いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

街道の錆釣鐘や夏日影(あ)

【きょうの一枚】「交通安全」の釣鐘と大門橋。

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 そういえば、大門橋はこれまで何度も渡ったが、袂に設置された釣鐘が鳴ったのを聞いたことがない。

 きょう夕刻、ケータイから警戒音が流れた。市防災情報サイトに登録すると、災害時に自動的に鳴る仕掛けになっている。今回は地震の知らせだった。伊豆諸島の神津島沖を震源とする地震が発生したので揺れに警戒せよと知らせてきた。

 私は市の防災情報サイトに登録してあるから、市は災害が起こる度に勝手にケータイに情報を流してくる。火事ならメールで済むが、地震だとそうはいかない。ケータイが警戒音を発する。前触れなしだから、まずこの音にびっくりする。

 大きな揺れが来るから警戒せよと言う。が、何をどう警戒したらいいか判断に困って家の外へ出た。

 揺れで家が倒壊して家具に押し潰されるのを防ごうという気持ちが働いた。ところが、外へ避難した人は誰もいない。

 頭を机の下に持ってくることは災害から身を守る常識のように言われるが、私はそれに懐疑的である。机の下に頭を持っていっても、家が倒壊したらそれどころじゃなくなってしまう。裏山の土砂が崩れて濡れた土が家の中まで入って来たらどうやって脱出するのか。脱出できず生き埋めになる可能性の方が断然高い。いっそ、家の外へ避難したほうがよほど命が助かる。

 私は中学3年の5月に「十勝沖地震」を経験した。

 地震がきたときは、たまたま何かの予防接種の時間に当たっていて、みんな体育館に集まっていた。予防接種は名簿順に行われ、終わった人から教室に戻って自習していた。が、付き添いの先生はいなかった。

 そのとき、大きな揺れがガツンときた。で、私は何をしたか。先生に教えられた通り机の下に頭を隠したか。違う。そんなことはしなかった。天井からバラバラ落ちてくる蛍光灯を避けて、教室隅の太い柱にもたれかかって揺れが鎮まるのを待っていたのである。

 東日本大震災でも、机の下に潜って助かったという話は聞かない。そんなことをしていたら、みすみす津波にさらわれることは目に見えていた。だから、人はみな高台に逃げた。高台に逃げて津波から身を守ったのである。

 結局、ケータイで知らせてきたような揺れは来なかった。ケータイは嘘コの警戒音を鳴らしたことになる。

 でも、ケータイが鳴ったとき、私は真っ先に家の外へ出た。ところが、外へ出たのは私だけだった。よしんば次に大きな揺れが来たとしても、あのとき外に出たのは正しかったと思う。家は倒壊しても、家が土砂に流されても、命だけは助かっただろうから。

 

【書】「違失」イシツ(No.1,434)

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「しくじり。あやまち。過失。」(『旺文社漢字典第2版』)

「違」は、辶と韋(イ。めぐり行く意)とで、ぐるぐるめぐり歩く意を表す。行きたがう意から、ひいて「たがう」「ちがう」意に用いる。

「失」は、手と音を表す乙(イツ。ぬけ出る意→逸)とで、手から物をとり落とす、「うしなう」意を表す。

 

【ディジタル画】『彼岸過迄』風呂の後 六(No.874)

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 森本は、同じ下宿の敬太郎の部屋に上がり込んで、その室から見える景色をほめる。

 その室からは樹の間から赤い煉瓦の建物が見えた。帝国大学(東大)である。

 そういえば『三四郎』を読んだ時も、この赤い煉瓦の東大を描いたような気がする。

 

【昭和の風景】155

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 赤鬼。

 画は龍から鬼に転じた。描く題材は違っても描き方は変わらない。

 

【タイムラプス】5/22(月)6:02〜7:25の伊豆長岡の空。20秒。

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