いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

藤沢秀行という碁打ち

午前中、久しぶりに「おやすみ前のお話」をパソコンに打ち込む。それをePub形式に変換し、グーグルドライブに保存しておく。そうすることでiPadで読めるようになる。これは、元々、小さい活字に弱くなったカミさんが、孫に読み聞かせてやれるように始めたのだったが、肝心の孫は学校が忙しくなったせいか、あまり顔を見せなくなってきた。これからは、休みの日に友だちと遊ぶ機会も増えてくるだろうし、孫がこちらに来なくなるのは寂しいが、それもまた仕方ないことだねえ。

パソコンで疲れた目を潤すのに散歩に出る。出て歩き出したら、霧雨がしとしと降ってきた。雨が降るのを予測しなかったので傘の用意はなし。まあ、大した降りにはならないだろうとそのまま散歩を続ける。目指す折り返し点は大庭のブックオフ。店の庇の下でショルダーバッグからタオルを取り出し、濡れた髪の毛を拭く。普段の散歩にはバッグを持たないのだが、ブックオフでまた読みもしない本を買ってしまいそうな気がして、今日は持っていた。何も入っていないショルダーバッグを肩にかけるのも間抜けだからとタオルを入れておいたのだが、そのタオルが役立った。で、やはり本を買ってしまった。その中に、茨木のり子『食卓に珈琲の匂い流れ』という詩集がある。詩はいいねえ。「酒を忘憂物と名づけたのは / いつのころの どんなひと / わが憂いは深くして 忘れさるすべもない / 火酒であれ 老酒であれ マッコルリであれ」という言葉を酒のツマミに、ウイスキーのロックをコロンと回す。詩は酒のツマミに持って来いだね。
NHKの日曜囲碁対局を見ながら昼食。昼食は朝の余り物の焼き魚と味噌汁。囲碁界も随分若い人が台頭してきていて、私の知っている名前も少なくなった。ああ、昭和は遠くなりにけり、である。囲碁対局で思い出に残るのは、今は亡き藤沢秀行の一局である。対局相手は忘れたが、あの時、秀行さんは制限時間を超えても一手を指さず、反則負けになってしまったのだ。一瞬、周囲が凍りついたのを覚えている。見る感じでは、酒を飲んで対局に臨んでいたのではなかったか。ともかく型破りな人でした。そして、そういう型破りなところが私は好きでした。11,257歩。
写真は、先週金曜の朝、田京駅ホームで上り電車を待つ通勤通学客。本来は金曜に載せるべきところ、画像保存に不具合が生じて今日になった。冷や酒や愛し碁打ちの型破り(あ)
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