いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

狩野川の草茫々と素手打てり(あ)

 庭の手入れをしなきゃしなきゃと思いながら夏が終わった。

 こうして何もしないまま一年が終わり、一生が終わるのだろうか。

 だとしたら寂しすぎる。

 蚊取り線香の火を消し、涼やかな虫の音に耳を傾けながら万物の流転を思う。

 そうこうしてる間に、いつの間にか季節は夏から秋に移ろっていた。

 

【きょうの一枚】狩野川の土手の草。

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 夕方の買い物をしに外へ出たら、富士山に笠雲がかかっていた。そのうち天気が崩れるだろうと身構えていたら、果たして夜の買い出しが終わった後に雨が降ってきた。

 台風13号が関東に接近していることは、ニュースでやいのやいの言っているから知っていた。が自分の中では、熱帯低気圧が化けた台風だし、大した勢力ではなかろうと高を括って庭の植木鉢を仕舞わなかった。

 でも、戸に釘を打ち付けるところまでしなくても、せめて植木鉢を飛ばされないように家の奥に仕舞っておくことだけはしておいた方がよかったかなと思っている。

 

【書】「誓」セイ(No.1,522)

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「言と、音を表す折(セイは変化した音。とりきめる意→制)とで、とりきめのことば、「ちかい」の意を表す。」(『旺文社漢字典第2版』) 

 

【ディジタル画】『彼岸過迄』須永の話三十二(No.962)

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 母と千代子が鎌倉から帰った翌朝、僕(須永)は普段より1時間半も早く起きて散歩に出た。えっ、普段より1時間半も早い? 普段何時に目を覚ますか知らないが、例えば7時だとして、5時半にはもう起きて散歩に出た勘定になる。そりゃ、いくらなんでも早すぎるでしょ。

 散歩から帰って母と千代子と僕と三人で朝飯を済ましたところへ髪結がやって来た。髪結は昨日のうちに母が頼んでおいた。

 母は丸髷に、千代子は島田に結ってもらった。

 千代子は言う。「貴方何が好き」。

 髪結は言う。「旦那様も島田が好きだと屹度仰いますよ」。

 僕はぎくりとした。

 千代子は、丸で平気の様に見えた。わざと僕の方を振り返つて「ぢや島田に結つて見せたげませうか」と笑つた。

 やっぱり千代子は魔性だ、男の心を弄ぶ魔性の女だ。 

 

【昭和の風景】東海道五十三次「掛川」白黒。(No.242)

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 橋を渡る小僧が、口をあんぐり開けて空を見上げている。何にそんなに驚いているのだろう。風に糸を切られて飛んでいく凧にか、その凧糸を千切るだけの遠州の強風にか。

 

【タイムラプス】令和5年9月7日(木)8:21〜10:09の韮山方面の雨空。26秒。

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