いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ベートーヴェンの「田園」

朝、伊豆長岡駅より一つ三島寄りの韮山駅まで自転車の走行を伸ばす。前回は下田街道を走ったが、今日は駿豆線の東側を並行して走る農道を選んだ。殆どの田圃が掘り返され、後は水を流し入れるのを待つばかりになっている。煙は見当たらないが、どこからか野焼きの匂いが漂ってきて、なんとも郷愁をそそられる。車の排気ガスを吸いながら走るよりも、こうして、のんびり田園の景色を見ながら自転車を漕ぐ方がよほど高級だ。頭の中にベートーヴェン交響曲第6番が流れてくるようだ。

ベートーヴェン交響曲第6番「田園」は、横浜の職場に勤めていた頃、朝の通勤電車、バスの中で毎日のように聴いていた。藤沢本町駅のホームでiPodのスタートボタンを押し、第5楽章を聴き終わる頃にちょうど職場前にバスが到着する。演奏時間が移動時間とピタリと重なり好都合だった。何かと忙しない朝の通勤時間に「田園」を聴くことによって、何となく大らかな気持ちになったものだった。そして、いつの頃からか田園風景に憧れるようになっていった。
今こうして、田園の風景の中で生活をしていると、まるで夢を見ているかのような錯覚を覚えることがある。熱い温泉に体を沈め、鳥のさえずりとともに目を覚まし、秀麗富士の頂を仰ぐ。菜園でささやかに野菜を育て、たわわに実る庭の果実を食み、釣ってきた魚で焼酎を愉しむ。身の程の仕事をし、史跡を散歩し、千字文を臨書する。こんな夢のような生活がまさに目の前にある。縁あって伊豆の暮らしをすることになったのだったが、第二の人生の住まいを伊豆の国に求めて本当によかったと思っている。8,991歩。
写真は、先日、孫が藤沢に来た時に遊んだジャングルジム。どうした加減か、あのときにアップできなかったので、改めて今日アップ。しあわせがこのままずっと伊豆の国(あ)
f:id:jijiro:20140510085426j:plain