東奥日報コラム「天地人」に、奈良美智さんが紹介されていた(2/12)。
現在、青森市の美術館で個展が開かれている。
「絵がうまいんだから美大とか行けば」。奈良美智さんは、弘前の高校時代に年上の友人からそう言われたという。
私はどうか。
「絵がうまいんだから……」とは誰も言ってくれなかった。実際自分でも、上手いのになとはこれっぽっちも思ったことなかった。
でも、今こうして絵を描いて楽しんでいる。
楽しいから続けられる。でも、それでいいんだと思う。
絵なんて、下手でいいんですよ。下手なほうが楽しめます。逆に上手かったらこうしようああしようと考えちゃうから楽しくなくなっちゃう。
奈良さんは都内の美術系大学の彫刻科に合格したが進学しなかった。やりたいことは彫刻でなかったのかもしれない。
それじゃなんで彫刻科を受験したの? と思うが、当時は合格することで、いわゆる”箔が付く”ということがあったのかもしれない。
とまれ、いろいろ紆余曲折を経て今日がある。
板画家の棟方志功は「わだばゴッホになる」と言って青森を飛び出した。でも、ゴッホにはなれなかった。けど板画家として世界の棟方になった。
人間はどうなるか判らない。美術家を目指して美術家になれなかった人はごちゃまんといる。漫画家を目指して漫画家になれなかった人もごちゃまんといる。
翻って私はどうだ。
私は、好きな絵を描いて楽しく暮らしている。
それでいい。一度切りの人生だもの、楽しけりゃそれでいいではないか。
【きょうの一枚】狩野川土手の河津桜。
大きなショッっピングモールの裏に狩野川が流れ、その反対岸に地元のシンボル・城山(じょうやま)が聳える。標高は342mでさほど高くない。
その昔、伊豆半島が地表に現れた頃、マグマが冷えて固まり一枚岩の山になった。
今でもロッククライマーが岩壁を這い上り、帰りは麓の日帰り温泉宿で汗を流す。それが山登り人のお定まりコースになった。
かつて、現役時代の長嶋茂雄選手がここの登山道を駆け抜けたとのことだが、急峻でとてもランニングするような道ではない。その辺は眉に唾をつけて聞いたほうがよいかもしれない。
山と反対の土手道に戻る。
土手道は歩きやすいようにアスファルトで固められ、脇の土のところに河津桜が植えられている。
本場の河津にはとても敵わないが、どうしてどうしてここだって立派な花見名所である。
今は春まだ浅くほころびた桜も七分咲きといったところか。屋台出店も並んでないが、これで祭りのテントが並んだら壮観だろうな。子供もきっと喜ぶこと請け合いだ。
【書】「邁」マイ・ゆく(No.1,681)
辶と、音を表す萬(マン。バイは変化した音。長く続く意→蔓)とで、遠く「ゆく」意を表す。(『旺文社漢字典第二版』ディジタル版)
【ディジタル画】『坊つちやん』その40(No.1,121)
温泉かあ。久しく行ってないなあ。近くにはたくさんの日帰り温泉施設があるのに。
孫と一緒に住んでいるときは内風呂で我慢していたが、温泉はいいよなあ、芯から温まる。行こうか。そろそろ復活させてもよかんべえ。
坊つちやんが頻りに通ったのは道後温泉だけど、一度も行ったことがない。どんな温泉だろう。
【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.401)
相変わらず、日本髪一本一本の流れにうなる。きれいだから、それをきれいに描こうとする気持ちがあるから、だからああいうふうに描けるんだろうね。すごい技術だと思う。
【タイムラプス】令和6年2月13日(火)6:48〜9:11の伊豆長岡の空。35秒。
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