丸齧りするがよろしき林檎かな（あ）

　午後5時を回ると、孫どもが学校から帰ってくる。帰る順番は決まってお兄ちゃんが先で、ややあって孫娘が続く。朝はその逆。孫娘が先に出て、7分後にお兄ちゃんが出ていく。
　お兄ちゃんは、先週、頭痛と腹痛で4日間学校を休んだ。最初は、発熱で家に戻されたが、熱が出たのは翌日までで、その後熱はひとまず引いた。のだったが、頭痛と腹痛を訴えたので無理して登校はさせなかった。地元の小児科医院の見立ては普通の風邪ということだったが、私は、精神的に不安定になっているところからくる体調不良ではないかと疑っている。
　かたや孫娘の方はいたって元気。新しい友達もすぐにできた。この前の日曜なんぞは、その友達と一緒に買い物をする約束をしたとかで、るんるん気分で支度をしていた。それとなく資金を私から引き出す術も心得ていて、なかなかに生活力があるのである。こうして見ていると、新環境に馴染むのは往々にして女の子の方が早いようですね。

【きょうの一枚】西日に照り映えるリンゴとキウイ。

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　先日、カミさんが伊豆に来たときに、孫に食わせたいと買ってきた。器のザルは、夏場にソーメンを孫に食わせたときに使ったもの。果物を入れるのにいい入れ物はないかしらと物色しているカミさんに見つかった。それってソーメンを入れるカゴだけど、と言うとカミさんから倍返しを食らうので言わない。
　孫娘が学校から帰ってくるなり「お腹空いた〜」とほざくから、カゴからキウイをつかみ、皮を剥いて食わせた。ら、「まだ早い」と言う。何が早い？　と訊いたら、「食べるのにまだ早い。酸っぱい。舌がヒリヒリする」だって。ええ〜っ、全然気づかなかった。
　だったら、リンゴにしな。リンゴなら皮を剥かなくても丸齧りでいける。じぃじのちっちゃいときはこうしてリンゴを丸齧りしたもんだ、ガブっ。

【書】「犬羊」けんよう（No.842）

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　「①犬と羊。②つまらないもの、才能のないもののたとえ。」（『旺文社漢字典』第2版）
　「犬」は、犬の形。「いぬ」をいう。犬は犠牲としては特に貴いものとされ、天にいる上帝を祀ることを類といい、穀物を供え、いけにえの犬を焼いてその臭いを天に昇らせて祀っている。
　「羊」は、前から見た羊の形。羊を正面からみて、その角と上半身を写した形である。羊の角から後ろ足までの全体を上から見て写した形は美である。