いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

釣りを始めた頃

私が初めて釣りをしたのは、一体いつの頃だったか。私は、青森市陸奥湾沿いにある小さな漁村に生まれ育った。家の前の道路が奥州街道(国道4号線)で、西隣が魚屋、東の二軒隣が雑貨屋だった。釣り道具はその雑貨屋で買った。道具といっても、これ以上ないというくらい簡素なもので、竹竿と道糸と針とガン玉だけ。これで堤防からアブラメ(アイナメ)を狙う。餌は堤防近くの狭い砂場にいるゴカイを捕まえて、それを針につけていた。

堤防からアブラメの泳いでいるのが見えるが、見える魚は大概釣れない。底の転石の陰に隠れているやつを狙う。アブラメは、大きいのでは50センチくらいになるというが、そんな大きいのを釣り上げたのは見たことがない。大体は20〜30センチくらいが相場だ。また、アブラメは根魚だから根掛かりも多い。予備の針は用意していないから、針を根に取られたらその段階で釣りは終了。それですごすご家に帰るかというと、そうはならない。右手に竿を持ち、左手で道糸を摑んで、堤防のヘチに固まっているムラサキウニを引っ掛けて取るのだ。石で割ってその場で生ウニをペロリと口に入れるのもいいが、浜辺で火を熾して焼いて食うのも旨い。私は焼いたウニの方が好きだった。釣ったアブラメもそこで焼いて食う。それで、焼いたウニの殻を空き瓶に詰めて膝ぐらいの深さのところに沈めておくと、そこにギンポが入り込んでくる。ギンポという魚はどうもグロテスクで食欲をそそらない。江戸前の天ぷらネタとしては高級魚だということだが、それは今知ったことで、当時はぱかぱか獲れることに興味があっただけだった。
膝ぐらいの深さのところにはナマコもいて、これも見た目はグロテスクに違いないが、食卓の一皿に並べられたりして私も好きだったので、何匹か持ち帰ることもあった。隣の魚屋でもナマコは扱っていたが、浜へ行けば小学生の子供でも獲れるようなやつが、何で売り物になるんだろうと不思議に思ったことがある。それも今は昔、スーパーでたまに見かけることもあるが、今ではすっかり高級食材となってしまい、簡単には手が出なくなってしまった。7,458歩。
写真は、昨日の湘南海岸。釣り大会の帰り、自転車で海岸のサイクリング道路を走っていたら、もうこんなにも人が出ていた。すっかり夏本番です。パラソルの陰濃密にいや増せり(あ)
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