いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

大江戸の古地図に梅の古刹など

写真は、菅野俊輔監修「大江戸『古地図』大全」(宝島社1,300円)と池波正太郎鬼平犯科帳』。これを見ながら現在の地図と重ね合わせ、できれば、かつて江戸と呼ばれた東京を歩いてみようという魂胆。

もともと地図を見るのは好きだし、歩くのも、酒ほどではないが好きになった。歩きたい場所は無尽蔵にあって、伊豆にいるときは伊豆の山々、藤沢にいるときは湘南海岸の隅々まで歩きたいと思っているのだが、その藤沢もだいぶ歩いて、そろそろ別の場所を歩いてみたいと思うようになってきていた。そこへ持ってきて池波正太郎『江戸古地図散歩』という古本と出会い、今回このムックと出会ったら、これはもう東京(江戸)を歩けと言わんばかりでしょう。

実は今、次男が家に戻って来ていて、藤沢から東京の会社まで通っている。帰りがいつも午前1時2時で、帰って来ない(来れない)日もある。どういうわけか会議を夜に行う会社らしい。会社は築地にあって、前は会社近くのワンルームから通っていたのだが、契約更新時に家賃を値上げすると言われ、ならば更新しないとしばらく家から通っていた。それが先週になって新宿四谷にいい物件が見つかったらしく、私に連帯保証人になってくれと頼んできた。

四谷といえば「四谷怪談」である。「番町皿屋敷」である。「大江戸『古地図』大全」によると、忍者服部半蔵の墓も近くにあり、四谷が江戸の外れという。次男が今度、四谷に引っ越すことになったからというわけでもないが、何か因縁めいたものを感じないでもない。

私の知っている東京といえば、大学時代に遊んだ渋谷、三軒茶屋自由ヶ丘くらいである。下宿アパートのあった世田谷新町や上野毛辺りの路地は多少知ってはいるものの、それとて最寄り駅までの道と銭湯へ行く道くらいなものだ。四谷も含め、江戸と呼ばれていたエリアで、どこに何があるかなどほとんど知らない。

江戸を舞台にした時代小説を読んでいると当時の地名が頻繁に出てくる。が、頭の中にその地図を描けていないから、登場する舞台がどこなのか今一つぴんと来ない。ぴんと来なくても、水路があり橋が架かり商いの暖簾が風にはためく往来は時代劇のイメージで想像できる。しかし、地図が頭に入っていれば舞台の前後左右も、より詳しく見えてくると思うのだ。

池波正太郎の頭には江戸の隅々までの地図が細かく描かれている。その地図が私の頭にも描ければ、時代小説をもっと楽しく読めるに違いない。(あ)

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3,280歩。