秋澄むやこりこりもちもちカレーパン（あ）

【今日の一枚】「小麦の奴隷」のカレーパンとラスク。

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　乗タクを利用して坂の下まで出かけた。
　出かけたが、何をすることもない。
　きのう(10/27)の静岡新聞コラム『大自在』に「シニアマック」のことが載っていたのを思い出し、新装開店したばかりのマクドナルドでコーヒーでも飲もうかと思ったが、どうもその気になれず、隣の本屋でぶらぶら時間を潰した。
　発売日に平積みされていた『オール讀物』がなかったので、あれ？　と思って探したら、書架に一冊だけ残っていた。発売日の10/22はあれだけ積まれてあったのに、今は書架に1冊だけひっそり収まっている。
　それだけ買って行く人が多かったのだろうか。いや違うな。平積みしても売れないから1冊だけ残して後は奥に仕舞われたか返品されたといったところじゃないかな。
　『オール讀物』が平積みされていた場所には新たに「文藝春秋」今号が2列に積まれていた。そちらの方が需要があるのだろう。同じ文藝春秋社の雑誌なのに取り扱い方に雲泥の差がある。
　本屋を出て、カメさんデーによく利用するスーパーへ回る。でも、きょうはカメさんデーじゃないから何も買わない。孫がいた頃はスーパーに入れば必ず何かしら買って出たものだが、一人暮らしだと買うものは何もない。
　スーパーを出て、新しいカレーパン屋へ入る。店の名は「小麦の奴隷」。洒落た名をつけるじゃないか。紙袋のデザインも素敵だ。「店内は2名様まで」とドアに貼り紙があったので、店内に既に2名いることを確認して、先客が出てくるのを待った。
　そのうち、若いパパ風の男性が店の紙袋をいかにも勝ち誇ったように見せびらかして出てきた。昔の伊勢丹袋みたい。店の外のベンチではママと2人の子どもが座って待っていた。なんだか獲物を探しに出かけたパパ鳥が巣へ戻ってきてママと子たちにゲットした餌を与えるような光景を想像してしまった。
　その男の人と交代で店に入り、真っ先にカレーパンを買った。1個290円。カレーパン1個だけじゃ店に申し訳ない気がしてケースのラスクを買い足した。こっちは1袋300円。
　孫が遊びに来たらまた入るかもしれないけど、1人だとたぶんもう入らないな。
　そんなこんなで時間を潰しても、帰りの最終乗タク出発時間までまだだいぶある。それで、もう一度本屋に入った。何を買う当てもなく店内をふらふら見歩く。時折本を取ってペラペラめくってみる。それだけでも何となく楽しい。街の本屋の魅力はそこだよな。手に取ってペラペラめくれるからいいんだよ。街から本屋を無くしちゃいけないよ。
　と、店内をぐるり回ってあることに気づいた。それは、小説家と呼ばれる職業の人がめちゃくちゃ多いということ。よく考えれば当たり前のことだけど、そんなこと、今まで考えたこともなかった。こんなに綺羅星のように本がたくさんあるんだもの、自分の書いたものが売れるなんて天地がひっくり返ってもあるわけがない。そう思った方がいい。プロになって金を稼ごうなんて烏滸がましい。趣味でいいんだよ、趣味で。懸賞金狙い程度にしとけ。

【書】「宵晨」しょうしん（No.1,228）

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　「夜と朝。日暮れと明け方。」（『旺文社漢字典』第2版）
　「宵」は、宀(家)と、音を表す肖(しょう。光が弱くなる意→消)とで、家の中が暗くなる夕方の意を表す。
　「晨」は、晶(星)の省略形日と、音を表す辰(しん)とで、星の名(この星は立春の目標となった)。ひいて「とき」の意を表す。

【ディジタル画】『それから』三の五（No.668）

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　「御父さんから御講義を聞かされちまつた」代助のところへ嫂がやってくる。
　長椅子(ソーフア)へ腰を卸した嫂は、「まあ、御掛けなさい。少し話し相手になつて上げるから」と言う。代助は嫂の襟元に目をやり、「今日は妙な半襟を掛けてますね」と言う。
　半襟？　何それ。ここでまた新たな調べ物である。「半襟」とはなんぞや。
　「半襟」でネットに当たったら、出るわ出るわ、ぞろぞろ出てきた。「半襟」とは、「襦袢の襟の上に掛ける布」のことをいう。和装の女性の胸元のおしゃれなんだそうで、世の男どもは私も含めてそんなことをちっとも知らない。