いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

紫陽花のぐらりと揺れて青み帯ぶ(あ)

昨日(5/31)の「天声人語」(朝日新聞デジタル)に「浅虫」の字が載っていた。まさか、あの「天声人語」にですよ。

タイトルには「おいしい水族館」とあり、青森県の県営浅虫水族館の取り組みが紹介されていた。

新たに設けられた展示コーナーのパネルには、「おいしそうに見えるのは魚が健康な証拠。飼育員には褒め言葉です」「おいしい生き物なら食用になり、ずっと食べていきたいから守りたくなりますよね」との説明がある由。発案者は飼育展示部の方で、ゆくゆくは「日本一おいしい水族館」を目指していきたいと言っているそうだ。

料亭などの水槽で泳ぐ魚は活魚として食べることを前提にしているが、水族館で泳ぐ魚はそうならない。だいたい水族館の魚を食べるものとして見るという発想がない。イワシの大群が大水槽を泳いでいてもクエが悠々と行き来しても、それらに食欲をそそられることはない。しかし、浅虫水族館では調理済みの写真も添えてあるという。

どれだけ本気かは判らないが、うわあ、この魚おいしそうという目で水槽の魚を見る人がそう簡単に増えるとも思えない。メバルの水槽に、たとえ「今が旬」「煮ても焼いても刺身でも」と調理済みの写真を添えたとしても、それじゃ今晩はメバルで一杯呑もうじゃないかとはなるまい。少なくとも私はならない。

この浅虫水族館は、私の母校である。いや、母校の中学校があった場所である。ここに県営水族館を建てるにあたり、中学校が隣村の山側に移された。そして、その中学校も2015(平成27)年に廃校になって今はない。ただ、国道4号線から県営水族館に渡る青い森鉄道(旧東北本線)の踏切に、私が通っていたときと同じ「浅虫中学校踏切」という名が残されたと聞く。

県営水族館ができる前も実は水族館はあった。校舎の正面の海に「湯の島」というお椀をひっくり返したような形の島が浮かび、その風景を美術の時間によく写生したものだが、その島の右隣にもう一つ「裸島」という、草木の生えない岩だらけで位牌の形をした島がある。その島へは引き潮のときに岸から渡れた。その岸辺の行き止まりの突端に旧水族館があった。

正式には「東北大学臨界実験所」というが、地元の人はそれを浅虫水族館と呼んでいた。当時は青森市でも数少ない観光地として土産屋も何軒か連ね、小学校の遠足の目的地にもなっていた。

そこの水槽には近海で採れた魚介類が展示され、したがって、そのほとんどは身近で目にするものばかりだった。魚屋でもしょっちゅう見かけた。

今回の「おいしい水族館」の発想は、もともとは大学の臨海実験所だったいうことを考えれば、さほど突拍子もないアイデアでもないのかもしれない。でも、発想にケチをつけるつもりはないが、やはり、そのために客が増えるとはどうしても思えないのです。

 

【今日の一枚】庭のアジサイ(紫陽花)。

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花の色が浅みどりから水色に変化してきています。これから梅雨に入ると鮮やかなブルーに変わります。鬱陶しい梅雨も紫陽花を見ると、なんとなく心が華やぎます。

 

【書】「向」コウ・キョウ・むく・むける・むかう・むこう・まど(No.142)

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〓1(けい=窓の形)と口とを組み合わせた形。口は〓2(さい)で、神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の形。中国北部の黄土(こうど)地帯では半地下式の住居が多く、部屋の窓は一つであり、そこから入る窓明かりを神の訪れとみたてて、窓のところに〓2を供えて神を祀(まつ)ったのである。向はもと神を迎え、神を祀る窓であった。のち嚮(きょう)と通じて「むかう」の意味に、また〓3(きょう)と通用して「さきに」の意味に用いる。<『常用字解』より>

〓1(けい)の手書き画像↓

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〓2(さい)の手書き画像↓

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〓3(きょう)の『超漢字』の画像↓

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「笑う門には福来たる」のイメージで書いた。ハッピースマイルの感じが出てますかね。

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】6月1日(土)6:46〜9:12の伊豆長岡の空。36秒。

https://www.facebook.com/100001436582002/videos/2326812680709929?s=100001436582002&sfns=mo