いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ねぶた作り第二弾

夏のねぶた作り第二弾。前回の作業からどれくらい進んでいるか気になっていたが、指に紙を貼った手が左右一対と、紙を貼っていない手が一対、それぞれ掌と甲が未完成の状態だった。特に拳の形に苦心の跡が見えた。先日、拳の作り方をメールで尋ねてきたので、ドラえもんの手のような球形を作り、それにフランクフルトの形をくっつければいいとアドバイスをしておいた。どうもそのアドバイスがうまく伝わらなかったらしい。多分、モミジの手の輪郭を最初に作り、その開いた指を内側に折り曲げて拳を作ろうとした気配が見られる。本来の手の構造からすればその方が正統なのだ。指を一本ずつ独立させる方がより精巧な作りになる。実は私も作り立ての頃はそのように作っていた。しかし、拳というのは隣同士の指が密着して初めて拳の用を為す。隙間が空いたら拳ではない。ということは、指を形作る輪郭の鉢金が隣同士密着して2本に重なるということだ。何作目かで刀を握る手を作る時に気がついた。拳の指と指の境目の針金は1本でいいんだと。いろいろ試行錯誤しながら、より良いものを求め続けることって大事なことだよね。

井上靖著『あすなろ物語』で、突然、鮎太と同居することになった19歳の冴子が鮎太に言う。「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも永久に檜にはなれないんだって! それであすなろうというのよ」。永遠になれなくたってあすなろう(あ)

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