いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

短日や碁盤の石のせめぎ合ふ(あ)

柱の日めくりカレンダーも残すところあと一ヶ月分となった。日めくりカレンダーは日数を経るごとに薄くなっていくから、この時期、ああ今年も残り少なくなったなあと実感できる。人生が一日、また一日と消化されていくのが目に見えて、侘しさがいっそう募る…

ご近所の顔和ませて冬の花(あ)

久々に、本当に久々にテレビで競馬中継を見た。 「ジャパン・カップ」である。このレースに史上初の芝G1レース8勝を成し遂げた牝馬アーモンドアイ、ディープインパクトを父に持ち今年の皐月賞、日本ダービー、菊花賞を制した三冠馬のコントレイル、桜花賞、…

立ち枯れの木の隙間より冬日向(あ)

午前中、一週間分の洗濯物をしながら、掃除機をかけた。掃除機をかけるのは久しぶりだ。 掃除機を動かしながら、チラチラ外の様子を気にしていた。この休みに遊びに行くからと予告していた子が来るかもしれないと構えていたが、結局昼を過ぎても来なかった。…

片付かぬままごとの具や暮早し(あ)

最近、手書きの良さが見直されているそうだ。昨日(11/26)の福島民友新聞コラム「編集日記」で知った。 夏目漱石は筆まめで知られ、残っている手紙だけでも2,500余に上るという。漱石と同じ慶応3年生まれの親友正岡子規は、愛弟子の河東碧梧桐が天然痘で入院…

初時雨花壇の花の色燃ゆる(あ)

漫画家・矢口高雄さんが亡くなった。享年81。 「釣りキチ三平」の生みの親だ。私は、どちらかといえばあまり熱心な読者ではなかったが、日帰り温泉を楽しむ一二三荘の玄関に飾ってある色紙を見てから、俄然親近感を抱き始めた。今から5年以上前の話。その頃…

医者からの坂上りきり枇杷の花(あ)

三島・大場の病院で定期検診。血圧は抑えられていたものの、血糖値とHbA1cはあまりよろしくなかった。血糖値が高かったのは、給食に出たカレーライスの影響があったのかもしれない。看護師さんもそうおっしゃって慰めてくれた。 問題は、HbA1c値。これが前回…

短日や鏡に映る亡父の顔(あ)

先週末、実姉から父の十七回忌との連絡があり、連休明けの今日、香典を現金書留で郵便局から送った。送り先は青森の実兄。そこに父母の位牌がある。 青森の実家が解体されるときに、仏壇を兄の家に移した。兄の家は青森市街の住宅地にあり、父母が眠る先祖代…

ランタンの上に闇ありもがり笛(あ)

孫どもは午前11時前にカミさんの車で小田原へ帰っていった。帰り際、冬休みになったらまた来るようなことを言っていたが、カミさんは箱根峠の凍結を案じて車を出したがらない。スタッドレスタイヤに履き替えればどうということはないはずだが、たかが伊豆へ…

干し柿や孫爪先に背伸びして(あ)

昨日の夜8時ごろ、孫がやってきた。カミさんは暗くなる前に着きたいと言っていたが、お兄ちゃんが支度にてこずって出発が遅れたのと(ゲームに夢中だったらしい)、途中の道が混んで、結局真っ暗な箱根を運転してきたと、着いて早々ぼやいた。 そして今日、孫…

深呼吸して青空に紅葉映ゆ(あ)

ネットワークのプロバイダーを「コミュファ光」から「TOKAIケーブルネットワークサービス」に乗り換えた。今日の午前はその開通工事。 工員が二人やってきて、家の内と外でテキパキと作業を進める。作業は1時間程度で済み、有線無線とも問題なく繋がった。こ…

小春日や給食とまぼうじゃがとつと(あ)

今日は担任の先生が出張で、朝から帰りの会までずっとクラスに張り付いた。 支援員は、子どもたちの発達度に合わせて個別支援するのが基本姿勢で、指導はしない。子どもたちもそこのところは心得ていて、担任の先生が留守となれば、日頃抑えていたわがままが…

砂利敷かれ敷かれてもなほ野水仙(あ)

福島民友新聞コラム「編集日記」で、米Google社が人工知能を使い、新型コロナウイルスの感染予測情報の提供を始めたことを知った。早速、パソコンで確認しようと思って、「Google Cloud Platform の無料トライアル」のページに進んだら、クレジットカードの…

柊の花ぽつぽつとこぼれ咲く(あ)

今日の4校時は数学の予定だったが、授業変更をして体育をやった。特別支援学級は、体育施設が空いていれば、担任裁量でそういうことができる。で、水曜の4校時は大抵「道徳」の時間に充てられているので、体育施設は空いているのである。 クラスに体力測定を…

日あたるも垂るる渋柿渋きまま(あ)

昼、校長先生に呼ばれて、来年度の意向を訊かれた。「来年度はどうするおつもりですか?」 そこで、私は正直に答えた。まだ借金を抱える身なので、幾らかでも稼ぎがあればありがたい、と。 しかし、来年度は新入生が入る見込みはないと聞く。今年の3年が卒業…

寒椿厄災すべて受け包む(あ)

今日の朝日新聞社説で「電柱のない社会の実現」について言及していた。 先週、2年の社会科の授業で京都の景観を写した写真を見た。授業者は電柱が一本もないことを特徴として挙げていた。そのことが頭にあって、今日の社説に目が留まった。 強風や地震で電柱…

