いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ゆさゆさと闇のまにまに栗の花(あ)

 気になることは、あれもこれも指折り数えて指が足りなくなるくらいあるが、そのうち私事ながら特に気になることがある。

 それは、敬愛する作家・志茂田景樹さんのブログが最近更新されなくなったことと、これも敬愛するイラストレーターさんのイラストを目にしなくなったこと。

 どちらも私の日乗と関わりないところで世にメッセージを送っておられる方だが、その方々の消息の途絶えたことが気になる。

 私は毎日好きな画を描いて暮らしている。だからといって漫画家でもない。イラストレーターでもない。画家でもない。

 私は一体何者なんだろうと思うときもあるが、一方で、何者でもいいじゃねえかそんなものと思ったりもする。何者でもなく、ただ好きな画を描いて暮らす者、それでいいんでねえの? 肩書きなんて、どうだっていいじゃん。

 

【きょうの一枚】栗の花。

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 南隣家のさらに南側が空き地になっていて、そこに栗の木が自生している。

 空き地の所有者は千葉に住んでいらっしゃる方だそうだ。数年前に一度隣家の人がその方に連絡をつけ、樹木を伐ってもらったことがある。隣家の人は、やっと連絡がついたと喜んでいたっけ。

 その時は所有者が現地に駆けつけ空き地をすっきり丸坊主にしてくれた。が、数年経ったらまた元に戻ってしまった。いや、元以上に雑木が繁茂するようになったかもしれない。

 繁茂する雑木の中に栗の木が二本混ざっている。栗の花の匂いは精液の匂いに似て、近くを通るとむせ返る。最寄駅や公民館に行くにはどうしたってこの下道を通らざるを得ないが、梅雨入り前の栗の花の匂いにはいつも閉口する。

 匂いもそうだが、この繁茂が木下闇を作っているのにはもっと閉口する。通るだに怖い。昼尚暗い緑の隧道だ。通学児童は平気なのだろうか。

 見るたびに伐りたいと思うが上まで鋸歯が届かない。どうしたもんじゃろのう。

 

【書】「解字」カイジ(No.1,438)

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「①字形を分析して、構成を説明する。②字の意味を解釈する。」(『旺文社漢字典第2版』)

「解」は、刀でツノのある牛の体を分解する意、ひいて「とく」意を表す。転じて、わかる意に用いる。

「字」は、宀(おおい)と子(シ)とで、子を養う意。

 

【ディジタル画】『彼岸過迄』風呂の後 十(No.878)

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 森本が下宿先から姿を消した。主人が森本の消息を敬太郎に尋ねる。が、敬太郎とて森本がどこで何をしているか判らない。

 勤め先の新橋駅に尋ねたら、森本は先月限り罷められてゐたことが判った。下宿代がここ六ヶ月ほど滞納していることも判った。

 主人は森本から連絡がないかどうか確かめに敬太郎の部屋を訪ねたのだったが、森本からは何の連絡もなく、依然として森本の変な洋杖(ステッキ)が傘入れの中にあるのみだった。

 主人は煙管が詰まったらしく、敬太郎の部屋で煙管の掃除を始めた。

 煙管は煙草を吸うときの器具で、亡父もよく使っていた。これを使うと煙草の匂いが消えるらしいが真偽のほどは判らない。煙草の匂いの原因は紙巻きにあるというが、ほんとかなあ。

 

【昭和の風景】158

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 覆いかぶさる赤鬼に対して武者が必死に応戦している図。絵になると思って描いたが、何がどうなっているのかよく判らない絡みになっている。まあ、絵だからいいか。写真だとこうはいかない。

 これが写真と絵の違い、なのかもしれない。写真は全部写し取るが、絵は描きたいことしか描かない。人の見る目は確かなようでいて実は案外不確かなのだ。

 

【タイムラプス】5/26(金)5:17〜8:31の伊豆長岡の空。24秒。

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