いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

桜坂上れば下る会者定離(あ)

 今日は離任式。
 子どもたちは、春休み中にもかかわらず、この式に出席するためにわざわざ登校する。先日、卒業式を終えたばかりの卒業生もジャージ姿で登校する。
 私が長年勤めた神奈川県では、離任式は4月になってから行われていた。教員人事異動の新聞発表が3月30日だったから、その発表前に離任式はできないという事情があったのだろう。が、離任式が4月だと、離任する先生方と新入学生とはまったく接点がないわけで、思い出話を話しても新入学生のブロックだけ???が飛び交う事態に陥っていた。新入学生も、なんで俺たち私たちが離任する先生の話を聞かにゃならんの? と不満を持っていたに違いない。
 その点で言えば、静岡方式の方が理にかなっている。しかも卒業生が、お世話になった先生の最後の挨拶を聞くために全員駆けつけるんだからすごい。神奈川と大違い。卒業式を終えたんだから別に登校しなくても構わないのに、律儀に駆けつける。
 今日の離任式は、新型コロナ感染予防対策で、晴れればグランド、雨なら各教室でZoomを見る段取りになっていた。で、空は晴れていたものの、グランドには昨日の雨がだいぶ残っていたので、Zoomを使った離任式になった。
 よし、これでホワイトボードに「会者定離(えしゃじょうり)」の字を書きながら話ができる。さらに「離」の字に焦点を当てて、その字の甲骨文を紹介できる。
 甲骨文の書き順は誰も教えてくれないから、2年生のときに私に書写を習った卒業生は、私がどういうふうに筆(マーカー)を動かすか興味津々だったろう。
 ホワイトボードに「離」の甲骨文を書きながら、みんな、どんな顔をして私の書き方を見ているのかと想像してみた。私としては「最後の授業」のつもりだったが、その最後をちゃんと見とどけてくれただろうか。
 昨今はリモート学習・遠隔学習なるものがもてはやされるが、私が今日Zoomを使って授業めいたことを実践して感じたことは、やはり教育現場は、生の教師と生の生徒が生のやりとりをするのがいちばんだよな、ということだった。学校はいつの世も、そういう生がぶつかり合う場であって欲しいと思う。


【今日の一枚】桜のトンネル。

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 この桜のトンネルを抜けた丘の上に中学校はある。子どもたちはこの坂のことを親しみをこめて「オウチュウザカ」と呼び、生徒会歌にも♪桜舞う桜中坂♪と歌われる。今年の桜は、卒業式でもなく入学式でもなく、その間隙の離任式に満開となった。


【書】「乳養」にゅうよう(No.642)

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 「乳を飲ませて育てやしなう。乳育。」(『旺文社漢字典』第2版)
 「乳」は、爪(そう)と孔とを組み合わせた形。爪は手の指の形。孔は後頭部に頭部の頭髪を剃るような曲線を加えた子どもの形。その乳児の頭に手を加えている形である乳は、授乳(乳児に乳を飲ませること)の姿に似ている。→白川静『常用字解』
 「養」は、音符は羊(よう)。[説文]に「供養(きょうよう)するなり」とあり、食物を供えて養うの意味とする。羊に攴(ぼく=鞭などで打つの意味)を加えて、羊を飼うことをいう。→同 


【タイムラプス】3月29日(月)5:33〜6:56の伊豆長岡の空。20秒。

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【新型コロナ】3/29(月)10:00現在(Yahoo!より)
新規感染者数→1,785(前週同曜日比 +666)
重症者数→341(前日比 +10)
累計死亡者数→9,064(前日比 +29)