病院を退院したら、道で会う人会う人みんなが、大丈夫ですか? と声をかけてくる。
怪我の具合を心配してくれているのだ。ありがたい。生まれてこの方、こんな優しい言葉をかけてもらったことがない。
事故を起こした時、昼食を作る時間が無かろうとおにぎりとうどんを持たせてくれた人がいた。
そのときは気が動転して満足な感謝も述べられなかったが、今日改めてその人のところへ元気な姿を見せに行った。
ら、その人はとても嬉しがってくれた。私も嬉しい。
あの節はいろいろとお世話になりました。さりげない気遣いが心に沁みました。
【きょうの一枚】ヤマボウシ(山法師)の実。
花は白く、ハナミズキに似る。「よだれ掛け」みたい。花期は5〜7月。利休七選花のひとつ。
秋に赤い実が成るのは知っていたが、庭に植えたヤマボウシの実を見るのは初めて。車庫のコンクリートの上に落ちていたのを手に拾ってまじまじ見つめる。ふと見上げると、枝にびっしり赤い実がついていた。
この赤い実は果実酒に利用されるという。梅シロップを作ろうとして氷砂糖も買ってあるし、試しに作ってみようかな。でも、細い枝をどうやってのぼればいいんだろう。
【書】「蒸」ジョウ(No.1,517)
「灬(火)と、音を表す丞(ショウ。のぼる意→升)とで、火気がのぼって「むす」意を表す。」(『旺文社漢字典第2版』)
【ディジタル画】『彼岸過迄』須永の話二十七(No.957)
須永が東京に戻って書架を整理していたら、或文学好きの友達から借りた本が出てきた。
こうなるともう整理そっちのけで書物を読み耽ってしまう。
「標題にはゲダンケといふ独乙字が書いてあつた」。
全集注解によると、漱石の蔵書目録にその名があるという。
「自我絶対主義者ゲルジェンツェフが、自己の思想に則り、計画して友人アレクシスを殺害する話で、精神病院に入ったゲルジェンツェフが提出した始末書の体裁で、「自分」の一人称で事件を語る」らしい。知らない。読めば読むほどに精神に異常をきたしそうで怖い。
作者はアンドレーエフというロシアの作家。これも知らない。
【昭和の風景】東海道五十三次「島田」色付き。(No.237)
島田は過去に何度か訪れているが、東海道五十三次の宿場町として描くのは今回が初めて。
大井川を渡るのは大変だったろう。主要街道なんだから橋をかければいいようなものだが、橋をかけても、かけたそばから増水で流されただろうから、結局、橋を渡すのをやめたのかもしれない。
というか、渡し場の駕籠屋みたいな衆がこぞって反対に回ったか。橋をかけられた日にゃこちとらの商売あがったりだもんな。
【タイムラプス】令和5年9月2日(土)6:54〜9:10の伊豆長岡の空。33秒。