「わだばゴッホになる」と言って青森から上京した棟方志功。そしてその言葉通り、志功は「世界のムナカタ」になった。私ならさしずめ「わだば広重になる」といったところか。こっちは相変わらず鳴かず飛ばずだけれど。
浮世絵にハマっている。しかもディジタル。
浮世絵をディジタルで表現したらどんなふうになるだろう。寝ても覚めてもそればかり考えている。
浮世絵が流行したのは江戸時代で、庶民はこぞって浮世絵に群がった。
浮世絵に群がったのは、春画によって男女の房事が秘め事ではなくなったことが大きい。葛飾北斎、渓斎英泉、歌川国芳、歌川国貞、勝川春章、柳川重信、歌川広重、喜多川歌麿、鳥居清長、菱川師宣……。これら錚々たる絵師たちは悉く春画に手を染めている。なかでも渓斎英泉が馬琴の「南総里見八犬伝』の挿絵も描いていたことはつとに有名。
が、この春画も明治期以降は単なる毒々しいエロとして扱われるようになる。
こうして見ると、浮世絵=春画の発達した江戸という時代は、特異な文化が育った時代だったのかもしれない。
【きょうの一枚】浮世絵師のランキングを特集した『別冊太陽』。
前回は第9位までの浮世絵師ランキングを紹介したが、今回は10位以下。
●第10位 岩佐又兵衛( 1,000)
●第11位 歌川豊国、勝川春章( 720)
●第12位 鳥居清長、渓斎英泉( 480)
●第13位 鍬形蕙斎( 210)
●第14位 奥村政信、鳥文斎栄之( 170)
●第15位 井上安治( 140)
●第16位 宮川長春、落合芳幾( 110)
●第17位 歌川国政、歌川豊春、北尾重政、横山華山、菊川英山( 90)
●第18位 歌川芳虎、勝川春英( 70)
●第19位 歌川豊広、祇園井特、長谷川貞信、歌川貞秀( 50)
おやおや、横山華山が第17位ですか。厳しいなあ。
こうしてみると、葛飾北斎がいかに人気があったかがよく判ります。なんてったって泣く子も黙るランキング第1位ですからね。
だいたい、波の下に富士山を描こうという発想はしませんよ、普通の人なら。きっと、北斎は普通の人じゃなかったんだね。
以下、省略。
【書】「闊」カツ・ひろい(No.1,661)
門と、音を表す活(カツ)とから成る。(『旺文社漢字典第二版』ディジタル版)
【ディジタル画】『坊つちやん』その20(No.1,101)
赤シャツ、野だいこ、坊つちやんの三人が船で釣りを楽しんだ。そうしたら、ひょんなことからゴーリキーの名まで出てきた。ベラに似た魚でゴルキ(松山地方ではギゾーと呼ばれる)という雑魚ばかり釣れるところから赤シャツが「ゴルキと云ふと露西亜の文学者見た様な名だね」と洒落た。
無論、数学教師の坊つちやんはゴーリキーを知らない。フランクリンなら知っている。教科書にその名があるからだ。
そこで今回は、坊つちやんの顔を立ててフランクリン。
【昭和の風景】『東海道中膝栗毛』(No.381)
江戸の変体仮名第44弾。「わ」の部。
神田川の、お茶の水付近。そうか、お茶の水は結構な渓谷だったんだね。奥の赤い建物が建ち並んでいるあたりが水道橋だろうか。ともかく、ここに線路を走らせるのは大変だったろうな。
【タイムラプス】令和6年1月24日(水)7:05〜10:13の伊豆長岡の空。23秒。
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流れる雲が刻々と姿を変えていくのを見るのは楽しい。
夕方の買い出しの帰りにふと見上げた空。そこにいろんな形の雲があって、寒さを忘れてしばし見惚れていた。あれは、春が訪れる標の雲かなあ。