いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

食パンの耳強張らせ寒の入り(あ)

 今日は風が強かった。

 出掛けのテレビに秋田県横手市の吹雪の様子が映し出され、雪国は大荒れの天気になると予報が出ていた。その予報通り、今日は北海道や東北で爆弾低気圧が大暴れしたらしい。秋田県内では大規模な停電が発生しているという(1/7 23:00現在)。

 私は高校時代、鄙びた漁村から青森市の高校に通っていた。通学手段はもっぱらバスで、バスは青森駅と、市の東外れにある温泉町の間を往復運転していた。バスは陸奥湾に沿って国道4号線を走り、家並みの途切れた風の通り道には、冬は海から吹く風を遮るための暴風柵が設けられた。

 青森の人は「吹雪く」ことを「吹ぐ」と言う。雪が降ると言えばロマンチックに聞こえるが、青森の雪はそんな生やさしいものではない。横から吹き付けるのである。まさに「吹ぐ」という表現がぴたりと当てはまる。

 各家庭には和箒が玄関に用意され、外出から帰った時は、まず玄関前の風除けで衣服に付着した雪を和箒で払い落とさなければならない。そうしないと暖房で溶けた雪がポタポタと床に垂れるのである。

 話はバスに戻る。

 ある日の下校時、猛吹雪になりバスの到着が遅れた。

 冬のバスはまず時間通りに来たためしがない。どころか、来るはずのバスがとうとう来なかったりすることもある。その日がそうだった。

 待てど暮らせど乗る予定のバスが到着しない。そういうときはどうするか。バス停で吹雪に晒されながら、ひたすらバスを待つのである。この寒さは半端ない。

 1時間待つ。来ない。2時間待つ。来ない。手足の先が痺れるように痛い。そしてとうとう我慢の限界を超える。バス停にいた誰が言うともなく、バスの到着を見限って歩き出すのである。

 雪中行軍よろしく皆一列になって車道の轍を歩き出す。その間、何もしゃべらず下を向きながら黙々と歩く。顔を上げれば吹雪が容赦無く横面を叩くからである。それで雪国の人には口数の少ない人が多い。かどうかは知らない。

 雪国で荒れ狂う爆弾低気圧の報を受けて、バスの来ない雪道を歩いて帰った日のことを思い出していた。あの頃の辛さを思うにつけ、今住んでいるところが雪のめったに降らない伊豆で良かったとつくづく思う。

 

【今日の一枚】パンジーの苗。

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 職場からいただいてきた。のはいいが、さてどこに植えようか。

 

【書】「首尾」しゅび(No.561)

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 「①始めと終わり。始めから終わりまで。終始。②物事の成り行きや結果。③物事がうまくまとまるように処理すること。」(『大辞泉』)

 「首」は、頭の髪の毛と目とをしるした、首の形。目は顔面を表現し、その上に頭髪をつけている。首を逆さまに懸けている形は県(かける)である。→白川静『常用字解』

 「尾」は、尾をまっすぐ伸ばしている獣の形。→同

 

【タイムラプス】1月7日(木)6:06〜7:10の伊豆長岡の空。31秒。

https://www.facebook.com/100001436582002/posts/3690835754307608/?d=n

 

【新型コロナ】1/7(木)10:00現在(Yahoo!より)

現在感染者数→46,254(前日比+2,769)

新規感染者数→6,003(前日比 +1,088)

死亡者数→3,820(前日比+65)