いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

イエグモに座椅子譲って缶ビール

手元に『津軽百話』(津軽書房)、『青森県の昔話』(津軽書房)がある。正確にはPDFにしてポータブル・ハードディスクに保存してある。書籍は2冊とも「自炊」で切り刻んでしまったから今はない。

いよいよアニメ「青森の昔コ」(仮称)作成に向けて動き出すことにした。それでひとまず生まれ持った津軽弁で『津軽百話』を読んでみた。ところが、活字になった津軽弁ほど読みづらいものはない。どのように発音すればいいのか私にもまるで分からない。例えばこんな具合だ。

「雨降りに、綺麗だじけらっこ着ちえ、(中略)わぁにせぇ、ほがっこに来た…」第1話「蛙(びっき)女房」より。

臼田甚五郎(國學院大学教授)が津軽の各地で昔話を採集したのは、序によると昭和38年までの10年間だという。昭和38年とは、私の生まれた半農半漁の寒村が東津軽郡から青森市に編入になった翌年である。そのとき既に「じけらっこ」や「ほがっこ」という語彙は、少なくとも私の記憶に間に合わなかった。明治大正昭和初期に使われていただろう津軽の語彙が私の代に伝承されなかったのである。途絶えたのである。10年間津軽を採訪した臼田甚五郎はひたすらそのことを恐れていた。過去の遺産が雲散霧消してしまうのを恐れていた。

ただ、活字に残しておくことにはなんとか間に合った。私はこれから、これら残された活字を頼りに音声化する作業に取りかかることになる。もしかしたら、私はとんでもないことをしようとしているのだろうか。いやいや、そんな気負うことはない。あくまで個人的趣味として楽しみながらやっていきますよ。

あやめ湯(17:50)6→5人。徒歩8,957歩。

写真は、今季初登場のイエグモ。あやめ湯から帰ってきたら座椅子の背もたれにいた。これから夏場に向けてしばらくお付き合いすることになるが、基本的にクモが苦手な私としては、あまりお付き合いしたくない。今日は1匹だけだが、ホタルが飛び交う頃になると5匹6匹とうじゃうじゃ這い出す。夜中にトイレに立てば、囲炉裏の下、食器棚の奥、台所の横、本棚の前、トイレの中に姿を見せる。イエグモはシロアリやゴキブリを食べてくれるという。それはそれでありがたいのだが、そのグロテスクな姿にはどうも馴染めない。あまり人目につくところには出ないで、できれば隠れて密かに家を守ってくれると助かるのだが…。(あ)

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