いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

風雪に耐えて暖簾の日の盛り

先週借りた津軽三味線のCDを返しに藤沢の大庭図書館へ行く。CDを元の棚に戻し、同じ棚から新たに別のCDを5点借りてくる。5点ともすべて高橋竹山。先週は山田千里のCDもあったような気がして、今回ぜひ借りるつもりでいたら、なかった。へえ、今どき津軽三味線を聴く人がいるんだと、妙なところで感心する。

高橋竹山津軽三味線奏者として初めて出したレコードは昭和38年の「源流・高橋竹山の世界〜津軽三味線」。今回借りてきた中にこのCD版が入っている。10年後の昭和48年から小劇場の渋谷ジャン・ジャンで定期的にライブを行い津軽三味線ブームのさきかけとなった(Wikipedia)。

渋谷ジャン・ジャンには同郷の友人と何度か行ったことがあるが、その何度かの中に高橋竹山のライブがあったかどうかは記憶にない。たぶんなかったんじゃないかな。壁のポスターか何か見て、高橋竹山もこんな場所でライブをやるんだと関心を寄せたくらいだったかもしれない。その頃は津軽三味線にはまるで興味がなく、どちらかといえば吉田拓郎とか高田渡とかのフォークを好んでいた。若かったんだなあと思う。

それが年を重ねるごとに津軽三味線の響きが無性に懐かしく感じられるようになってきた。読書のBGMに流しても意識が曲に持っていかれて、目がただ活字を追っているだけという状況が、まま生じるようになってきた。だから今は本を読むときは津軽三味線を聴かないことにしている。独り晩酌をしながら聴くことにしている。

11,304歩。

写真は、藤沢の旧東海道沿いにある中華そば屋。この年季の入った暖簾が、いかにも幾星霜の風雪に耐えて頑張っているぞという雰囲気を漂わす。頑固一徹に文字通り暖簾を守っている。

平塚から藤沢に移り住んだ最初の年にここでラーメン、いや中華そばを食べた。入ったのはそのときだけで、あれから一度も行っていない。かれこれ23年になりますか。まずいというわけではない。どちらかといえば昔ながらの味というか普通の味。ただ店の場所が中途半端で、小田急藤沢本町駅からの帰り道だと、割と交通量の多い道を渡らなければいけない不運によって常連客になれなかったというだけの話。

実はこの店の本当の入り口は左に回った側にある。車の走っている側だ。色褪せていない深紅の暖簾もしっかりかかってある。つまり、写真に写っている暖簾はダミーだったわけです。でも、入ったときはこっちのガラス戸から入ったような気がするんだよなあ。(あ)

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