いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

春ひとり大の字になる十二畳(あ)

 昨日(2/29)返す予定だった本を返しに図書館に行った。

 借りた本を手元に置いてじっくり読もうと思ったが、じっくり読む時間がない。

 こんなはずじゃなかった。もっと悠々自適の老後を送る予定でいた。

 どこかで歯車が狂った。でも、それもまたいいんじゃないか? 歯車が順調すぎたらつまんない。

 そうして歯車が狂ったまま人生を終える。それもまたよし。

 読みたい本はごちゃまんとある。そのごちゃまんとある本を読破したところで何になる。

 何にもならない。「ただの人」として一つの生涯を閉じるだけ。それだけのことよ。でも、それでいい。

 長く生きたくても生きられなかった人がいる。

 古来稀な歳になってしみじみ思う。こうして長く生きられるなんて、なんて幸せなんだ。これ以上何を望む。十分生きたではないか。

 どうやって生きてきたか。それを人と比べても詮ないこと。何の意味もない。だったらやめよう。人と比べたっていいことなんて一つもない。

 人生、楽しいことをして過ごせればそれでいいのさ。

 何が楽しいか。

 それは人それぞれだけど、自分がやって楽しいと思うことがいちばんじゃないかな。それが「生きがい」になるのだと思う。

 幸い、私には「生きがい」がある。それを楽しんで、楽しんで、楽しみ尽くすんだ。

 本を読みたければ読めばいい。絵を描きたければ描けばいい。それで時がくれば静かにこの世を立ち去る。人はそれをいい人生と呼ぶ。

 

【きょうの一枚】公民館和室その1。

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 ここのエアコンを電気式に替えた。

 昼から総会議案書作成で疲れ、新しくなったエアコンの効き具合を確かめるのを兼ねて、和室にゴロンと横になった。

 和室は2室あって、それぞれ12畳の広さがある。ちょっとした会議をするには十分な広さだ。畳だからゴロンと横になれる。それがいい。パイプ椅子だと疲れる。

 横になって暖風を体に当てる。新しい機械特有の「かまり」がする。ああ、エアコンが新しくなったんだなあとしみじみ感じる。

 ともかくエアコンが電気になって使い勝手が良くなった。よかったよかった。これで冬の寒さと夏の暑さを凌げる。 

 

【書】「職」ショク・つかさ(No.1,698)

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 耳と、音を表す〓(ヨク。職から耳のパーツを取り除いた形。ショクは変化した音。知る意→識)とで、よく聞き分けて覚える意を表す。借りて、のぼりの意から、商家の旗の意、転じて職業の意に用いる。(『旺文社漢字典第二版』ディジタル版) 

 

【ディジタル画】『坊つちやん』その57(No.1,138)

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 うらなり先生の送別会が町の宴会場で行われた。校長の狸も教頭の赤シャツも、申し合せた様にうらなり先生の、良教師で好人物な事を吹聴する。

 と、向こう側に座つて居た数学主任の山嵐が坊つちやんを見て一寸稲光をさした。坊つちやんは、その返事として「べつかんこう」をして見せる。

 全集の注解には「稲光」はなく、「べつかんこう」はあった。が、「べかこう」「べっかこう」とあるのみ。説明によると「あっかんべえ」の仕草のことを言うようだ。何、あつかんべえだと。人を馬鹿にするにも程がある。

 さて、送別会の主役のうらなり先生はというと、なんだか冴えない顔をしている。そりゃそうだ、自分は見も知らない土地に赴任するのだし、フィアンセのマドンナは赤シャツに乗っ取られるし、こりゃ、踏んだり蹴ったりもいいとこだ。

 座敷は自分を肴に飲めや歌えの大騒ぎ。やってられませんよ。恨み節の一つも言いたくなりますわい。

 

【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.418)

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 明治の錦絵。

 オーケストラで横笛を吹く男性。竹筒から流れ出る重厚で繊細な日本古来の音色は、時代が江戸から明治になっても脈々と吹き継がれるんだろうな。

 

【タイムラプス】令和6年3月1日(金)6:51〜8:53の伊豆長岡の空。30秒。

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