いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

鯉のぼり目玉ぎよろりと棚の下(あ)

 きょう(4/25)はコミック誌発売日。だと思って本屋に走った。

 あった。棚から引っこ抜いて、ついでに文芸誌コーナーに回ったら、5月号が出ていた。相変わらず芥川賞発表号の背後に申し訳なさそうに置いてある。「芥川賞」は売れるのに「直木賞」が売れないのはなぜか。

 愛読する文芸誌は「オール讀物」。同じ文藝春秋発行なのにこの差をなんとする。これは書店員の意識の問題だ。

 文芸誌今号を手にしたら表紙に一回りでかい活字が踊っていた。「第1回大人の推理小説大賞」。

 該当ページに飛ぶと、「小説では毎年『本屋が選ぶ時代小説大賞』、『本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞』を開催していますが、今回さらに『大人の推理小説大賞』を創設しました。”大人の”とあえて銘打ちましたのは、読者の方から『最近は、松本清張のような作品はないの?』と聞かれたことがきっかけです」とあった。

 ちなみに「聞かれた」は「訊かれた」と書くのが正しい。これは井上靖氏の著述から教わった。以来、この手の「きかれた」は「訊かれた」と書くことにしている。「分かる」を「判る」と書くのも同じ理由。

 話がそれた。

 今回の第1回「大人の推理小説大賞」候補作は、昨年1月から12月までに発行された5作品の中から選ばれた。その作品とは、

①『777 トリプルセブン』伊坂幸太郎(KADOKAWA)

②『サイケデリック・マウンテン』榎本憲男(早川書房)

③『四日間家族』川瀬七緒(KADOKAWA)

④『悪逆』黒川博行(朝日新聞出版)

⑤『負けくらべ』志水辰夫(小学館)

 この中から今回選ばれたのは黒川博行著『悪逆』。それにしても錚々たる顔ぶれだ。たじたじ。

 

【きょうの一枚】鯉のぼり。

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 鯉のぼりが団地サイズになって、これじゃ「めざしのぼり」だあ。

 でも、そんなことを言ったら毎年準備してくれる人に申し訳ない。

 大きくても小さくても鯉のぼりは鯉のぼり。ときがくれば誰彼なくこうして準備をしてくれる。ありがたいじゃないか。それが地域の力よ。

 鯉のぼりが垂れ下がっている下で、学校帰りの児童が言ってた。

 「(こんなに長居するはずじゃなかったのに)ごめんね付き合わせて」

 いいんだよ。藤棚があり、棚に藤が咲き誇り、鯉のぼりがそよいでいる。この景色をゆっくり味わっていたいさ。

 こういう景色の中にいたことをいつまでも覚えていてね。パシャ。 

 

【書】「罐(缶)」(No.1,752)

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 (A)腹部がまるくふくれて、口のつぼんだ素焼きのかめの形にかたどる。のち、罐の略字として用い、常用漢字に採用されている。

 (B)缶(かめ)と、音を表す〓(カン。罐から「缶」のパーツを取り除いた形。水をそそぐ意→灌)とで、水をくむうつわ(つるべ)の意、ひいて広く、入れ物の意。のち、金属製の入れ物(can)・湯沸かし器・蒸気がまの意に用いる。(『旺文社漢字典第2版』ディジタル版)

 

【ディジタル画】『倫敦塔』その28(No.1,192)

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 女の生首の背景に赤と青と黄色を淡く入れてみた。でも、不気味さが出ません。描く人が不気味に思わないから不気味さが出ないんだろう。絵は魂の叫びなんだ。もっと、背筋に冷や汗が流れるような絵を描かないと。

 

【昭和の風景】墨画(No.472)

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 北海道土産の定番。木彫りの熊。

 中学の修学旅行で北海道に渡り、土産店にずらりと並ぶ木彫りの熊に見惚れた。が、指定の小遣では手が出ず断念。

 つるんとしたこけし人形の良さがいまいち判らないながら、鑿で削った跡の荒々しさにたくましさを感じた。

 それからだろうか、彫刻をやってみたいと思ったのは。以来、出来上がった作品よりも、作品を作る工程に興味を持った。

 就職しても年賀状を木版画で作ったりしたのは、もしかしたらその時の影響があったからかもしれない。

 

【タイムラプス】令和6年4月25日(木)5:53〜9:21の伊豆長岡の空。25秒。

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