いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

裏庭の陰ふうわりと八重桜

藤沢から伊豆へ移動。学校は本格的な授業開始となって、修善寺まで出勤していたときに利用した三島駅7:34発の電車は通学の高校生でほぼ満員。上り電車の乗客がさほどでもないのに、下り電車がこれだけ混むというのも珍しい。これが「いずっぱこ」(伊豆箱根鉄道)の特徴。

いずっぱこの沿線には県立高校が5校あり、熱海、三島経由で通う生徒も多い。今日の体育は何をやるんだろう、◯◯先生って怖そうだよね、部活なにやる?(これは新入生か)とか、新しく始まったばかりの高校生活の期待や不安を語り合っている。いつの世も変わらぬこの時期の風物詩である。

去年教えた子たちは今どうしているだろう。もしかしたらこの同じ電車に乗っているかもしれないな。そんな目でボックスの座席からそれとなく車両を見回してみた。しかし、知っている顔は見つからなかった。

去年勤めた学校で、4月の最初の授業で自己紹介をしたときに青森の話を少しした。そうしたら、目の前に座っていた女子生徒が吉幾三のファンだと明かしてびっくりしたことがあった。まさかこの年代の女の子から吉幾三の名前を聞くとは思わなかった。元気で活発で積極的な子で、ムードメーカーになりそうな気がして、よし、ではあなたに号令係をお願いしようと言ったら「はい」と快諾。結局それから一年間、その子が醸し出す明るい雰囲気の中で授業を楽しく進めることができたのだった。いや、生徒はそれほど楽しくなかったかもしれない。でも私にはとても楽しかった。

その子が韮山駅から乗ることは知っていた。授業が始まって間もなくのある朝、通学路でその子が私に背後から声をかけてきた。どこから通ってるの? と訊いたら韮山からだと答えた。それで知った。

車両に知っている顔を探したとき、たぶんその子を探していたのだと思う。でも探せなくてよかった。探して目が合っても挨拶に困っただろうから。相手は、えっ? なんで、なんでここにいるの? という顔をするだろうし、その驚きの顔に私は下手な作り笑いを向けるしかなかっただろう。

写真は、庭の八重桜。八重桜は牡丹桜とも言って、開花はソメイヨシノより1〜2週間ほど遅い。華麗さはソメイヨシノに負けるかもしれないが、庭木として鑑賞するなら八重桜の方が枝が広がらない分都合がいい。鞠のようにふわりとまとまった花房はふくよかで、それはそれで見応えがあります。花言葉は「豊かな教養」。(あ)

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あやめ湯(18:35〜19:07)5→4人。

4,519歩。