いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

箱根駒ケ岳のロープウェイ

大学時代の仲間を、朝一番で「あやめ湯」に連れて行こうと思った。ここの共同浴場は朝6時半からやっている。あやめ湯で一風呂浴びて昨夜の酒を抜かし、それからのんびり箱根を回って帰る心づもりでいた。ところが、今日20日は定休日だったことにはたと気づく。この前行ったとき、今月は5日と20日が休みだと脱衣場に知らせが貼ってあったのを思い出した。ならば9時になるのを待って別の湯屋へ行こうかと提案したが、誰もうんと言わない。早めに箱根に行って、箱根で温泉卵でも食いながらのんびりすっぺえとの会長の言に他の皆がなびき、9時を少し回ったところで伊豆の家を出発した。みんなに食わしてやろうと冷やしておいた西瓜は、結局そのまま冷蔵庫で孫が来るまで冷やされ続けることになった。

昨日運転してきた副会長の車は、今日は会長の運転に替わった。私のナビで裏道を走り、大場・函南ICから伊豆縦貫道に乗る。昨日は大場・函南までは順調だったが、誰かさんのミスリードで、有料道路を伊豆長岡のトンネルまで走ってしまったと、助手席の副会長が、運転している会長にちくちく言う。なるほど、そういうことがあって昨日の到着が遅れたんだな。ちなみにこの会長、待ち合わせの東京駅にも遅れて到着したんだそうな。それでも一向に悪びれるそぶりを見せないところは、大学時代とちっとも変わらないなあ。
元箱根の遊覧船乗り場には10時前に着いた。コーヒーを飲もうと思ったが、店はまだ開いていなかった。値段は400円。さすがは天下の嶮、値段も妥協せず、といったところか。店が開いていたとしても多分入らなかっただろう。コンビニの100円コーヒーに慣れた懐には、いささか高うござった。
温泉卵を求めて駒ケ岳ロープウェイに乗ることにした。実は私、このロープウェイに乗るのは初めてなんです。40年近く神奈川に住んでいて、これまで何度も箱根に来ていながら一度も乗ったことがない。だから、山頂がどうなっているか分からない。一行は、山頂駅には売店があり、そこでは茹で上がった温泉卵が売られているはず、なんて勝手に思い込んで乗車したのだったが、実際は、駅舎の壁に様々な富士山を写したパネル写真が飾られてあるだけだった。それにしても、生の景色が見られる同じ場所に、そこから撮した写真を展示するのってどうなんでしょう。余計なお世話としか思えないんですけど。
駅舎を出て頂上の方に目をやると、朱の柱に緑の屋根を葺いた竜宮城のような社殿が、流れる靄に見え隠れする。せっかくだからと社殿まで上ると、中では一人の神官が笙を奏でていた。本来の厳かな神事が観光商売に汚されたようで、いい気はしなかった。
温泉卵を食うんだったら、強羅から出ているケーブルカーに乗るんでした。そのことを知った頃にはもう温泉卵はどうでもよくなっていたが、副会長が4個入りにパックされたのを執念で探してきて、それを買った土産店のテーブルで分け合って食った。こういう副会長の執念と気配りも、大学時代のそれと変わるところはなかった。
あれからお互い星霜を重ねてきたけれど、還暦を過ぎても学生時代とちっとも変わらない。そういう仲間と巡り会えた運命を大切にしながら、これからも大いに人生を楽しんで行きたいと思っている。8,942歩。
写真は、昨夜の、鍋が煮上がる前にすっかり出来上がっている呑兵衛の足。いつまでも無茶が通ると思うなよ(あ)
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