午後２時半に伊豆の国市の同報無線が鳴り渡り、東日本大震災から今日で13年経ったことを知らされた。そうか、あれから13年経ったのか。
あの大震災で私の運命も大きく変わった。
私が定年後の人生を考えていたとき、ちょうどあの震災があった。
もしあのことがなかったら、たぶん阿武隈で第二の人生を歩み出していたかもしれない。
が、起きた。それで私の人生もがらりと変わった。
巡り巡って、今は伊豆にこうして住んでいる。阿武隈を蹴られ、第二の人生をどこで暮らそうかと考えていたときに、たまたま今の物件と出会った。そしてそこから、伊豆と神奈川を行ったり来たりする人生が始まった。
伊豆は、山あり、川あり、海あり、そして何より温泉があった。第二の人生を歩むならここだと一発で決めた。
最初は狩野川で鮎の友釣りを楽しもうと思っていた。それで、当時まだ土手にあったある小屋に入って話を聞いた。そうしたら、鮎釣りをするんだったら百万円用意しなくちゃいけないと脅された。カミさんを説得することも大事と言われた。その人は朝からウイスキーを飲んでいて、どこまで本当か判らなかったが、カミさんを説得できるかどうかと言われてそりゃ無理と断念した。あの時はとてもカミさんを説得するだけの自信がなかった。その時カミさんは70まで神奈川で働くと言い、伊豆のぼろ家にはビタ一文出す気はないと宣言していた。
鮎がダメなら海にするかと思ったら、最寄りの漁港が閉鎖になった。駿河の海は岸からいきなり深く沈んで、時によっては真鯛なども釣れると人気だった。それで、そこの堤防でカゴ釣りを楽しもうとした。
が結局、川釣りもダメ海釣りもダメ。ならばと自前で細々とぼろ家の修繕をしながら温泉に浸かることにした。
そうこうするうちに市民として登録したらどうかという話が上がり、ここを終の住処と定めたこともあってこれ幸いと登録した。
13年前のあの日、あのことがなかったら、こうして伊豆で暮らすことがなかったかもしれない。
それを思うと、人生ってほんと、何がどうなるか判りませんねえ。まさに「塞翁が馬」ですわ。
【きょうの一枚】戸田塩ときくいもせんべい。
戸田塩を買うのがメインだったが、ついでに「きくいもせんべい」をつい買ってしまった。
「きくいもせんべい」を買うのは二度目。前回は「いかあおじそ」味だったが、今回は「えびわさび」。
湯船に熱湯が満たされるまで「きくいもせんべい」を味わった。
二味を食べ比べしてみて、今回食った「えびわさび」味に軍配を上げることにした。どこが決め手かと言われると返答に困るけど、強いて言えば、わさびのピリ辛がよかったということですかね。「えび」は桜海老かな？ よう判らん。
【書】「豐(豊)」ホウ・ゆたか(No.1,708)
たかつきの意の豈と〓(ホウ。丰を左右に二つ並べた形。みちる意）とで、食器に食物を一杯に盛る意、ひいて「ゆたか」の意を表す。常用漢字は俗字による。(『旺文社漢字典第二版』ディジタル版)
【ディジタル画】『坊つちやん』その67(No.1,148)
「江戸っ子だってねえ、鮨食いねえ」の「江戸っ子」。
「江戸っ子」と言われると、言われた人は満更でもないんだろう。私は「津軽っ子だってねえ」と言われると(そんな言い方があるかどうか知らないが)、自信をもって胸張れない。なんだか見下されたようで卑屈になる。そこが文化の差なのだろう。
そして、そこに涙を堪え辛さに堪える演歌が生まれる。
『坊つちやん』には、そういう演歌的要素がまるでない。
うらなりと結婚するはずだったマドンナがなぜ教頭の赤シャツになびいたかという疑念は置いといて、江戸っ子の坊つちやんは義憤に燃えて赤シャツを懲らしめようと決める。そして、読者はそのことに快哉を叫ぶ。
マドンナの気持ちに寄り添うと演歌の世界になるからそれはしない。そのことはちゃんと作者も心得ている。
あくまでも坊つちやんは、歯切れのいい喧嘩好きの江戸っ子でなくてはいけないのである。
【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.428)
明治の錦絵。
時代が新しくなって、タッチにも西洋の影響が出てきているように思う。江戸時代はこんな描き方をしなった。
【タイムラプス】令和6年3月11日(月)6:32〜9:49の伊豆長岡の空。24秒。
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