いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

初虹や何も告げずに消えにけり(あ)

未明に降り出した雨は、出勤する段になってさらに強まり、スニーカーを諦めて長靴にした。

職場に着いたら程なく雨が上がり、グランドの向こうに虹がかかった。写真に収めようとiPhoneを取り出したが、虹はすぐに流れて来た雲にかき消された。

1校時の授業に行ったら、窓に大きな虹が復活した。「おっ、虹だ。授業をやってる場合じゃない」と言いながら黒板に「冬の虹」と大書し、単に虹と言えば夏の季語だが、冬だってこうして虹がかかることがある、どうだ、夏に見る虹と違ってどこか物寂しい感じがするだろう? などと講釈を垂れる。

そうけしかければ子どもたちは虹を見るのにどっと窓側になだれると思っていたら、意に反して、何言ってるの、このじいさんという顔をして席に座ったまま。場を盛り上げようと思って虹のことに触れたのに、反応はいまいち。こういうのを「すべった」というのだろう。

黒板には「冬の虹」と書いたが、暦はもう春で、書くなら「春の虹」と書くべきだった。が、「冬の虹」を季語として一句ものしたことはあるが、「春の虹」は一度もない。で、「春の虹」が果たして歳時記に載っているかどうか判らなかったので、ひとまず今日の虹を「冬の虹」としておいた。後で歳時記で確認したら、「春の虹」もちゃんと載っていた。実際に教室の窓から見えた虹は、幾分柔らかい春の気分を含んでいたように思う。子どもたちはそれを敏感に感じ、私が言った「物寂しさ」に違和感を覚えての反応の鈍さだったのかもしれない。

大人は言葉をいじくりまわして俳句をひねるが、子どもは感性をストレートに溶かして作るところがある。私に足りないものは、その初々しい感性だと気付かされた。

 

【今日の一枚】南アルプスを遠望。

f:id:jijiro:20200215090843j:image

これは、2/11(火)の部活からの帰りに家の近くで撮ったもの。

写真中央奥の冠雪した山並みが南アルプス。写真には見えないが、右の三角山の右側に富士山が裾を広げている。

写真中央の左から右へ狩野川が流れ(写真では土手しか見えない)、その向こうに伊豆長岡(古奈)の町並みが広がる。本来の伊豆長岡は、明治40年に温泉が発掘されてから栄えた比較的新しい町で、温泉街はいちばん手前の小高い丘(源氏山)の裏側になる。ちょうど電柱の陰に見える順天堂大学病院を三角山に向かった山あいにかつては旅館がひしめいていた。が、今は畳む旅館も多い。

病院の背後の山は、山頂にロープウェイ駅を持つ葛城山に連なり、そこをトンネルで抜けると沼津の内浦湾に出る。内浦湾からは海に浮かぶ富士山がきれい。

山あり川あり海あり温泉ありの、こういった明媚に浸りながら、伊豆でシニアライフを満喫しています。もうすぐ8年目になります。

 

【書】「留」リュウ・ル・とめる・とまる・とどまる・のこる(No.387)

▼甲骨文は無し。

▼金文

f:id:jijiro:20200215090919j:image

会意。卯(りゅう=〓1)と田とを組み合わせた形。〓1は水流の傍らに水溜りができている形で、田地に水が溜ることを留といい、水が「たまる、とどまる」の意味となる。のちひろく「とどまる、とめる、とまる、のこる」の意味に用いる。(後略)<『常用字解』より>

〓1(『超漢字』の画像)↓

f:id:jijiro:20200215090939j:image

【温泉】一二三荘。

【タイムラプス】2月13日(木)5:52〜7:16の韮山方面の雨空。20秒。

https://www.facebook.com/100001436582002/videos/2835045799886612/?d=n