いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ザッケローニ監督が退任表明

サッカー日本代表のザッケローニ監督が退任を表明した。勝てば手放しでよくやったと賞讃され、負ければ采配を非難され、何やってんだと罵られる。ほとほと監督業ほど辛いものはない。予選を1分け2敗の最下位で終えた今回のW杯の結果からすれば、ザッケローニ監督の退任はやむを得ないところだろう。しかし、現在の日本代表の位置が、本当はまだまだ世界に及ばないことを誰よりも知っていたのは、ザッケローニ監督その人だったのではないだろうか。

辛口批評で知られるセルジオ越後氏は、ギリシャ戦後にこう言っている。
「これが実力だ。結果は驚きでもなんでもない。今大会の他の試合を見れば一目瞭然だ。日本はどの国よりも未熟で、どの国よりも走っていないし、迫力がない。にも関わらず、一番期待されている国だ。海外組ブランドが喧伝され、選手たちは大スターのように扱われてきた。ヌルい親善試合と、本当のことを言おうとしないメディア。強化よりも興行に気を取られてきた結果、自分たちの実力が実態以上に大きく見えるようになってしまった。しかし、現実は隠せないということだ」

氏の指摘の通り、我々は海外組ブランドに目が曇り、実態を見誤っていたのかもしれない。実際、マンUACミランインテルなど、ヨーロッパのビッグクラブで活躍する日本選手に寄せる期待は相当なものがあったし、そういう選手が異口同音に決勝トーナメントでの意気込みを口にすれば、もしかしたら本当にもしかするかもしれないと思うところもあった。しかし、現実は、スペイン、イングランド、イタリア、ポルトガルといった名のあるヨーロッパの国々がことごとく予選敗退した結果に見られるように、かつての栄光は既に過去のものとなっていた。テレビ映りのいいスター選手を追いかけているうちに、いつの間にか実力を見分ける目を曇らせていたのではなかったか。

この4年の間に培ってきた組織力は2点を取るにとどまった。逆に、コートジボワール戦のように、たった2分で2点を奪われる脆弱さも露呈した。組織力をいくら強化しても、最終的には個人の身体能力と技術力には敵わない。優れた個人技があってこその組織力であることをまざまざと見せつけられた。世界を目指すには個を磨くしかない。これからまた4年後に向けて新しいスタートを切る日本代表だが、たった一人でも堅牢な守備を突破できるだけのテクニシャンの登場を願ってやまない。14,578歩。
写真は、枝を切り落とした庭の梅。これで少しすっきりした。雲の峰苦悩の重さいかばかり(あ)
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