いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

しなだれて子の簪や百合の花(あ)

【今日の一枚】庭のタカサゴユリ(高砂百合)。

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 似たのにテッポウユリ(鉄炮百合)があるが、こちらは花弁に赤紫の筋が入っているからタカサゴユリ(高砂百合)。
 庭のあちこちに自生するが、殊に玄関アプローチ敷石にしなだれるように咲いて通路を妨げるのは困る。邪魔だ、どけ。けど、百合は引っこ抜くには気品がありすぎます。通るときにこっちが触れないように注意すればいいだけのことですから、枯れるまでそのままにしておきます。


【書】「首実(實)」しゅじつ(No.1,144)

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 「ありのままを言う。事実を白状する。首は、申す意。」(『旺文社漢字典』第2版)
 「首」は、上に毛髪の生えた頭部の形にかたどり、あたま、「くび」「こうべ」の意、ひいて「はじめ」の意に用いる。
 「実(實)」は、宀(家)と貝(財宝)と周(みちる意。毋は変化した形)とで、家の中に財宝がみちている意。ひいて、みちる意。転じて「みのる」「み」の意に用いる。


【ディジタル画】『坑夫』 26(No.584)

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 「宿の外れには橋がある」。私は「つい芋に心を奪はれて、橋の上へ乗つかゝる迄は川があるとも気がつかなかつた」。橋があるのも知らずに芋を夢中に食っている私。
 と、その橋の向こうから(淋しい山の方から)小僧が一人やって来た。「年は十三四位」と言うから、ちょうど孫娘くらいの年頃か。履き物は、「冷飯草履」を履いている。「ひやめしぞうり」? なんじゃそりゃ、と、ここでまた沸々と興味が湧いてきた。
 どうせ十三四歳の小僧の履き物だから粗末なものに違いないと検討をつけて全集注解に当たったら、果たして「藁を編んで作った粗末な草履のこと。緒も藁で、紙なども巻いていない」とあった。
 へええ、これより幾分高価なのは、緒に紙を巻いているんかい。そりゃまあ、親指と人差し指の付け根がちくちくしないで済むが、雨だったらどうすんだい? といよいよ興味を持つ。ネットに当たったら、「中貫草履」「藁草履」「緒太」「麻裏草履」「足半」「板草履」「雪駄」「女物の草履」と、出るわ出るわ、こんだけ種類があったのかいと思うくらい出てきた。
 ところが、ここに「冷飯草履」なるものが出てこない。売り物にならないくらい下の下にランクされた履き物なのだろうか。
 それで、改めて「冷飯草履」で検索したら、品川にある老舗草履屋六代目当主が自らYouTubeで説明していた。「冷飯草履」とは、いわゆる「藁草履」のことだそうです。なるほど。で、雨の日は草履ではなく下駄を履くのだそうです。これも、なるほど。でも、下駄のなかった時代はどうしてたんだろう。
 ところで、草履の種類に「雪駄」というのがある。当時「雪駄」は高級な草履と扱われていたのでしょうか。同じく草履屋六代目の説明によると、雪駄は藁草履の下に獣の皮を縫い足したものらしく、かの千利休が好んだ。雪駄は雪道でも足が濡れない仕様だったらしい。
 ところが大名屋敷などに上がる時は獣の皮をあらわにしたのでは無礼にあたるとして、下にもう一枚藁草履面を縫って獣の皮をサンドイッチ状にして見えなくした。そのうち獣の皮だけが抜かれ、それを「中抜草履」というようになった。
 こと、山の小僧が履く一足の冷飯草履だけど、繙けばそこから当時の風俗がいろいろ判って面白い。いや、勉強になります。
 今回もConceptsで描いた。橋の下を流れる谷川の清流を描こうか、冷飯草履を描こうか迷ったが、最終的に草履を選んだ。


【タイムラプス】8月5日(金)6:10〜9:21の伊豆長岡の空。23秒。

https://www.facebook.com/1298610339/posts/pfbid0n1zGNnCrKC6RuxrERtXBb52cg7XAJ6ZfK9vbVQTouGGR2xHkJtn4z6uJqa19ePYyl/?d=n


【新型コロナ】8/5(金)10:00現在(Yahoo!より)
新規感染者数→238,735(前週同曜日比 +5,737)
重症者数→516(前日比 +38)
伊豆の国市陽性者数→65(前日比 −29)(静岡県HPより)