いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

生きてあること面白き藪萱草

あやめ湯(17:40)2→3人。入浴券を自動販売機で買い、券を番台のおじさんに渡そうとしたら、おじさんがいない。おじさんは脱衣場に掃除機をかけていた。客がいないときによくそうする。いつぞやは洗い場をブラシでこすっていた。おっと貸切かと思ったら脱衣かごが一つ使われていた。

風呂場のガラス戸を開けたら洗い場に見事なスキンヘッドの人が立っていた。こんにちはと声をかけるとこんばんはと返ってきた。どうもこの午後5時半から6時までは、こんにちはとこんばんはが混ざり合う時間帯で私もいつもどっちを言おうか迷う。5時だと確実にこんにちはの時間域で、6時だとこんばんはと迷わず言えるのだが、5時半から6時まではこの二つの挨拶が重なり合う時間帯ではある。

スキンヘッド氏はちょうど湯から上がるところだった。タオルで体を拭きながら、私はこれで上がります、どうぞ貸切を楽しんでください、私も貸切でした、と言って出て行った。

貸切をバトンタッチして、流れる演歌を独り聴きながら湯舟の真ん中にでんと足を広げ、はあ〜あと至福のため息を吐き出す。あやめ湯は人情あふれるいで湯かな、ああヨイヨイ。

しばらく貸切を楽しんでいると、そこへマイ桶氏がやって来た。ねじり鉢巻きの頭を風呂場に向けて覗き込む姿が鏡に映る。私の背中を私と認めたかどうかは分からない。がらっと戸を開けてこんばんはと入ってきたマイ桶氏に、私は体をねじってこんばんはと返した。

m何だかはっきりしない天気だねえ。jそうですね。外は雨が来ましたか。mぽつぽつとね。(並んで湯舟に浸かりながら)jあやめ祭はどこかへ繰り出したんですか? mいや、家にずっといた。j雨でしたもんね。m組長だからほんとは何かしなくちゃいけなかったんだろうけど、かったるくて。jええぇ? それってまずいんじゃないんですか? mいいの、いいの。(シャワー水栓に引っ掛けてある茶色のボディタオルが目に止まり)jずいぶん立派なのですね。漁師の使う漁網みたい。mそれ、イワシを捕る網だよ。知り合いの漁師からもらったんだ。丈夫でよく泡立つ。jへええ、本物の漁網ですか。ちょっと触っていいですか? mいいよ。jうわ、いいなあ。私も欲しくなっちゃいました。川遊びの魚捕り網じゃだめかな。家帰って試してみよっ。では、お先に。

8,083歩。

写真は、修善寺駅から職場まで歩く道の脇を流れる小川。古川(こがわ)という。降り続く雨で水嵩が増し勢いがよい。土手にはオレンジ色の藪萱草(ヤブカンゾウ)が咲き、やがて本格的な夏がやってくることを教えてくれる。(あ)

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