いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

首もたげ茂みより出づ石蕗の花(あ)

 午後7時から自治会三役会(区長・副区長・会計)。午後6時半のつもりで公民館に出かけ、10分過ぎても誰も来ないので区長に電話を入れた。それで7時に変更になったことを知った。そういえば先日、会が7時からになったとLINEで確認していたのに、まるでそのことを失念していた。

 席上、来年度の人事の話になり、これまで公民館管理をされていた方が他所へ引っ越されたことを受けて、その後釜に私の名が挙がった。

 公民館管理とは、公民館を利用する方のために鍵を開けたり、利用料を受け取ったりすることで、いわば、三役会の補佐的なお手伝いと理解している。私も今年、会計をやっていてずいぶん助けられた。それを来年度、私にやってくれないかというのである。

 私は今年度、自治会の会計として公民館に出入りするようになった。それで、日頃の自治会活動のために尽力されている方々を知るにつけ、頭の下がる思いがしていた。

 役員会のメンバーは、輪番とはいえ、一旦その役を引き受けたらなら責務を全うせんとする方々ばかりだし、役員の経験を積まれた重鎮も、いたるところでフォローを惜しまない。素晴らしいチームワークだと思う。

 昔から、「住めば都」というけれど、自らが何もしないで「住めば都」というのは少し違うんじゃないかと思っている。誰かが何かをしてくれるから暮らし良い場所なのではなく、自ら何かをすることでより良い暮らしを作り上げていくから、だから、暮らし良い場所になるという意味なのだと思う。

 私も、自治会の役員をやる前は、ここは自然がいっぱいだし親切な人がいっぱいだし、なんて居心地の良い場所なんだろうと受け止めていた。ここを終の住処と定めたことは間違いではなかったと思った。でも、役員をやってみて気づいた。居心地の良さの裏には、自分たちでなんとかしようという人たちがいて、その人たちの無償のフォローがあるからこそ居心地がいいんだということを。

 今日の寄り合いで、この地区のあらゆることを知り尽くしている重鎮から「どんど焼き」の話を聞いた。それで、来年の「どんど焼き」をどうしようかという話になり、その運営にあたってはどうしても密にならざるを得ないということで、従来の「どんど焼き」はやらないことに決まった。私はその人の隣に座って話を聞いていたが、心なしか一抹の寂しさをその横顔に見た。

 私は、別段、外に仕事がなければ、来年度は公民館管理の手伝いを引き受けてもいいかなという気持ちになっていた。

 

【今日の一枚】ツワブキ(石蕗)の花。

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 花期は10月から12月で、俳句歳時記では冬に属する。

 トサミズキ(土佐水木)の葉の下に埋れていたのを、顔が見えるように前へ引っ張り出した。シャキッと立たせようとしたが、長い茎が曲がってシャンとしない。トサミズキの枝にかろうじて引っかかってくれたところを急いで撮ったせいで、花びらが幾片か落ちた。

 石蕗の花が咲けば、季節はいよいよ冬を迎える。

 

【書】「年歯(⿒)」ねんし(No.495)

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 「とし。よわい。年齢。歯も、としの意。」(『旺文社漢字典』第2版)

 「年」は、禾(か)と人とを組み合わせた形。禾は禾(いね)の形をしたかぶりもので、稲魂(いなだま=稲に宿る神霊)の象徴であろう。→白川静『常用字解』

 「歯」は、もとの字は⿒に作り、音符は止(し)。その下部は歯の並んでいる形であり、「は」をいう。甲骨文字には音符の止はなく、歯の形の象形の字である。→同

 

【タイムラプス】10月27日(水)5:22〜6:55の伊豆長岡の空。23秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1321213877229555712?s=21