いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

激流の渦に赤赤と藪椿(あ)

 孫娘がベッド室から絵本を持ってきた。
 『こぐまとミカヅキ』(たかはしゆうすけ作・いとうゆりこ絵)。小さい頃、ママに読んでもらった絵本の中でいちばん好きだという。
 どんな話なの? と訊いたら、晩酌をしている私の横にちょこんと座って、その絵本を読み聞かせてくれた。
 絵はクレヨンで描かれていて、タッチがとても柔らかい。あどけないこぐまのくりくりした目がそのつどの喜怒哀楽を物語る。
 たかはしゆうすけさんの文も味わい深い。最後のページの作者紹介欄には「子供から大人まで楽しめる作品づくりをしていきたい」というコメントを寄せている。
 「子供から大人まで楽しめる作品」か。これまで絵本は子どものための絵なり文なりだとばかり思っていた。が、柳田邦男さんの絵本紹介に触れてからは絵本に対する思いが変わった。今は、私もいつかは「子供から大人まで楽しめる作品」を世に送りたいと思うまでになった。


【きょうの一枚】庭の藪椿。

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 玄関先に白い椿と赤い椿の2本が、南隣家からの目隠しの意味合いを兼ねて並んで植わってある。主に花を咲かせるのは白い方。一年前は、これでもかというくらいにたくさん白い花を咲かせたのに、今年はとんと咲かない。
 「きょうの一枚」用にまだ開かない固い蕾を撮影していたら、樹のてっぺん近くに赤い花を見つけた。やれうれしやと物置から脚立を取り出し、よじ登ってパシャ。
 赤い椿は、必ずどこかしらに黒い染みみたいなのがあって、混ざりけのない真紅とはならない。それがまた藪椿らしく野趣にあふれて好もしい。
 吹く風はまだまだ冷たいけど、先日の鶯の初音といい、きょうの赤い藪椿といい、春は確実にそこまで来ているという思いが湧く。四季の移ろいに身を委ねるというのはこういうことなんだろうな。


【書】「告老」こくろう(No.992)

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 「年老いたことを理由に辞職する。また、そのことを願い出る。」(『旺文社漢字典』第2版)
 「告」は、口と牛(牛は変化した形。進み出る意)とで、進言する意、ひいて「つげる」意を表す。
 「老」は、髪を長く伸ばして腰のまがった人が杖をついているさまにかたどり、としよりの意。ひいて「おいる」意を表す。


【ディジタル画】『吾輩は猫である』 109(No.432)

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 苦沙弥先生宅へ集ったメンバー、迷亭、独仙、東風、寒月が侃侃諤諤議論を交わす。
 「……文明が進むに従つて殺伐の気がなくなる、個人と個人の交際がおだやかになる抔と普通云ふが大間違ひさ。こんなに自覚心が強くつてどうしておだやかになれるものか。(中略)丁度相撲が土俵の真中で四つに組んで動かない様なものだらう。傍から見ると平穏至極だが当人の腹は波を打つて居るぢやないか」という八木独仙の謂に思わず首肯していた。
 今の自治会然り。いろんな人が住む地域だから、いろんな人がいていいんだけど、所詮はみんな自分が可愛いんだな。自分だけ骨折り損でくたびれるのがいやなんだ。だから、みんな役員を引き受けたがらない。
 今回もすべて「Gガッシュ」で描いた。 


【タイムラプス】3月4日(金)8:01〜9:34の伊豆長岡の空。23秒。

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【新型コロナ】3/4(金)10:00現在(Yahoo!より)
新規感染者数→70,348(前週同曜日比 −9,092)
重症者数→1,418(前日比 −34)
累計死亡者数→24,402(前日比 +256)