【きょうの一枚】ヤエクチナシ(八重梔子)。
踏切脇のコンビニへ行く坂の途中に咲く。梔子は梔子でも、花びらがたくさんついてるから八重の梔子。
♪今では指輪も回るほど 痩せてやつれたお前の噂♪
渡哲也が歌った「くちなしの花」。これが自然と口から漏れる。作詞は水木かおる。作曲は遠藤実。2003年に発売されてヒットした。
匂いやかな白い花を見ながら、♪今では指輪も……♪と口ずさんで通り過ぎようとしたら、鎌を持った女の人が寄ってきた。
で、「梔子の花が咲いてますね」とその人に声をかけたら、誰あんた? という顔をされた。
ええそうなんですよとかなんとか反応してくれるかと思っていたら、ほとんど無視された、てな按配。
この界隈では梔子を庭木に植えているお宅は珍しい。ありがとうお手入れ大変ですね、くらいの意味で声をかけたのにほぼシカトされては二の句が継げない。まあここは、いろんな人が住んでるからということにしておきましょう。
コンビニで用を済ましてから同じ道を通った。ら、鎌を持ったババアはもういなかった。
野良の格好をした女の人は家並みの奥から出てきたから、もしかしたらこの梔子の家の人ではないかもしれない。梔子は他家の庭に植わってあったのかも。だから私の声掛けにも反応しなかったんだ。そうだ、きっとそうに違いない。復活したカブを走らせながらそう思った。
それにしてもカブは楽だわ。急な坂もスイスイ上ってくれる。鼻歌混じりでも上ってくれる。古稀を超えたら免許を返納しようと考えていたけど、考え直すわ。もうしばらくカブのお世話になろう。
【書】「雉兎」チト(No.1,472)
「きじと、うさぎ。また、それを捕らえる者。」(『旺文社漢字典第2版』)
「雉」は、隹(鳥)と矢(シ。チは変化した音。や)とで、矢のようにまっすぐ飛ぶ鳥、「きじ」の意を表す。
「兎」は、兔が本字。長い耳と短い尾をもっている「うさぎ」の形にかたどる。
古来、「うさぎ」の数え方は、なぜか「1羽」「2羽」と鳥のように数える。鳥でもないのになぜ? それがずっと頭に引っかかっていた。一説によると、鳥の「さぎ」の仲間とされていたから「1羽」「2羽」と数えるようになったのだとか。ほんとかなあ。「さぎ」の仲間だなんて、見間違えるにも程がある。
【ディジタル画】『彼岸過迄』停留所 三十二(No.912)
敬太郎は男女二人に続いて西洋料理店に入った。給仕は敬太郎の持っていたステッキを預かり席に案内する。案内された席は男の顔が見えるところだった。そこで敬太郎は男の顔に大きな黒子を認めた。
田口に探偵を頼まれた男は、まさにその男だった。
となると、その人が電車から降りてくるのを待ってここにいる女は? いったい何者?
【昭和の風景】192
「桂小金治」。
テレビドラマ「ポンポン大将」の船長さん。小金治さん主演のドラマは、日曜の「シャボン玉ホリデー」の前に放映されてました。いかにも江戸っ子という感じの話し方でした。
【タイムラプス】6/29(木)5:09〜9:32の韮山方面の雨空。32秒。