秋の雨静かに家に籠もりけり（あ）

　外に出ると、いつ雨に降られるか判らない。きょうはそういう空模様だった。だから、一日中家に籠もることにした。で、今月末締め切りの伊豆文学賞に応募する作品に取り掛かろうとした。
　その前に、書こうとしているテーマが過去にも書かれているのではないかと気になって、これまでの受賞作を見てみた。そうしたら、やはりかぶっていた。
　ただ、応募締切が今月末なので、今更テーマを変えるわけにはいかない。応募するなら切り口を変えて書くしかない。それでダメなら今回は見送りだ。
　そう思って、かぶったテーマを扱っている作品をパソコンに打ち込んでみることにした。
　その作品は最優秀賞ではなく佳作だった。
　二十数年前のことだからパソコンではなく直接手書きした可能性が高い。でも、私の場合、手書きでなくパソコンに打ち込んだ方が早いから、そうすることにした。筆運びや息遣いを感じるんだったら直接手で書き写した方がいいんだろうけど、そうする時間がなかった。
　で、使ったのが「縦式」という縦書き原稿用紙に特化したアプリ。字数も同期で表示される。きょうは3130字打った。毎日書くブログの倍の字数だ。そうか、まだそれくらいしか打っていなかったか。明日はその倍くらい打ちたい。
　打っていると、自分だったら別の表現にするのになと思われるところが随所に出てくる。同じことを言っているようでも好みの表現というものがあるのでしょう。それが個性と呼ばれるものになるのかもしれない。
　もしかしたら、テーマはかぶっていたとしても切り口が違うと全く別の作品になるかもしれない。そう思えてきた。やるだけやってみるか。宝くじだって買わなきゃ当たらないからな。
　志茂田景樹さんは応募原稿を届けるのに、出版社へ向かうタクシーで加筆訂正してそれが受賞作となったとどこかで書いておられた。それですよ、それ。その手で行きましょう。最後の最後まで諦めないことが肝要ですね。

【今日の一枚】車庫の奥を整頓。

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　台風14号は日本海沿岸を舐めるように北上したが、この台風は勢力が非常に強く、遠く伊豆地方まで雨をもたらした。きょうは朝から幾度窓の開け閉めをしたかしれない。
　でも、風の影響はほとんどなかったから、雨戸に釘を打ち付けて固定したり、庭の小物を家の中に取り込むことをしなくて済んだだけマシか。
　ただ、時折強く降る雨が雨樋の働きを無視して、流しの外に積んである家具扉や端材をびしょびしょに濡らしていたので、雨が小止みになったタイミングでそれらを車庫に移した。同時に車庫の奥を整頓してシートをかぶせた。
　整頓はまだ途中だけど、きょうはこれくらいにしとくべ。続きはまた後日。

【書】「益友」えきゆう（No.1,190）

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　「→益者三友(有益な三種類の友だち。正直な人、誠のある人、知識のある人)。↔︎損友」（『旺文社漢字典』第2版）
　「益」は、皿と、それからあふれ出る水のさまとで、あふれる意、ひいて「ます」意を表す。
　「友」は、又(ゆう。手。)を二つ合わせて、手を取り合って助ける意、ひいて「とも」の意を表す。

【ディジタル画】『坑夫』 72（No.630）

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　初さんが、「おい。まだ下りられるか」と聞く。
　「自分」としては、もう下りられないという気持ちがある。「然し中途で降参したら、落第するに極つてる」という腹もある。
　そこで「落第は、名誉より、品性より、何より大事件である。自分は窒息しても下りなければならない」と覚悟を決める。
　よほど「落第」というレッテルを貼られるのが嫌らしい。
　「自分」は「下りませう」と初さんに告げ、その姿を見失わないように後を追って穴に潜る。