いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

2025-01-01から1年間の記事一覧

あれやこれ知らぬふりして頬被(あ)

#いずぃなり2025_12 50ccスーパーカブに跨って夕飯の買い出しに出かける。それが当たり前だったが、最近ではバイクに乗るのが怖くなった。何でもないところでバランスを崩し転けるのである。特に右回り。とある老人クラブの事務を手伝うようになったのはいい…

ゆく年やミルクティーほど甘くなく(あ)

#いずぃなり2025_12 年の瀬に「けの汁」を作った。「けの汁」とは、津軽地方の正月料理で古くから伝わる伝統料理である。小正月あたりに食す。 「けの汁」は具だくさんの汁で「粥の汁」が訛ったとされる。訛ったかどうか知らないが、私の時は「けの汁」と言…

亡き母の葱まじないの喉仏(あ)

#いずぃなり2025_12 風邪を引くと、母がよく路線バスでお医者さんに行き、早く治るようにとおまじないをしてくれた。おまじないを信じたわけではないが、細長く切った葱を包帯でぐるぐる首に固定した代物だがよく効いた。熱がいっぺんに下がった。 風邪を引…

白菜の尻のきれいなお姉さん(あ)

#いずぃなり_12 東京に住む次男坊が伊豆へやって来た。開口一番、転職するという。今の仕事を来年6月までやって、そのあとは福島・郡山でワイナリーをするのだとか。 できるかどうか判らないが、それなりに考えてのことらしい。静岡も考えたが、予算的に折り…

 水仙の葉先に意志のみなぎれり(あ)

#いずぃなり2025_12 庭に水仙が葉をにょっきと揃えた。切先がとんがっている。中にはほころびかけている蕾のもある。剪定で切り落とした枝の下から自己主張しているものもある。 出たがっている気配だったので、察して剪定した枝を退けてやった。梅は枝に棘…

野良猫と野水仙とがあつちむいてほい(あ)

#いずぃなり2025_12 バイクで転けた。最寄り駅前の銀行に所用で立ち寄り、出てすぐの交差点を右折しきれず転倒した。病院の定期検診に行く予定だった。雨がお止みなく降っていて、それでスリップした可能性が高い。 また、やっちまった。前回は2年半前。たま…

わだば苦しみますだじゃ降誕祭(あ)

#いずぃなり2025_12 この時期、亡母の口癖で、何度となく聞かされた。巷は活気に満ち溢れ、どこかうきうきした空気があった。 そんな中、かあちゃんだけは浮かれなかった。世間はメリークリスマスと浮かれているが、何でうちはいつも貧乏なんやろ。浮かれる…

隙間風猫したたかに子を産めり(あ)

#いずぃなり2025_12 鶴岡八幡宮で初詣のアルバイトをしたことがある。賽銭箱に網が貼られ、脇の出店で破魔矢や御札を売っていた。万札が飛び交い、お釣りの用意する時間などなく、札を靴下に捩じ込んだ記憶がある。ともかく大変な人出だった。そこだけ、不景…

極寒の長いみちみちどこまでも(あ)

#いずぃなり2025_12 駅の駐輪場に自転車を駐めようにも、冬場は手がかじかんで思うように鍵がかからない。鍵を二重にかけるよう警察では指導するが、そんな面倒臭いことはだ誰だってしたくない。 果たして数日後、自転車が盗難に遭った。東京・神奈川ならま…

短日や庭を往つたり来たりして(あ)

#いずぃなり2025_12 我が庭を詠うことが多くなった。 庭にはこれといって、何があるわけでもない。でも、大小の鳥が飛んでくると、何しに来たのかなと目をきょろきょろさせる。 昔から庭付きの一戸建てに憧れていたが、つまりはそういうことだ。 鳥は、枝に…

また一つ寿命を越えて年の暮(あ)

#いずぃなり2025_12 このところ、やたら疲れ易くなった。てか、踏ん張りが効かなくなった。 先日、薪を運んでもらったときも、半地下の車庫に積み上げた薪を庭まで運ぶのに息が切れた。何度も珈琲ブレークをしようと思ったか知れない。 情けないったらありゃ…

それぞれにこの幸せや蒲団干す(あ)

#いずぃなり2025_12 日向ぼっこに晒された布団は温い。いつまでもくるまっていたい。この温みが、人々を目一杯幸せにしてくれるんだ。 幸せなのに違いない。今日は、日差しは暖かかったが、吹く風が冷たっかった。さすが冬だね、木枯らしが冷たい。 それより…

搗き立ての餅頬張れる軒の下(あ)

#いずぃなり2025_12 搗き立ての餅を食う。なんて贅沢なんだろう。餅搗きの特権だ。 呼ばれて餅を搗きに出かけていたが、義父が亡くなり義母が東京の施設の世話になってからというもの、餅つきのイベントは久しく絶えていた。同時に搗き立ての餅も食えなくな…

真新し障子開け閉め女の手(あ)

#いずぃなり2025_12 薪代は今回から5,000円上積みされた。値上げは私から提案した。近くのホームセンターで薪代を見るに付け、これまでと同じ値段だと、経営維持がいささか厳しいのではないかと心苦しく思っていた。先方も、そろそろ値上げを言うタイミング…

寄せ鍋をつつく隣の人おらず(あ)

#いずぃなり2025_12 「寄せ鍋」を手元の『歳時記』で見たら、「……。決まった具材は特になく自由に楽しむ鍋物」とあった。「自由に楽しむ」のがいい。私も韓国ラーメンを嗜むが、スープをいろんな鍋の残り汁から選べるところが気に入っている。中でも寄せ鍋。…

