いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

六月も果てあと幾年と腰さする(あ)

六月もきょうで終わり。やれやれ今年も半分生きながらえた。 薬で長生きさせられていることは判っている。だから、死にたくなかったら医者の言うことを訊かなければいけない。癪だから医者の言うことに逆らってみる。と、その人は確実に死期が早まる。今は高…

自らの努力もなしに夜鷹鳴く(あ)

梅が枝の剪定3日目。もう太くなって幹の一部と化しているのもある。もっと早くに剪定すべきだった。手鋸だけでは到底切れないと判断し、電動鋸の出番を待つことにした。 ところが、この電動鋸、今は神奈川・横須賀にある。カミさんの実家だ。長男が同居して…

誰吹くや祭囃子の笛の音(あ)

いつも発注をお願いしている新潟の米農家さんからお米が届いた。 今回から口座が「ゆうちょ銀行」になるとかで、ちょっと戸惑った。訊いたら、以前の取引銀行でいいと言うので、そうすることにした。 スマホに履歴が残っているので、そのほうがこちらも楽。…

家売れて凌霄の花咲き誇る(あ)

買い物でいつも通る坂の角にオレンジの花が咲き誇る。凌霄の花だ。鮮やかなオレンジ色が眩しい。ふと足を止めてパシャ。何かのご褒美に鮨でも買って帰ろうかという気になる。 パソコンをいじっていると、つい片手でも腹が膨れるようなものばかりが増える。片…

サングラスかけ我が妻の行くところ(あ)

津軽には思い出がたくさんある。 そりゃそうだ。自分の生まれ育った場所がそこなのだから無理もない。小学校に入って高校を卒業するまでずっとそこにいた。その間に思い出は形作られた。 伝書鳩を売っている場所も、窓のない薄汚い駅前の市場だった。まさか…

六月の胡麻揚げ醤油味の菓子(あ)

最近、死んだらどうなるかと、そのことばかり考えている。 死ぬのが怖いか。いや、怖くない。正直に言おう。これから行くあの世とはどんな世か。それを知らないのが少しく怖い。 先に逝った人が向こうで手招きしている。手招きするくらいだから住み良いとこ…

後頭部めがけ弾むや夏落葉(あ)

坂の上に事務所を構える人が、通りがかりにわざわざ車のドアを開けて声をかけた。「最近、株が高いよ」。 わたしの何を見てそう言っているのか判らないけど、言われて悪い気はしない。見る人はちゃんと見てくれてるんだということが素直に伝わってきて嬉しい…

梅雨明けやキャラメルコーン星めっけ(あ)

サッカー日本代表の中田英寿選手が「東鳩」の執行役員CBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)に就いたのは2003年。今は、2015年に「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を立ち上げ、その代表として日本酒の魅力を世界に伝える活動をしている。 近くのスーパーでダ…

ぎらぎらと手に負えぬほどの夏(あ)

好きに画を描き、好きに暮らしている。 それは、パソコンが普及し、iPadとPencilが手元にあるからだ。そのことによって世界がぐっと広がった。まさに革命といってもいい。いわば一つの革命によって、こうして好きなことをして暮らすことができるようになった…

水遣りの水沁み渡る夏の雲(あ)

北隣の奥さんからミニトマトの苗をいただいた。それを市販のプランターに植え替えて玄関アプローチの砂利道に置いてある。 回覧を持ってきた奧さんにみてもらったら「土が足りないかも」とおっしゃっていた。見た感じ、ちょっと足りなさそう。わたしもそう思…

廃船を背に水着の少女暖をとる(あ)

ある夏、例によって悪がきと素潜りで貝を獲っていた。 海水で冷えた身体を暖めようと焚き火に近づいたら、陸揚げされた漁船のほうから人の声が聞こえる。標準語である。だから、わたしたちを海水浴に連れ戻しにきた人たちではない。連れ戻しにきたのだったら…

釣り上げた鮎の自慢の出湯かな(あ)

伊豆を終の住処とした一つの要因にふんだんな温泉がある。ところが、その温泉にあまり脚を運ばなくなった。家の内湯で我慢することが多くなった。別に温泉が嫌いになったとかではない。孫二人と一緒に住むようになってから行く機会が自然となくなったという…

北面の武士に候夏燕(あ)

三島・大場の病院で定期検診。結果は良好。血圧を抑える薬をやめてどういう結果が出るか心配だったが、上が130でとまり、下が80にとどまった。薬に頼らなくてもここまで身体をキープできました。 HbA1c値は0.2ポイント下がりました。いい調子。 気になってい…

浴衣着せられて引く紅の顔(あ)

浴衣は湯に入るときに着た「湯帷子」がもとになっいるらしい。夏の普段着として定着するのは時代が明治になってから。それまでの手染めに代わって、大量生産が可能な「注染(ちゅうせん)が普及したことが大きいという(「日本ゆかた協会)」。 いずれにしても、…

朝から鳥芒種芒種とけたたまし(あ)

朝早くから鳥のけたたましい鳴き声で目が覚める。特にうるさく鳴き立てるのは画眉鳥だろうか。寝てられないほどにやかましい。 伊豆に移り住んで十数年経つ。そんな朝にもう慣れてもいいのに、ちっとも慣れない。 朝は鳥の囀りで優しく目覚める、はずだった…

