いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

チューリップの手紙

元職場の呑兵衛仲間が伊豆高原へ桜見物に出発するのを見送る。見送った後、それと入れ替わるような形で、孫がカミさんに連れられてやって来た。カミさん一人で孫を伊豆に連れて来るのは初めてである。これまでは、私が金曜まで伊豆にいる週の土曜は、私が伊豆から小田原まで電車で行き、車で藤沢を出たカミさんと小田原で合流するパターンが常だった。しかし、今回のようなことは、これからの一年、三島の勤務が金曜にも入ったことによって、しばしば起こり得る。まあ、この4月で孫も、上が小学2年生、下が幼稚園年長になるので、それほど手はかからなくなったとはいえ、それでも一人単独で二人の世話をするのはなかなか骨が折れる。カミさんの話だと、今日も箱根を走っている途中で下の孫がトイレに行きたいと騒ぎ出し、峠の公衆トイレに駆け込んだ。そうしたところ、トイレの中で歌を歌い出し、なかなか出てこない。そのうち、上の孫がどこかへ行って見えなくなってしまって、あちこち探す羽目になり大変だったとのこと。その光景が目に浮かぶようだ。カミさんが笑いながらそう話してくれたので、こちらも幾分気が安らいだ。

昼過ぎに孫が到着。早速、新しく拵えた作業机の座り心地を確かめてもらおうと思ったが、孫たちは、タタタとそのまま2階に駆け上がり、紙粘土細工を始めた。大人の勝手な思いで子供たちにこうしてほしいと用意した環境は、得てして子供たちに受け入れられないこととなる。子供にとっては、壁に面した窮屈な空間よりも、四方を遮らないテーブルの方がお好みのようだ。遊ぶことがイコール勉強の年頃は、逆にその方がよいのかもしれない。まあいいさ、それならそれで私の工作机にすればいい。
そう思って放っておいたら、そのうち手紙を書くんだと言って作業机に向かい出した。何を書いてるの? と声をかけたら、意味深な笑みを返された。どうせ私の悪口でも書いているのだろう。こういう場合はテーブルではなく狭い作業机になるんだね。こんな小さい頃から気持ちに合わせて場所を使い分けている。じぃじ、来てごらん、手紙が入ってるよ。下の孫娘が外から声をかける。郵便ポストの前に立っている孫娘を抱きかかえて、中に入っていた手紙を取らせる。何のことはない、さっき秘密裡に書いていた私宛の手紙だ。たくさんのチューリップの絵で囲んで、いず たのしい、と書いてある。何とも手の込んだ意思表示である。1,971歩。孫笑みて赤白黄色チューリップ(あ)
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