ひとくさり講釈たれて竹を伐る(あ)

#いずぃなり2025_12 正月に松飾りがないと落ち着かない。なくたっていいじゃないかそんなものと思うが、ないと寂しい。ないと寂しく思うのが、「伝統」というものなのだろう。それは、その土地に長く住んだ人でないと判らない。何か知らないけど血が騒ぐ。そ…

悪い夢ばかり見てきて十二月(あ)

#いずぃなり2025_12 ケータイが鳴った。 出ると、地域を巡邏する警官だった。相手の名は聞き覚えがある。よく存じ上げる姓だった。 咄嗟に時計を見ると5:◯△のデジタル表示。すわ、事件かと色めきたった。6時前のケータイにろくなものはない。てか、ケータイ…

よたよたと蛇口の陰の冬の蝿(あ)

#いずぃなり2025_12 歯磨きをしようとしたら、蝿がひょっこり蛇口の陰から姿を見せた。大きくて紺色にてかっている。ずっとそこが居場所だと主張しているようで堂々としていたから、思わず歯磨きの場を私が譲った。 どこからやってきたのだろう。洗面所のす…

万両や玄関までのアプローチ(あ)

#いずぃなり2025_12 玄関にたどり着くまでに、砂利道のアプローチを通る。障がいを持って産まれた娘が、将来的にこの家を自立の礎にする時の足がかりとした場合、もう1台分の駐車スペースが必要になってくる。その時のために今から用心しておこうというもの…

石蕗の花咲いて亡き母仏様(あ)

#いずぃなり2025_12 庭の手入れに手を汚した。 笹竹が好き放題に繁茂していて、意外に手間取った。 やり出すとなかなか手を休めるタイミングが図れない。 珈琲豆が手に入ったので、それを挽いて淹れたての珈琲を飲もうと思うが、珈琲ブレイクの音頭を誰も取…

あるじなき曲がりの角や枯芒(あ

#いずぃなり2025_12 何をやってるんだ(自分に腹を立てている)。五七五ふうの「タイトル」も、「きょうの私」も、「書」の模写も、みんな消えちまったじゃないか。 以前は、頭の中で構築する内容が見えていたから、表現を変えるだけでよかったが、こう何度も…

立枯れの松ひつそりと冬木立(あ)

#いずぃなり2025_12 とうとうやらかしてしまった。いつかはやるんじゃないかと思っていたことを、やっちまった。 カブで転けた。スーパーから出て直ぐの渋滞の道路。 すっ飛んで車から出てきた若い夫婦に起こされて介抱された。「大丈夫ですか」と抱き起こそ…

可愛げのない鳥大きくて枇杷の花(あ)

#いずぃなり2025_12 iOSをアップロードしたら、「メモ」アプリ内で書き込んだメモをマークダウン形式のファイルに変換し、他のアプリやサイトでも構造や装飾を引き継ぐことができるようになった。 のはいいのだが、あれこれいじっているうちに「カメラ」機能…

短日や先祖代々お前もか(あ)

#いずぃなり2025_12 生きているうちに自分が入る墓を決めて義父は逝った。 墓参りの人が楽しく語らえるようにとどこからかベンチを調達してきて、「ここが俺の墓だ」と、自慢気に語らっていた。豪傑の人だった。自分が死んでから後も、あれこれ世話を焼く人…

女の眠るしばれるような路地の朝(あ)

#いずぃなり2025_12 「しばれる」という方言がある。北国の方言が季語になった。手元の『歳時記』にはそうある。 方言は、その土地に生まれ育った人にしか独特のニュアンスは伝わらない。凍るように冷たいと言っても、どれほど寒いか判らない。 しばれる、そ…

年老いてなんのこれしき冬の朝(あ)

#いずぃなり2025_12 一番電車に乗ろうとして自転車を走らせる。伊豆の我が家は高台にあるから、朝は線路まで下り坂になる。そこを一気に駆け降りる。冷気が風を切るがハンドルを握る手が素手だとちくちく痛い。手袋をはめるが、駅の駐輪場に止めようにも、駅…

冬ざれや梢の鳥の慌たたし(あ)

#いずぃなり2025_12 冬支度もせぬままに、本格的な寒さがやってきた。例年に倣って、のんびり構えすぎたかな。 冬支度と言っても、燃やす薪を用意するだけだからどうということもないのだけれど。 薪はいつもピザバス屋さんから分けてもらっている。ピザを焼…

店頭の蜜柑小粒に賑はへり(あ)

#いずぃなり2025_12 「eスポーツ」というスポーツがある。スポーツと言っていいのかな。ともかく、きょうはぽかぽか陽気で、穏やかなスポーツ日和だった。 きょうは隣町でその実践会があって参加した。年齢に関係なく老若男女がスポーツを楽しめて、適度な…

いたづらに齢重ねて年惜しむ(あ)

#いずぃなり2025_12 いずぃなり2025_12_01(月) あの時の蜻蛉は何だったんだろう。家にあるタモ網を担いで林道を歩いただけなのに、見たらタモ網の中にオニヤンマがいた。 オニヤンマは、蜻蛉の王様である。捕まえようとしたってなかなか捕まらない。 遊び仲…

冬ざれの立ち枯れの松聳えけり(あ)

#いずぃなり2025_11 孫娘が年暮に伊豆へ来るという。「お年玉」を用意しなくちゃいけないな。 というので最寄りスーパーで、夕食の買い出しついでに買った。 孫娘は訳あって伊豆で暮らすことになり、しばらく家で厄介することになった。えっちらおっちら地元…