いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

地吹雪の郷やラーメン魚介出汁(あ)

 同僚の美術の先生のグループ展を見に沼津まで行ってきた。

 グループ展に行くと決めたときから、昼はラーメンを食おうと思っていた。

 かつて平塚のアパートに住んでいた頃、職場の同僚とよく横浜で呑んだ。呑んで下り東海道線に乗り、降りるべき平塚駅を通り越したこと数知れず。しまった、またやっちまったと途方に暮れた駅は、大磯、二宮、国府津、鴨宮、小田原、早川、根府川、真鶴、湯河原、熱海、函南、三島、沼津って、またぞろ各駅の世話になっている。どんだけ乗り越せば気が済むんだよ。

 西へ西へと流れて、いちばん遠い駅は沼津駅。当然上りはないから、一晩をどこかで過ごし、翌朝の始発で平塚へ戻ることになるのだが、そのとき一晩を過ごしたのが沼津駅地下街のとあるラーメン屋だった。そこにはカウンター席の奥に3畳ほどの畳の部屋があり、「明日の始発まで、そこで寝てな」と言ってくれた店主の言葉に甘えて、一晩をそこで過ごしたことがあった。今から30年以上前のことである。

 伊豆に暮らすようになってから一度その店を探してみたが、どうしても見つけられずに諦めた。沼津に行ったらなんとしてもラーメンを食いたいという思いは、さかのぼれば、その一晩泊めてもらった沼津のラーメン屋に行き着く。

 今回も、時間があったらその店を再度探してみようかとも思ったが、あれから30年以上も経っているし、探す当てが地下街というだけでは頼りない。たぶん探せないだろうと、これまた諦めた。それに今回の目的はグループ展を見ることにあったし。

 そのグループ展は、同僚の先生のも含めて13名の方の作品が展示されていた。さっと一巡しただけだったが、どの作品も、「寸暇を惜しんで一所懸命描いたんだ、見てくれ」という、描いた人の熱い気持ちが伝わってきた。ただ、私の心の中に、「よし、私も頑張って絵を描こう」という気持ちは湧き起こって来なかった。そういう前向きな気持ちになるのを期待していたのに、そうならなかった。どうしてだろう。

 

【今日の一枚】田ぶしラーメン。

f:id:jijiro:20201116072510j:image

 同僚の美術の先生のグループ展を見に行く前の腹ごしらえで、沼津イトーヨーカドー地下のラーメン屋に入った。グループ展は同じイトーヨーカドーの4階ギャラリーで開催されていたのでちょうどよかった。

 三島・大場の病院へ行く途中の下田街道沿いにもこのラーメン屋があって、どんなラーメンかずっと気になっていた。

 頼んだのは「田ぶしラーメン」。魚介出汁が鼻につんと香って、昨秋、青森の五所川原で食した煮干しラーメンにどことなく似ているような気がした。どちらかと言えば好みの味です。もう一度行きたいかと訊かれたら、たぶん行くと答えます。

 

【書】「辰宿」しんしゅく(No.513)

f:id:jijiro:20201116072452j:image

 「①星宿。星座。②星。」(『旺文社漢字典』第2版)

 「辰」は、常用漢字にない。白川静『常用字解』には「唇」「娠」「振」が載っているので、「辰」のパーツの説明を参照する。

 辰は蜃(しん=はまぐり)のもとの字で、はまぐりなどの貝が足を出して動いている形で、動くの意味がある。

 「宿」は、宀(べん)と〓1(しゅく)とを組み合わせた形。宀は祖先の霊を祭る廟(みたまや)の屋根の形。〓1は〓2席(てんせき=敷きもの)に人が寝ている形。廟などの神聖な建物に宿直する(とのいする)ことを宿という。→白川静『常用字解』

〓1↓

f:id:jijiro:20201116072429j:image

〓2↓

f:id:jijiro:20201116072402j:image

【タイムラプス】11月15日(日)5:38〜7:56の伊豆長岡の空。34秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1328101234717257729?s=21