いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

雨あがり緑の丘の蝉時雨(あ)

【きょうの一枚】病室窓から見た緑の丘。

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 最寄駅周辺の甍の向こうに、こんもりした緑の丘が連なる。この緑に囲まれた一画に我が家がひっそりとたたずむ。

 周りは緑だらけ。というと聞こえはいいが、要するにジャングルの中の一軒家。ジャングルと言い直せばあまり聞こえはよくない。

 藪蚊はわが物顔でちくちく刺すし、トカゲは家の隙間から顔をのぞかせるし、でか蜘蛛は家壁にはいつくばるし、蝉の声がやたらかまびすしい。

 高台だから狩野川台風のような大洪水に見舞われる心配はないが、土砂崩れや倒木で「陸の孤島」になる可能性はある。

 とまあ、そんなところに住んでいる。

 今の病院に転院することにしたのは、もっぱらリハビリ治療を受けるため。

 伊豆にはリハビリ治療施設が整っている大きな病院が二つある。

 救急医療を得意とする順天堂を追い出されてリハビリを続けるとなれば転院するしかない。

 転院先の一つは函南、もう一つは中伊豆にある。が、我が家から通うにはどちらも遠い。

 それで、交通の便利さを最優先させて今の病院にした。規模はさほどでもないが、ここだと我が家から歩いても20分とかからない。坂がきついけどね。

 とにかくリハビリ治療は時間がかかる。折れた骨がひっつくまでには少なくとも一ヶ月はリハビリを続けなければいけない。

 急いて元に戻そうとすると逆に治りが遅くなるそうで、こればかりは地道こつこつが最良の治療法ということらしい。

 そう言われると、ここはじっと我慢するしかないわなあ。

 それにしてもなあ、こんなことまでして長生きする気などさらさらなかったのに。

 なんで病院の世話なんかになる気になったかなあ。

 あわよくばもう少し生きたいという気持ちが、心のどこかに潜んでいたんだろうな。

 人の親切は涙が出るほど嬉しい。だけど、果たしてその恩に報いる日が来るかどうか。

 来るかもしれないし、来ないかもしれない。しかし、いずれにしてもそれはもうちっと永らえてみなければ判らない。

 

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