地吹雪の郷やラーメン魚介出汁(あ)

同僚の美術の先生のグループ展を見に沼津まで行ってきた。 グループ展に行くと決めたときから、昼はラーメンを食おうと思っていた。 かつて平塚のアパートに住んでいた頃、職場の同僚とよく横浜で呑んだ。呑んで下り東海道線に乗り、降りるべき平塚駅を通り…

鵯の鳴けば俄かに人恋し(あ)

今日の東奥日報コラム「天地人」に、黄金色に染まったイチョウの葉のことが載っていた。深浦町にある「北金ケ沢のイチョウ」が日本一の大イチョウであることは、このコラムで初めて知った。 早速、「青森県観光情報サイト」にアクセスしたら、迫力満点の画像…

ふくよかに胸弾ませて寒雀(あ)

毎日ブログを更新していると、更新した数だけ俳句も蓄積される。ブログの本数は昨日(11/12)現在で2821本だから、俳句も同じ数だけ作ったことになるが、それだけ作ったにもかかわらずちっとも上達しない。要するにセンスがないのだ。 後から読み返してみて、…

沓脱の石の脇より野菊かな(あ)

3校時の体育は持久走。私は5分間走で200mトラックを3周半し、10分休憩した後、1,000m走を8分ちょっとかけて走った。走ったというより小刻みに歩いたという感じ。一緒に走った男の子に2周抜かれた。 こんなに走ったのは何年ぶりだろう。糖尿病と診断されて以…

霜月の花紫の誇らしく(あ)

「今日(11/11)は何の日?」とクラスの子に訊いたら「ポッキーの日」と即答で返ってきた。 11/11がポッキーの日だとはつとに知られているが、他にどんな記念日になっているか、ちょっと調べてみる気になった。 で、「日本記念日協会」のサイトに当たったら、…

万両の実はくれなゐの息を吐く(あ)

一二三荘でストレッチ先生と一緒になる。 市内の小学校で新たに児童一人が新型コロナウイルスに感染し11日(水)まで臨時休校になりましたね、と話を向けたら、うちではないとのことだった。するとやはり、医師のクラスターが発生した病院近くの小学校というこ…

網張つて待つやひたすら冬の蜘蛛(あ)

朝食にご飯と味噌汁と納豆と胡瓜の新香が出た。デザートに柿が出た。「出た」というのはカミさんが作って出したのである。それで私は、出勤の支度をするだけでよかった。 こんな些細な朝の始まりが、なんとなく面映い。藤沢のマンションで暮らしていた頃は、…

冬浅し水場浄める氏子かな(あ)

カミさんが伊豆へ来た。小田原の孫は部活やミニバスケで忙しいとのことでで来なかった。 孫を連れず一人で伊豆へ来るのは珍しい。昨日、一人で来ると判って水汲みを頼んだ。 カミさんは午前10時頃に着いた。横須賀を8時30分に出たが、道が混まないでスイスイ…

野良猫の我が物顔や今朝の冬(あ)

今日は「立冬」。北国からの便りを知りたくて、「たて書きコラム」を毎日新聞「余禄」から順に福島民友新聞「編集日記」までざっと目を通してみたが、「立冬」を扱ったのは北海道新聞「卓上四季」だけだった。あとは、米大統領選挙、新型コロナについてのコ…

カラス来て早渋柿の食はれけり(あ)

今日の3校時、畑の大根を間引きした。で、間引きしたばかりの大根を技術室外の流しで洗い、クラスに戻ってみんなで食した。味噌をつけ、葉も食った。「これが酒のつまみに最高なんだ。こんなのどこへ行っても手に入らないよ。畑で大根を作っているからこその…

教へ子の手作りパンの秋気かな(あ)

郵便受けに一葉の喪中ハガキが入っていた。 胸騒ぎがした。もしかして、あの人じゃないか。そう思って手にしたら、まさにあの人だった。 宛名はたぶん奥さんの手によるものだろう。ひっくり返すと、水仙の薄藍色のボカシの上に「本年四月、夫○○が享年七十二…

ぬくぬくと枇杷の蕾の開く待つ(あ)

先週10/30、地元の大学附属病院で、医師による新型コロナウイルスのクラスターが発生したと報じられた。「利用者は『院内では感染対策を徹底しているのに』と驚きを隠さなかった」と、その日の静岡新聞(SBS)にある。 学校でも感染対策を施している。職員は、…

晩酌のしめはカレーや文化の日(あ)

雨があがったところで、夏以降手をつけていなかった浴室外の草をむしることにした。 そこが終わったら、そのまま北隣境界の伸びきった草に取り掛かろうと思っていたが、山茶花と椿に覆いかぶさった蔓草が気になって、まずはそいつを引っ張り落とすことにした…

世にふたつとない碗や古酒なみなみ(あ)

【今日の一枚】美術で作った陶芸作品。 2校時の美術の時間に、夏休み前に作った陶芸の碗で茶飲み会。作っているときは、これに焼酎のお湯割を入れて飲むことしか頭になかった。 窯入れも釉薬も、美術の先生のお知り合いの方が夏休み中にやってくれたようで、…

野紺菊風吹くままに崖の上(あ)

休日をまったり過ごす。 洗濯物を干しながら、たっぷり積んだ薪置き場を眺める。積んだ薪は、これから山笑う春まで徐々に減っていくが、それは、どこかしら日めくりカレンダーに似ているな、とふと思った。目に見える、この目で確かめられるというのは、どこ…