いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

小松菜や白雲高き里の空(あ)

 『オール讀物』今号には「第102回オール讀物新人賞」を受賞した作品が載っている。受賞作は『盟信が大切(かみかけてしんがたいせつ)』。受賞者は現役東大生の19歳。「盟」を「かみかけて」なんて、普通読めません。
 例によって御三方の選評が載っているけど、新人賞に推す作品は選考委員によってまちまち。最後はやっぱり好みの差なんだろうな。ということは、賞を狙うんだったら、選考委員がどういう方々で、どういう作品をお好みなのか、作戦としてあらかじめ知っておくことが大事、ということですね。自分の思い描いた通りを好き勝手に書けばいいというわけにはいかない。
 今回選に漏れた方も、おそらくそういう努力はしたんだと思う。選考委員の中には「去年も最終選考に残った方で……」と言う方もいらっしゃっているくらいだから、ほんと、受賞落選は紙一重なんだと思う。書き手の将来を左右するほどの決定は選考者にとっても相当のプレッシャーでしょうね。ご苦労様です。心中お察し申し上げます。
 受賞のコツとして、コピーライターの阿部広太郎さんが『公募ガイド』で「選ぶ人に見つかりにいく努力をします」とおっしゃっていた。なるほど、自分を売り込む努力をするわけですね。そうしないとお小遣い稼ぎにつながらない。
 私は小遣いを稼ぎたい。体力の衰えを隠せない年になっても、稼がなくては生活ができない。ところが、体力の衰えを感じる人の稼ぎ口はそんなには用意されていない。
 大変な病気を抱えているのねお大事にねなんて同情しているふうに言われても、腹の裏では「早くくたばりやがれ」と雑言の数々を並べているに違いない。「お大事にね」という言葉の裏には、ここでぶっ倒れられたら仕事に穴があくといった雇側の心情が垣間見える。
 そのご長寿にあやかりたいわと言われながらこき使われ、果ては草臥れた雑巾のように捨てられるだけだ。これまで培ってきた経験値は屁のカッパでなんの役にも立たない。
 孫に小遣いをあげようにも稼ぎがないからあげられない。屋根を修繕したくても蓄えがないから修繕もできない。
 まったく長生きしたって、いいことなんかひとつもない。


【今日の一枚】小松菜。

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 月ヶ瀬の水汲み場から3苗いただいてきた。そのうちの1苗。順調に育っています。
 小松菜を育てるのは初めてだけど、大根より手間がかからなさそう。


【書】「書肆」しょし(No.1,224)

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 「書店。肆は、店の意。」(『旺文社漢字典』第2版)
 「書」は、聿(筆)と、音を表す者(しゃ。「しょ」は変化した音。つける意→著)とで、筆でかきつける、「かく」意を表す。転じて「ふみ」の意に用いる。
 「肆」は、镸(髪)と、音を表す隶(たい・い。聿は変化した形。「し」は変化した音。ならぶ意→次)とで、髪の毛がきれいにつらなる意。借りて「ほしいまま」の意に用いる。


【ディジタル画】『それから』 三の一(No.664)

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 「三の一」では、代助の大まかな家族構成が明らかにされる。兄・誠太郎に子ども(兄妹)がいて、兄の誠太郎が近頃ベースボールに熱中していて、「相撲の常設館(全集注解には、両国・回向院境内にある旧国技館とある)が出来たら、一番先へ這入つて見たいと云つてゐる」。
 それで今回は、当時黄金時代を築いたという横綱・常陸山を描いてみた。


【タイムラプス】10月24日(月)5:57〜8:12の伊豆長岡の空。33秒。

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【新型コロナ】10/24(月)23:55現在(Yahoo!より)
<国内>
新規感染者数→16,498(前週同曜日比 +1,599)
累計感染者数→22,034,401
死亡者数→46,363(前日比 +43)
<静岡県>
新規感染者数→1,282(前週同曜日比 −1,054)