六月の二人の女きそひけり(あ)

きのう、このブログで祖母のことを書いた。 祖母は、浜から拾ってきた腕の取れた「哲人28号」の人形を、後生大事に観音扉の向こうに座らせていた。以前、そんなことをブログに書いた。「鉄人28号かるた」が手元にあった。そのことは覚えているが、それがなぜ…

諍ひしまんまの白い夏の雲(あ)

【書】No.2,164『徒然草』第五十七段本文(刊・正保2年)模写&訳(吾妻利秋) 誰かが短歌のことを話し出して、取り上げた短歌がつまらなかったら、白けてしまう。しっかり短歌を読み解ける人ならば、そんな短歌は「良い歌だ」と勘違いして取り上げたりはしない。…

また一人また一人逝き夏の雨(あ)

一人また一人と自分から去っていく。そして、いつか自分もまた思い出とともにに消え忘れ去られていく。 人間に寿命というものがある限り、それは必ずやって来る。寂しいか。いや、寂しくなんかない。 夏目漱石は49歳で死んだ。松尾芭蕉は51歳で死んだ。私は…

入梅やぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらん(あ)

東海地方が梅雨入りした。雨は憂鬱である。 「晴耕雨読」と昔から言われ、それは第二の人生のバイブルのように言われてきた。 私も「晴耕雨読」にあこがれ、第二の人生はこれしかないと思っていた。 朝目を覚まし、さて、きょうは何をして過ごそうかと考える…

水無月や垣根に白い花がある(あ)

市主催の競技会がある。市の各地から健脚が集まり順位を競う。 校内の記録会で選考されたメンバーが一つ所に集められ「よういどん」で速さを競う。いわばリレー方式のかけっこだ。そのメンバーに選ばれた。誰が、どのコースを走るかは当日にならないと判らな…

六月の雨冷たかり野菜苗(あ)

久々に日本代表のサッカーの試合をテレビ観戦。相手はインドネシア。日本は既にW杯出場を決めている。インドネシアは出場を決めるまでに、まだプレーオフが残っている。その差が出た試合。 スコア的には6−0で日本の圧勝だが、インドネシアの、点を取られても…

運動の小屋のいきなり梅雨に入る(あ)

右手の痺れが治まらない。最初は左手がそうだった。が、それはすぐに治った。左手の痺れが取れたと思ったら今度は右手だ。今度の痺れはなかなかしつこい。左手がそんなに長く痺れなかったら、今回もそんなにかからないだろうと高をくくっていた。ところがど…

葉桜やまだら媼の顔と顔(あ)

こと料理する点に関して言えば男も女も関係ないと思うが、どうして女の作った料理はあんなに旨いんだろう。 カミさんが伊豆へやって来た。庭いじりをしていたら「ごはんだけど」と声がかかった。何のことはない「鍋焼きそば」なのだが、これが旨い。自分が作…

草いきれ遠くの汽笛引き寄せて(あ)

カミさんからメッセージが入った。「いま二宮だけど、いつ着くのやら」。伊豆へ向かっている途中、渋滞にハマってしまったらしい。 来るときはいつも突然。しかし、もうそれにも慣れてしまった。もしかしたらそれは、伴侶が突然逝っても困らないような、終活…

母のうら若き日や袋掛(あ)

私がまだ若い頃(東京へ出ようなどとこれっぽっちも考えていなかった頃)、御多分に洩れず我が家も林檎畑を持っていた。林檎の実が小粒になり袋掛けをしなくちゃいけない時期もあった。 しかし、林檎で生活が潤った記憶がほとんどない。色艶がよくて形のいいも…

足元の薄暗がりのさつきかな(あ)

ベッドに横になっていたら、北隣の奥さんが嬉しそうに、梅は要らないかと声をかけてきた。そういえば、町のスーパーには梅酒作りのセットが特設される時節になった。 毎年この時期、深緑が映え、「てっぺんかけたか」とホトトギスが鳴く。そういえば、「さつ…

朝が来て昼来て夕来てハンモック(あ)

うちにハンモックがある。たぶんベトナム産だと思う。 外の小屋に仕舞っておいたら、蜘蛛が巣を作っていた。以来、虫干しを兼ねてたまに外に出したりしている。 思い出がたくさん詰まったハンモック。新緑の中でそよそよ風に揺れているが、特に孫との思い出…

あの人はまだ病院か日向水(あ)

人は、生まれるときも死ぬときも、病院の世話になる。なんだかんだ偉そうなことを言っても、人生の初めと終わりを病院に頼っている。 いつからそうなったか知らない。気づいたらそうなっていた。 ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄が東京都内の病院で亡くなっ…

みつ豆や賞味遥かの淡き恋(あ)

冷蔵庫を開けたら「みつまめ」が出てきた。この前カミさんが伊豆に来たときに置いていったものだ、たぶん。袋を見ると賞味期限がものの見事に過ぎている。賞味期限間近だから安売りしているのに、それを過ぎてもなお冷蔵庫に仕舞ってあるのだから、カミさん…

妹がやや邪魔になり夏館(あ)

これまで地域の世話になったんだから、これからは地域のために貢献しようと思っていた。 ところが、それがうまくできていない。自分の思っていることとやることがちぐはぐで上手く噛み合っていない。 「オール讀物」の3、4月合併号に辻村深月さんと伊与原新…