いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

水仙花せえので背く崖の上(あ)

 雨があがってから公民館でひと仕事しようと思っていた。が、雨はあがらず。結局、朝から夜までずっと降り続いた。

 それでバイクを諦めて昼過ぎに傘をさして公民館に行った。

 公民館でひと仕事を終えてから、お墓に挟まれた高台に出かける。そこに訪ねていくべき人の宅があった。

 その人はワンちゃんを飼っている。ここのワンちゃんはやたら元気で、私の顔を見るなり吠えまくる。そのワンちゃんからすれば私はいまだに怪しいおじさんに見えるのだろう。

 ともかくそのワンちゃんは、見慣れない人の顔を見ると吠え立てるように仕込んである。番犬としての役目を忠実にこなしている忠犬といえばいいか。

 きょうも吠えまくられる覚悟で出かけたが、きょうは外の犬小屋から家の中にぬくぬく引っ越していた。

 私の声を聞くなりいきなりドアに体当たりをかます。どしんどしんうるさい。それを宥めすかすふうにして主が姿を現した。

 それにしてもここはなんとワンちゃんの多い地域だろう。歩けば必ずといっていいほどワンちゃんとすれ違う。

 私はワンちゃんの種類に疎くて名を知らないが、いかにも精悍でハンター向きのワンちゃんもいれば、毛がもふもふのワンちゃんも、胴長短足で着飾ったワンちゃんもいる。そういうワンちゃんたちがうれしそうに飼い主に連れられて散歩している。

 巷には動物病院なるものがあり、ペット用のお墓まであるというから至れり尽くせりだ。

 ペットと身近に暮らしたことのない私には皆目判らないが、きっと飼い主からすれば可愛くて仕方がないんだろうな。

 この地域にはそういう方がたくさん住んでいらっしゃる。

 

【きょうの一枚】庭のスイセン(水仙)。

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 庭の奥に植わってある遅咲きのスイセンがやっと咲き出した。

 白梅はもう満開を迎えているというのに、スイセンがまだ咲かないので心配していた。

 このスイセンの真上には葉っぱを落とした柿の裸枝が垂れ下がっている。

 だけど、木守柿を啄んでいた小鳥も、スイセンの咲くのを待たずに近寄らなくなってしまった。

 スイセンが毒だらけの危険な花であることを知っているのかもしれない。こんなにきれいに咲くのに。 

 

【書】「營(営)」エイ・いとなむ(No.1,657)

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 連なった建物の意の呂と、音を表す〓(ケイ。營から呂のパーツを取り除いた形。エイは変化した音。めぐる意→縈)とで、垣をめぐらした住居の意を表す。転じて「いとなむ」意に用いる。常用漢字は省略形の俗字による。(『旺文社漢字典第二版』ディジタル版) 

 

【ディジタル画】『坊つちやん』その16(No.1,097)

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 有名な宿直室でのイナゴ事件。

 布団にくるまってゆっくり寝ようと足を延ばしたところ、中からバッタが飛び出した。寄宿している生徒全員を集めて説教する坊つちやん。すると、顔の丸い奴が「そりや、イナゴぞな、もし」と生意気に遣り込めた。

 たかが悪戯なのにそれに真剣に反応するから、生徒にとってはそれがまたたまらなく面白いんだろうね。

 坊つちやんと同じように、私もバッタとイナゴの区別がつかない。区別がつくとしたら、佃煮にして食えるか食えないかの違い。そう、洟垂れガキの頃、祖母によくイナゴの佃煮を作ってもらったことがある。でも、佃煮がなぜバッタではなくイナゴなのかは最後まで判らなかった。

 

【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.377)

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 江戸の変体仮名第40弾。「り」の部。

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 八百屋お七が処刑されたのは鈴ヶ森の刑場だが、幕末騒動の熱血漢で知られる吉田松陰が処刑されたのは南千住にあった小塚原の刑場だった。それで今回は吉田松陰。国の行く末を憂える壮観な面構えには圧倒される。こんな目で睨まれたら震えあがるだろうな。

 

【タイムラプス】令和6年1月20日(土)9:09〜10:56の韮山方面の雨空。28秒。

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