万城目学著『八月の御所グラウンド』。
今回の直木賞ダブル受賞作の一つで、これを読みたかった。
この作品は前評判が高く、直木賞をいただくに違いないと思っていたら本当にそうなった。いつかは直木賞をもらう人として目をつけられていたのでしょう。でも同時受賞の『ともぐい』も素晴らしく、読んでこれはかなわないと思った。
後から後からすごい人が出てくる。
今回は京極夏彦さんの選評を挙げておく。
京極夏彦……『八月の御所グラウンド』の軽やかさはどうだろう。日常に非日常を紛れ込ませるのではなく、両者の間に一切線引きをしないのが著者の作品の特徴ではあるのだが、本作に於てもそのスタイルは一貫している。結果として結構性も整合性も、ストーリーすらも失効し、”ただ読むこと”だけが面白いという稀有な仕上がりの小説となっている。小説を、小説という軛(くびき)から解き放つことでより小説たらしめんとする著者の試みは、原初的(プリミティブ)な読者の悦びを引き寄せてくれるものである。その手付きには羨望すら覚える。
【きょうの一枚】安協の方とこども園で交通指導。
近所のこども園で交通指導。早く着きすぎて逆に園の方に迷惑をかけてしまった。
このこども園は狩野川土手沿いにあって、土手側と下の田圃側と二方面に出入り口がある。とても自然豊かな所に建っている。
交通指導は土手側の、比較的車の往来の多い道側で行われた。こっちの道は信号がなく、地元の抜け道として使われている。だから、車はスピードを落とさないまま走りすぎるきらいがある。
園を出た子どもたちは土手道の右側に渡り、白線の外側を歩いて橋手前の交差点まで歩く。そこから引き返して、同じ道をまたも右側を歩いて園に戻ってくる。
交通指導員は、その間の要所要所に立って交通指導をする。途中に高速道をくぐるトンネルがあって、そこは白線が引かれていない。私はそのトンネルの入り口に立った。
子どもたちは勝手を知っているようで、車がスピードを落とさず走り抜けようとするのを止まって見送っていた。指導することなんて何もない。ただ安全を見守るだけだった。
ただ、今日は風が強く、土埃が飛んで目が痛かった。でも、子どもたちの手前、目を擦ることができなかった。子どもたちの中にも下を向いて土埃をやり過ごしている子が何人かいて、その子たちが下を向くとき一瞬車から目を離したりしてそれが危なかった。
私に握手を求める子がいたのにはびっくり。知らない爺さんの手を握るなんて、危ないよ気をつけな。飴玉一個で知らないところへ連れていかれちゃうよ。
【書】「醤」ショウ・ひしお(No.1,695)
酉(酒)と、音を表す將(ショウ。たくわえる意→蔵)とで、肉などに塩・酒を加えてたくわえたしおからの意。(『旺文社漢字典第二版』ディジタル版)
【ディジタル画】『坊つちやん』その54(No.1,135)
うらなり(古賀)先生が延岡に転任する代わりに坊つちやんの給料が上がるという。それが気に入らない坊つちやん。で、一旦出た赤シャツ宅へ再び戻った。
「『あなたの云ふ事は尤もですが、僕は増給がいやになつたんですから、まあ断はります。考へたつて同じ事です。左様なら』と云ひ捨てゝ門を出た。頭の上には天の川が一筋かゝつて居る」。
坊つちやん先生、金に困らないから増給を断われるんだ。俺だったら喜んでもらっとくね。
増給の申し出を断って赤シャツ宅の門を出たら、空には天の川がかかっていた。
心も晴れ晴れ、夜空も晴れ晴れの坊つちやん。てか、久しく見てないなあ、天の川。
【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.415)
明治の錦絵。
髪型が、なんといっても近代的。これなら苦もなく自分で髪を洗える。
【タイムラプス】令和6年2月27日(火)7:00〜9:25の伊豆長岡の空。36秒。
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