いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

せんべいを噛んでがりりと春が来た(あ)

 地元の高校でクロスカントリーが行われた。その立番。

 何せ初めてのことで、何をどうしていいか判らない。

 そこの先生が車で現場まで連れて行ってくれるというので、ひとまず支度をして集合場所に集まった。

 クロスカントリーは基本的に農道を走るので辻に信号機が一つもない。まさに昔ながらの田園コースを廻る。のだが、車がひっきりなしに行き交う。思うに地元の抜け道になっているようだ。

 私に与えられた役は、辻に立って車を停め、走り渡るランナーを誘導するというもの。男子生徒と女子生徒の走るコースが別々になる接点にベテラン指導員と一緒に立つ。

 沿道には多くの親御さんが駆けつけて声援を送っている。その声援に答えるかのように、「応援ありがとうございます。頑張ります」と言って走り抜けるお茶目さんもいた。いいなあ、その雰囲気。町ぐるみのイベントになってるんだね。

 信号機のない山すその風景を眺めながら、こういう伝統行事をこれからもつなげていきたいと思ったことだった。

 

【きょうの一枚】菊芋せんべい。

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 こういう形で菊芋に出会えるとは思わなかった。素直に嬉しい。

 フライドポテトにふりかける塩が無くなりそうなので、最寄駅の売店に愛車カブを走らせた(「みちの駅」よりこっちの方が断然安い)。

 そうしたら、陳列棚にこの袋が見えた。

 「きくいもせんべい」とある。おお懐かしや、あの菊芋だ。そうか菊芋は静岡の名産だったか。

 季節になるといつもコンビニの店主を介して農産物販売の棚に混ぜてもらっていた。私が店に行くと店の奥から店主が顔を出して、「菊芋ですね。いかほどご用意いたしましょ」と言って、その場で親方さん(菊芋生産者)に電話を入れてくれた。

 そのコンビニも潰れた。今は道の向こう方に新しいコンビニができている。

 潰れたコンビニの店主は体調を崩して生まれ故郷の信州に帰ったと風の便りで聞いた。

 私は、菊芋加工料理にあまり詳しくない。

 どだい菊芋の存在を知ったのは、伊豆で暮らし始めて間もない頃だった。かつて賑わっていたコンビニの農産物コーナーに菊芋を見つけ、それを輪切りにして生姜をまぶして晩酌の一皿とした。これがせんべい汁の箸休めになると泊り客に人気で、私も春先になると菊芋の漬物作りに精を出したものだった。

 それら全てが懐かしい。その菊芋がまさか駅の売店に並ぶ日が来るとは思わなかった。

 見つけて衝動買いしたのは言うまでもない。

 早速袋を割いて食してみた。こりこりした歯触りが口に残って美味。本来の菊芋の歯触りをそのまま生かしてくれた。たぶんここにしか売ってない。また食いたくなったらここへ買いに行こ。

 価格もリーズナブルで1コインを切る。静岡へ来た時の隠れたおすすめ品です。

 

【書】「濯」タク・あらう(No.1,677)

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 氵(水)と、音を表す翟(テキ。タクは変化した音。抜き出す意→擢)とで、水から引き上げ「あらう」意。(『旺文社漢字典第二版』ディジタル版) 

 

【ディジタル画】『坊つちやん』その36(No.1,117)

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 マドンナのモデルとされる遠田ステさん。

 歴代のマドンナ役の女優さんは、みんな熟練した女性の印象があるけど、この方は、まだあどけない少女の雰囲気を残しているように見えます。漱石のお好みの女性だったんでしょうか。

 

【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.397)

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明治の錦絵より。日本髪の一本一本を描くのは、ねぶたの武者絵を描いていたときに身につけた技法。見えないところにも手を抜かないという職人のこだわりですね。これからも見習っていきたいものです。

 

【タイムラプス】令和6年2月9日(金)6:42〜8:36の伊豆長岡の空。28秒。

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