湯舟に浸かっていたら、窓の外のすぐの茂みから鶯の鳴き声が聞こえてきた。
ホーホケキョ。
あれ、鶯だ。どこにいるんだろう。
ぶるる。
肩をすぼめて、深々と湯舟に浸かる。
もう一度、囀りにゆっくり耳を傾ける。
ケキョケキョケキョ。
前奏はない。
下手だなあ。寒さで舌がまだうまく回らないんだな。
…………暮れゆく。
どうってことない一日。
【きょうの一枚】万城目学。
今回『八月の御所グラウンド』で直木賞を受賞した。「万城目」と書いて「まきめ」と読む。
万城目学氏は、受賞前からお名前だけは存じ上げていた。母校の後輩が書評を地元青森の新聞に寄稿していたこともある。
どんな作品を書く方なのか。それをぜひ知りたくて、文芸誌の発売を心待ちにしていた。で、発売日に勇んで本屋に走って買ってきた。
そしたら、直木賞同時受賞の河﨑秋子氏の『ともぐい』にどっぷり浸かってしまった。上手い。嘆息しきり。恐れ入谷の鬼子母神。
もちろん、万城目さんの『八月の御所グラウンド』を堪能したのは言うまでもない。
文芸誌に目を通すのは、そこに賞の選評が載っているから。ハードカバーの単行本だとそうはいかない。だから買う。それに、いろんな方のいろんな作品を廉価で読める。それが、貧乏人にはなにより都合がいい。
挿絵がどの作品にも付いている。それもいい。画を描き文章を練るのを楽しみにする私にとって、毎回それがとても勉強になる(どこをどう読んでどう絵にまとめるかとか)。だから、カップ麺を買えなくても文芸誌だけは買うことにしている。
【書】「盧」ロ・いおり
广(屋根)と、盧(ロ。囲った場所の意)とで、「いおり」の意を表す。(『旺文社漢字典第四版』ディジタル版)
いかにも骨組みのやわなあばら家ふうで、どこから修繕しても修繕のしがいのある造りだ。まさに吹けば飛ぶよな我が家そのもの。
これじゃリフォーム業者も放っておかないよなあ。でも、金の話になるとみんなどこかへ行っちまうんだなあ。みんな、私に金がないことをご存知でいらっしゃる。
【ディジタル画】『倫敦塔』その2
ロンドンにもブリテンにも行ったことがない。これから行く機会もほとんどないだろう。
と、そこへ漱石によって、マクス=ノルダウの『退化論』が紹介された。もちろん読んだことなどない。
そもそも、マクス=ノルダウってどんな人物?
ドイツの人らしいが、牧野富太郎とどっちが偉いかよく判らない。てか、どっちも偉い人ということにしとこう。
【昭和の風景】
魔性の女。これも錦絵と言えるか。
錦絵であろうが浮世絵であろうが墨絵であろうが、そんなのどうでもよくなった。
いずれにしても、金のかからない方法で描くのに変わりない。
ケチケチ野郎のケチケチ画法だ。
【タイムラプス】令和6年3月29日(金)7:50〜10:33の韮山方面の雨空。20秒。
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