し、腰に刀を大小二本佩き、扇子で士気を鼓舞する若武者がいたとさ。

 

【タイムラプス】令和6年3月23日(土)6:44〜9:42の伊豆長岡の空。21秒。

https://www.facebook.com/share/v/ukNMdkiUyYqdoZ6k/?mibextid=WC7FNe

 雨が降っていたにもかかわらずそのままタイムラプス撮影を続けた。

 その結果、カメラ(iPhone)はびしょ濡れ。でもお陰で、貴重な伊豆長岡方面の動画は撮れました。富士山は拝めなかったけど。

 自宅1階和室でパソコン作業していて、窓から見える庭が濡れているのに気づいていた。なのにカメラを2階軒下に避難させなかった。頭の中で、(雨が降っている=カメラを軒下に移さなくちゃ)という構図が出来上がらなかった。人はそれを「耄碌」という。