いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

大晦日ただがむしゃらに暮れてゆく(あ)

ポカポカ陽気となった大晦日。

洗濯を終えた後、庭でパターゴルフを楽しむ。最初はスポーツ店でパターとボールを買うつもりでいたが、ゴルフボールは百均のスマートボールで代用し、ゴルフクラブは修繕で出た廃材を利用して自作した。単に買いに行く時間がなかっただけだが、結果的にそのほうが手作り感があるしボールも下手に飛ばないからよかった。

カップインの穴は孫娘が掘った。ちょうど防災備蓄用パンの空き缶があったので、そいつをその穴に埋めた。ボールが穴に入ったらカランコロンと軽快な音が出るように空き缶にしたのだが、ボールがスマートボールではそれは無理。まあ、音なんかなくたっていいさ。

ゴルフクラブの握りは鉈(なた)で削って角を丸めた。削りながら、洟垂れ小僧の頃に同じようにして作ったバットのことを思い出していた。そのバットを持って浜へ行き、浜の石ころを拾って、沖へ向かってノックよろしく、一番センター柴田、二番セカンド土井、三番サード長嶋、四番ファースト王、と自分でアナウンスしながら石をバットで打ったものだ。ご丁寧に王のときには左打ちに、柴田のときは右打ちだったり左打ちだったりした。そのせいかどうか知らないが、自然に左打ちを覚え、高校の体育でソフトボールをやるときは、さも得意がって左でばかり打ったりした。

ひとしきりパターゴルフを楽しんだ後は昼食となる。今日の昼食は買い置きの冷凍スパゲティ。冷凍食品は日持ちするから、10%offの「かめさんデー」でまとめ買いすることにしている。「かめさん」のサービスは65歳以上が対象で、毎月6、16、26日の「かめさんデー」のスーパーは高齢の方でだいぶ混雑する。そして冷凍食品はケースの白い底が見えるくらいばかすか売れていく。考えることは皆同じだ。

午後は、茫茫に伸び放題だった梅の枝の剪定。長いのは2mにもなる。そういう枝には蕾はつかないが、もっと細い小さな枝には小豆大の蕾がびっしりついて咲く時を待っている。そういう枝を剪るのは、お前咲いちゃダメと花の前途を断っているようで、なんとなく気が引ける。蕾を見る前に剪っておくべきだった。のだが、今年はその時間を作ることができなかった。土曜も部活で出とあれば、貴重な休みの日曜は体を休ませたいという気持ちが優るのは致し方がない。

その剪定の機会が、年も押し詰まったぎりぎりの大晦日になって巡ってきた。梅の木の下では孫娘が、ままごと用に捨てずにおいたフライパンに土を入れ、それにトラベル用シャンプーを垂らして混ぜ、「美味しそうでしょう」なんて私に見せる。アホか、旨そうなわけねえだろ。

お兄ちゃんはといえば、私が剪り落とした枝を振り回して甘夏に襲いかかっていたが、それでは埒が明かないと見たか物置から鎌を取り出してきた。ああ、これで貴重な甘夏4個が犠牲になった。

それでも、私が剪定を終えて木から降りるときには、「じぃじ、大丈夫?」と声をかけるから憎めない。お年寄りが一人で木登りをして落っこち、発見が遅れて大事に至る話はよく聞くところで、こんな孫でも、いたらもしもの時に近所の人を呼んできてくれるくらいのことはするだろうと思ったりもするのである。

 

【今日の一枚】孫娘お気に入りのぬいぐるみ。

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小田原から伊豆へ向かうとき、どうしても持っていくと言って聞かなかったぬいぐるみのうち、いちばん大きいやつ。あと中くらいのやつと小さいのが三つ。車じゃないよ、電車で行くんだよと言っても、「これ、書き初めの道具だもん」と言って、何が何でも持っていく勢いに気圧されて、こいつらの伊豆行きを許した。実際、これらを突っ込んだ大きな袋の中には書き初め用のお手本・半切・筆も入っていたから、あながち嘘を言い張ったわけでもない。

 

【書】「妹」マイ・いもうと(No.344)

▼甲骨文

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▼金文

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形声。音符は未(び)。[説文]十二下に「女弟なり」とあり、「いもうと」をいう。姉には「女兄なり」という。昧(くらい)と通じ、金文には夜明けのことを妹辰(まいしん)という。<『常用字解』より>

 

【タイムラプス】12月31日(火)6:04〜7:58の伊豆長岡の空。28秒。

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