いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

白梅の秘すれば花の勇気かな(あ)

【きょうの一枚】世阿弥。

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 ご存じ、『風姿花伝』の著者。

 「秘すれば花」という言葉がふと頭に浮かんだ。私はそれをずっと「なんでもさらけ出して表に出すより、控えめにしているほうが美しい」と勝手に解釈していた。

 しかし、世阿弥が言っているのは違う。「秘すれば花」というのは「他人に隠していることは大したことではなく、隠すこと自体が重要だ」という。つまり、「隠していることを相手に気づかれてはいけない」ということだ。

 夫婦は秘密を持つことなく、なんでも話せる関係がいいという。でもそれは嘘だ。隠し事の一つや二つ持っていた方がいい。でもそれを知られてはいけない。たぶん世阿弥はそう言っている。

 もう一つ。「初心忘るべからず」。これも世阿弥の言葉。『花鏡』にある。

 ここでいう「初心」とは、やり始めた頃の気持ち、つまり、みっともなさをいうのでしょう。

 誰だって最初からうまく行くはずがない。右も左も判らない中でみっともなく足掻く。足掻いて落ち込む。

 それでも前へ向かって突き進む。その気持ちが大事なのでしょう。

 「初心忘るべからず」というのは、そういう愚かだったときの自分に立ち帰れと言っているのだと思う。

 小学校の時、将来の夢を語る機会があった。

 私は深く考えることなく、漫画家になりたいと言った。

 漫画家になるには、若い頃にいろんな知識を身につけることが大事だと何かの本に書いてあったのを思い出す。

 私はそれを信じた。

 上京し、大学に入学した。その間、いろんなアルバイトをして知識を身につけた。漫画家になる夢を捨てきれなかった。

 大学を卒業して神奈川に就職した。

 就職してからは土日も休みなく働いた。とてもとても漫画家の修行を積む時間など取れなかった。

 そのうち、パソコンが普及し始めた。パソコンでアニメを作成する段になってようやく幼い頃の夢が蘇ってきた。そうだ、私は漫画家になろうとしていたんだ。

 パソコン周辺機器にタブレットがあって、ペンシルがあって、それで絵を描くことを覚えた。

 やってみたら、それが楽しくて楽しくて病みつきになった。

 そうして今は、遅ればせながら小さい頃の夢を追い続けている。

 

【書】「績」セキ・つむぐ(No.1,674)

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 糸と、音を表す責(サク。セキは変化した音。かさねる意→積)とで、糸を一本一本加えていって「つむぐ」意を表す。転じて、事業の意に用いる。(『旺文社漢字典第二版』ディジタル版) 

 

【ディジタル画】『坊つちやん』その33(No.1,114)

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 英語教師・うらなりの紹介で新しい下宿先が決まった。その下宿先のお婆さんから「鬼神の御松」やら「妲己の御百」やらの名が出てくる。「鬼神の御松」も「妲己の御百」も歌舞伎に登場する女賊の渾名。

 前回は「妲己の御百」を描いたので今回は「鬼神の御松」。

 これは以前多色刷りで描いたことがあるが、今回は白黒。前回同様、日本髪の一本一本を描くのにだいぶ時間がかかった。

 

【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.394)

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 戦国花火を描いた。総会資料の表紙に使ったらどうかと思って。

 毎夏8月になると、「きにゃんね祭り」を皮切りに4連夜狩野川上空の夜空を賑わす。その最後の夜に打ち上げられるのが「戦国花火」。

 うちのデッキからも見えます。ジョッキを傾けながら家族で夏の風物詩を楽しんでいます。 

 

【タイムラプス】令和6年2月6日(火)7:46〜9:36の韮山方面の雨空。27秒。

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