#いずぃなり2025_12
「寄せ鍋」を手元の『歳時記』で見たら、「……。決まった具材は特になく自由に楽しむ鍋物」とあった。「自由に楽しむ」のがいい。私も韓国ラーメンを嗜むが、スープをいろんな鍋の残り汁から選べるところが気に入っている。中でも寄せ鍋。寄せ鍋は、雑多な具材がごちゃ混ぜになっていて、それゆえに、残った汁が絡み合ってまた旨い。この味、と決まらない自由さがある。
「けの汁」はどうだろう。
これは前にも作ったことがあるが、具沢山になるように、今回はたくさんの冷凍食品を使った。
ただ一つ入れ忘れたものがある。それは「高野豆腐」だ。津軽では「凍豆腐」という。なければないで何とかなると思っていたが、やはり、ないと「けの汁」にならない。そう思って入れることにした。「けの汁」には、どうしたって「凍豆腐」がなければならない。
【書】『徒然草』第二百九段
(刊・正保2)模写

訳(吾妻利秋)
他人の田んぼの所有権を求めて訴えていた人が、裁判に負けた。悔しさ余って、「その田を収穫前に全部刈り取れ」と、召使いに命令した。召使いは、手当たり次第、通り道にある田を刈りながら進むので、「ここは、訴訟で負けた田では無いのに、どうして、こんなに無茶をするのだ」と、問われた。田を刈る召使いは、「起訴して負けた田であっても、刈り取って良いという理由はありませんが、どうせ悪事を働きに来たのだから、手当たり次第、刈り取るのです」と言った。その屁理屈も一理ある。
【昭和の風景】「津軽弁」

「けのしる めな。」(「けの汁」は 旨いな。)の意。
「けの汁」って何だ? 小正月に食う津軽の伝統的鍋料理のことをいう。「粥の汁」が訛って「けの汁」になったらしい。
「け」はひらがなで書くから、なんだろうと思っていた。我が家ではこれを年末に大鍋で作る。伝統の津軽地方の正月料理だ。
見様見真似で作ってみたが、さて、お味のほうはいかが?
【画像】令和7年12月15日(月) 「けの汁」を作る。
